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2006年11月16日 (木)

プラモ狂四郎(パーフェクトガンダム)

●ガンプラマンガの頂点『プラモ狂四郎』

 『機動戦士ガンダム』は、放映終了後にバンダイからプラモデル(通称ガンプラ)が発売されるや、児童層を巻き込んでの大ブームとなった。そして1981年10月、講談社からコミックボンボンが創刊され、ガンダムファンの裾野を広げるコンテンツとして発進したのが、ガンプラを主役にしたマンガ『プラモ狂四郎』である。連載開始は1982年2月号。おりしも劇場版『機動戦士ガンダム』は3作目「めぐりあい宇宙(そら)編」で完結間近、まさしくガンプラブームの最初の頂点と言える時期だった。
「プラモスーパーアクションまんが」と連載第1回に銘打たれている『プラモ狂四郎』とは、どんな作品だったのか? それは、主人公・京田四郎たちが模型店「クラフト・マン」に設置されたコンピューターによって、プラモデルが実在するシミュレーション世界へ入って戦うという、プラモデルファンにとっては究極の夢をかなえてくれるマンガであった。ヴァーチャル・リアリティーという言葉がある現在ならともかく、当時は家庭用TVゲームやパソコンの登場前夜であるから、これがいかに画期的で先進的だったかわかるだろう。
 漫画の作者は、温かい描線が魅力のやまと虹一氏。原作者はクラフト団となっているが、これは同誌のブレーンとしても活躍していた編集者・安井尚志氏を中心とするペンネームである。当時の人気モデラーチーム「ストリームベース」も原作に協力、さらにマンガ内にも出演するという、まさにガンプラファンの夢と現実を橋渡しする作品であった。
 そして、パーフェクトガンダムこそは、ブームの頂点の中で生み出されたプラモ出身の“夢のガンダム”と言えるだろう。
【MG 1/100 パーフェクトガンダム(バンダイ)解説書原稿の一部:脱稿 2003.10.29】

※MSVの生みの親であり、筆者の師匠でもある安井氏の代表作です。簡潔にエッセンスを紹介した部分だけを抜粋して掲載します。入稿時のメールにその辺の事情が記載されているので、以下に補足します。

 小生、『プラモ狂四郎』とは本当に入れ替わりでして、講談社さん+安井さんのお仕事は、MSVのもとになったザクキャノンその他の掲載されたムックから「めぐりあい宇宙」あたりまでなんですが、ボンボンのお仕事は横で見ていつも楽しみにしておりました。
 そういえば、その当時に安井さんと飲んだとき、私から「ガンダムは本当はコアファイターを中心に上半身ガンダム下半身ガンタンクとか、そういうギミックになるはずだったんですよ~。みっともないから、出なくて良かったですね」と言ったことがありました。 そしたら、安井さんに「そうかなあ、オレはそれは格好いいと思うぞ」と激しく反論され、「ええ?」と思ってたら、数ヶ月後のボンボンにMSVとして「ザクタンク」が発表されて、腰が砕けたことがありました(笑)。
 またこうやって安井さんのお仕事と関わりができて嬉しく思います。

<ガンダムタンクについて>
 実はピピン用に開発され、後にプレステにも移植されたアメリカ実写版ガンダ
ムゲームに登場していますよね。

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