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2006年11月25日 (土)

OVA20周年(AX東京)

《未発表原稿》

AX東京 OVA20周年討論 レジュメ(案)
                     2004.01.13 氷川

●ビデオの状況
 ・ビデオデッキの本格普及は1980~81年ごろ
 ・デッキ=20万円
 ・テープ=2000~3000円
 ・1982~1983年には高額のレンタルビデオ屋が開店
 ・レンタル代:定価の10%(1500円くらい)
 ・LD時代の予感(83年ごろか?)
 ・ビデオソフト商売の端緒
  →「幻魔大戦」('83)は公開と同時にソフト販売
   「ナウシカ」('84)にいたっては、LDを同時販売

●OVA前史
 ・70年代終盤:テレフィーチャー・アニメ形式が発生
 ・24時間スペシャル、日生など大スポンサー
 ・1982年のマクロスにも名残(1,2話の同時本放送など)
 ・エモーションレーベルの誕生
  →厳選された作品群。内外、特撮への目配り。
   それまではメーカー側のロジックだったのが、ファン寄りになった
 ・模型雑誌との連動開始(モデルグラフィックスの表4広告)
 ・バンダイ:2次商品→1次商品への転換

●OVAへの期待
 ・作家性の熟成 → もっと自由に作ったものが観たい
 ・コマーシャリズムからの解放 → アリバイとしての玩具不要論
 ・TVコードからの解放 → 暴力、セックスなどのアダルト描写
 ・権利の問題:作家への還元(実際には稀少)
 ・総じて「可能性」を信じていたのだが……

●ダロス(1983年)
 ・月面都市における階級闘争話
 ・戦後日本の縮図的な描写(三鷹事件の模写など)
 ・売れ線ねらいのデザインライン:安彦調、ガンダム声優など
 ・鳥海永行(ガッチャマン)+押井守(うる星)
 ・当時、押井監督は『うる星TV』と『ビューティフルドリーマー』の
  三本建て体制
 ・作画のピーク→山下将仁のアクション、エフェクト
  (スタジオぴえろは『ニルス』等の動物、生活描写派だった)
 ・HiFi以前。でも仕様はステレオ。
 ・30分7800円(6800円だったか?)
(Negative side)
 ・分割発売だった
  →遅延に継ぐ遅延
  →30分増えて、4部作になった
 ・話数順でない発売
  →ストーリーよりも映像偏重
 ・難解なストーリー
(Point)
 ・バラまかれる薬莢 → 「マトリックス」への影響

●メガゾーン23part1(1985年/3)
 ・23=東京23区
 ・美樹本 晴彦+平野俊弘+石黒監督
  (マクロス人気を引っぱる形で)
 ・バイク変形
 ・バーチャルアイドル
 ・主人公が負ける蹉跌の物語

●魔法の天使クリィミーマミ ロング・グッドバイ(1985年/6)
 ・「永遠のワンスモア」84/10 総集編+後日談
 ・人気作品の続編をビデオで(の走り)
 ・映画撮影のバックステージもの
  →立体物展開とのマッチング(B-Clubなど)
 ・スタジオぴえろ+望月智充監督
  伊藤和典+高田明美
 (押井監督もモデル出演)

●戦え!イクサー1(1985年/10)
 ・立ち上がった市場の受け皿的作品
  レンタル屋 → アダルトとスプラッター
  マンガで美少女エロ → レモンピープル(久保書店の出資)
 ・作画で肉と粘液が描写可能に
 ・平野俊弘が監督:特撮感覚の横溢
 ・音楽:渡辺宙明

●メガゾーン23part2(1986年/5)*劇場(落ちた)
 ・梅津泰臣にキャラが変更。監督は板野一郎。
 ・具体的ブランド描写の走り:ビールがハイネケン、バドワイザーなど
 ・アダルト志向の強化(ベッドシーンが劇場のみでカット)
 ・グロテスク描写

●ガルフォース(1986年/7)*劇場
 ・園田健一キャラ
 ・アートミック全盛期
 ・美少女しかいない設定
 ・動物的ヒロインの走り

●ブラックマジックM-66(1987年/6)
 ・北久保弘之監督
 ・士郎正宗:原作者のこだわり(直筆コンテ、ナウシカの影響)
 ・リアリズム作画の端緒(沖浦啓之氏)

●トワイライトQ 迷宮物件FILE538(1987年/8)
 ・トライライトゾーン+ウルトラQ-ウルトラゾーン
  (日本のアウターリミッツ=ウルトラゾーン)
 ・ディーン制作
 ・背景を写真加工:後の写実的背景の先がけ
 ・虚実混淆の物語

●機動警察パトレイバー(1988年/4)
 ・86~87年ディザースターからの回復 → ブロックバスター
  4800円、CM入り
 ・30分 全6話フォーマットの確立
 ・限りなくTVアニメに近いレベル、尺、内容
 ・クリエイター集団:ヘッドギア
 ・押井守監督、第二の出世作

●トップをねらえ!(1988年/10)
 ・パトレイバーとのコンペティション
 ・庵野監督デビュー作
 ・オタク的要素の集大成 → SF風味
  ガイナックスの芸風まんま(ダイコン以来)

●ジャイアントロボ(1992年/7)
 ・『宇宙戦艦ヤマト』の末裔
 ・小林誠メカ
 ・今川泰宏演出
 ・レトロキャラ+荒々しいアクション
 ・完結までに6年がかり

●天地無用!魎皇鬼(1992年/9)
 ・AIC作品
 ・思わぬ伏兵的にヒット
 ・第二世代『うる星やつら』的要素
 ・女の子回転寿司状態、温泉話などなど
  90年代中盤以後のギャルアニメ、ギャルゲーの雛形
 ・複雑多岐な続編(何本あるんだ?)

●青の6号(1998年)
 ・フルデジタル、メカフル3Dポリゴン、5.1ch
 ・究極の「ハイターゲット」作品か?
 ・前田真宏監督
 ・GONZOの方向性を決めた作品

以上です。

【初出:AX東京 2004年1月 トークショー用のレジュメ】

※これをもとに、壇上では井上博明氏と掛けあいでトークを行いました。作品名の上がっているものについては、編集済みのビデオを流しながらでしたし、通訳が入ったりする関係で、まったくこのとおりには進行していません(笑)。メモの開陳で恐縮です。

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