2016年6月 9日 (木)

怪獣王子 Blu-ray BOX

他の商品と同時進行だったので、マスタリングに立ち会っていました。なので、内容を少しご紹介。
DVDも欠落アリとか部分モノクロでしたが、今回は完揃いです。一部話数、パートは35ミリネガ(16ミリではなく)が発見されました。時代的に劇場はスコープ時代で圧縮映像ですから、同時期でもっとも情報密度の高い映像ではないかと思います。ちょい見え過ぎですが、鮮烈さにビックリです。
映像特典の主力は「シルバージャガー」を中心とするパイロットフィルム群。同作はVHSと同じ内容で、そこはアップコンですが、現存する褪色したポジからの新テレシネ版も収録。さらに「ラッシュ」と称するネガが発見され、その鮮明さにも驚きます。カチンコ類も入っているので、メイキング映像として見られます。同VHSからピー・プロの「クラブ君の冒険」などパイロット版含むハイライト集も再録。「ちびっこ怪獣ヤダモン」は実写合成で怪獣ゼロンの出る「ゼロの世界」です。ピープロのファンタスティック・コレクションに参加してフィルム複写したころを思い出しました。さらに鷺巣富雄さんのインタビューは完パケの他に収録素材も入るはずです。
見せてもらった範囲では、それとは別にフィルムの現存するものはそこからもリマスターしていて、「豹マン」のネガからのリマスターが、これまた見たこともない鮮烈な映像で、少年マガジンの表紙を飾ったスチル写真を思い出しました。いま16ミリでもネガさえ残っていれば、ここまで行けるのかという。ライオン丸もそうですが、マントにラメ入っているキラキラ感と獣毛のモフモフ感がHD化で楽しめることで、ヒーローの印象が変わります。
最終最後まで立ち会わなかったので、仕様を把握しているわけではないので、全部入っているといいなあ、というとこですが(すいません)。
ところで予告が別ディスクになっている件ですが、私も立ち会い時に、本編同梱をお願いしてみてるわけです。でも、予告は予告だけで発見されていて(別ロールになってるから)、原版状態があまり良くなくて本編と落差がありすぎるのと、一部アップコンものが60iなので、新規の24pと混在すると技術的によろしくないことがあるそうで。それなりに理由のあることです。
それくらい復刻、発掘ものは苦労に苦労、検討に検討を重ねて、散逸したり劣化している素材を拾い集め得ようにして、やっと発見できた、みたいな素材を、今度は収録条件に合わせていろいろ考え、ベターにベターになるよう努力しているわけなのですが。
まあ、ピープロものもO氏の勇退により、そういう粘りの姿勢の商品はこれで最後でしょう(権利継承先から某社みたいに旧マスターをそのまま商品化しました、というのは出るでしょうが)。こういうのは、本当に担当者の知識と情熱によりけりなので。
どうか見送ってあげてください、という感じですね。
 

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2013年3月 6日 (水)

「未来少年コナン」BD廉価版

7/26宮崎駿監督の『未来少年コナン Blu-rayボックス』が廉価版で発売(Amazonで15,960円)。
新作『風立ちぬ』合わせだと思いますが、これは朗報ですね。


『未来少年コナン』は雑誌「ランデヴー」で放送前に、まだあまり世に知られていなかった宮崎駿監督に取材させていただいた思い出深い作品です。おそらくアニメ専門誌としては日本初でしょう。
しかも1979年に小生が初めてキングレコードで音盤構成をさせていただいた作品でもあります。当時、ドラマ編とBGM編を1枚でという話に対して「それでは入らない」と言ったところ、ガンダム音盤のディレクターとしても知られる藤田純二さんが「じゃあ、二枚組にしよう」と即断即決したのは、すごかったです。
で、後年になって『未来少年コナン 総音楽集』として腹巻猫さんと共同で、現存する全楽曲を収録することもできました。
ともあれ宮崎駿監督唯一のTVシリーズにして初監督作品(クレジットは演出)。非常に奥深い、年齢によっていくつも再発見のできる作品なので、ひとりでも多くの方に見ていただき、後世へ語り継がれてほしいと思っています。

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2012年4月10日 (火)

「宇宙戦艦ヤマト」(1974年版)の資料発掘作業

↑これに収録するための資料発掘を数次にわたって行っております。昨日は第4次か5次か忘れましたが、ほぼ最終ということで、最深部を発掘。それなりの成果が出てきたので、バンビジさんに相談したうえでTwitterでつぶやいたところ、まとめてくださった方がいらっしゃいます。

http://togetter.com/li/285893

<注>
・2話のヤマト全景は白土武さんでは、というご指摘をいただきました。
・小泉さん→小泉謙三さん
・湖川さん→湖川友謙さん(当時:湖川滋さん)
・友永さん→友永和秀さん
・ヤマトのBANKは泉口薫さん

これらはごくごく氷山の一角という感じなのでした。商品にどう反映するかはまだ作業中ですが、初出多数の特典となりそうです。新作『宇宙戦艦ヤマト2199』も幸い高評価ですが、オリジナルの1974年版も、両方楽しんでいただければなあと。どうかよろしくお願いします。

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2012年1月19日 (木)

「サンダーバード」Blu-ray

16:9トリミングというのでずっと手を出していなかった「サンダーバード」のBlu-ray(イギリス盤で2008年ぐらいのリリース)。
日本のamazonでも入手可能で、しかもマーケットプレイスだとイギリス直送、今はないですが6000円台ってのがあったので、日本では出る様子もないので発注してみました。
今日届き、特に問題なく再生できたのですが……。
画角はともかく、これまで観たこともないミニチュアディテールの数々に口がぽかんと空いてしまいました。メカのパネル単位の塗り分けや汚しがよく分かるのはもちろん、2号の機首下部に黒い穴みたいなのが2連で並んでるんですけど、椰子の木通過するときにそこに木が写りこんで移動してる、つまり穴じゃなくて窓だと分かるとか。1号発射サイロの上の方にうねってる赤茶けたパイプが、サビサビないし塗装ハゲしてるとか。
人形にしても、ちゃんとチークとかメイクしてるのが分かるすごさ。いやもう唖然とする発見の数々で、こりゃ仕事にならんと発進シーンだけ観て封印。もちろんピアノ線もよく見えちゃうし、かえってミニチュアくさくなってるカットも多いんですけど。というわけで、買っておいて正解。もちろん日本版4:3が出し直したら、そっちもゲットです。
「サンダーバード」は1980年ごろに講談社の仕事で数話分、フィルム複写をして目を皿のようにして全カット見てるんですけど、その記憶を上回る鮮明さでした。

それにしても、なんでこのパッケージ、後ろにキラノがでっかくいるんでしょーか? フッドと間違えてるのかな?

P.S.英国amazon直送だと3000円台のようですので、アカウントお持ちの方はご確認を。

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2009年12月 8日 (火)

amazonでアニメブルーレイが激安

amazonでアニメブルーレイが激安。

年末商戦合わせでしょうか。40~50%OFFのものを多く含むセールをやってます。
仕事でかかわったものもたくさんあるので、気持ちは複雑ですが、売れ残るよりはハケてほしいです。劇場版公開中の「東のエデン」50%OFFなどは、すぐなくなったみたいですね。

「Zガンダム」「FREEDOM」のBOX、「トップをねらえ!」の合体劇場版とか「アクエリオン」の劇場版あたりはお買い得かも。「MSイグルー」も高画質で映える盤でしょう。

個人的に注目は「ミチコとハッチン」です。「宇宙に行かない女カウボーイ・ビバップ」みたいな何が起きるか分からないとこが気に入ってましたが、まとめて買うとさすがに物入り。しばし悩むことにします。

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2009年10月14日 (水)

海のトリトン コンプリートBOX

有名な富野アニメの原点のひとつです。富野監督による作家性の発露が、初めて「アニメファン」に認識された記念碑的作品と言っても良いでしょう。私はあの最終回をリアルタイムで見ましたが(当時中学生)、終わった後もしばし呆然としてたと思います。翌日も、その後も、なんかずっと引きずったりして。あの気分は忘れられないです。
手塚治虫生誕80周年記念でこの9月に発売されることは知ってましたが、単なる廉価版の再発売と思いこんでいて、チェック漏れてることが2点ありました。

・劇場版が入っていて6枚組になっている
・【封入特典】≪新録≫富野喜幸(現・由悠季)氏インタビュー解説書

後者は藤津亮太氏が担当だそうです。前の商品(2001年版)を持っていない方には、良いのではないでしょうか。お買い得ですね。

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2009年9月 9日 (水)

999の日

09年9月9日ということで、百年に一度の「999の日」がやってまいりました。
今年は千年に一度の「009イヤー」ということで、なんともめでたいことです(笑)。

りんたろう監督の劇場版『銀河鉄道999』(79)は、アニメ史に残る傑作ですが、ちゃんと「999の日」にamazonから届きました。BD-BOXが。
単品でも出てますが、BOXを買った理由は特典についている「ドラマ編」です。
当時的にはビデオグラムがなかったので、各社からTVや映画の音声(セリフ入り)を抽出したサントラ盤が出てました。で、コロムビア方式は「ナレーション追加」「音楽やSEをステレオに差し替え」という「ドラマ編」だったんですが、それが「999」と「さよなら」の2枚組×2と同梱されているんですね。
さっそく見てみると、ジャケットも紙でミニチュアとして再生されたもので、なかなか満足感がありました。
そのころは「オリジナル」にこだわっていたので、どうも加工品のドラマ編は気に入らなかったんですけど。いまやブルーレイで、どうかするとオリジナルフィルムを映写する以上に美麗な映像が手に入るとなると、あらためてそっちの方が聞きたくなったという。
今後、単品で「ドラマ編」が復刻されることも、なかなかないと思いますので、思いきってBOXを買ったという次第です。
なんでBOXにためらいがあったかと言えば、98年公開の「銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー」もついてくるからですね。いや、これはこれでいいと思うんですが。「999」と「さよなら」の2本で完結するものがあるわけだから、ちょっと……と思った次第でした。
ちなみに解説書の類は見あたりませんでした。それもちょっと寂しい感じでしたね(DVD-BOXにはパンフレットの縮刷が同梱)。

画質ですが、まっさきにチェックしたのが先日物故された金田伊功さんが担当したシークエンス。惑星メーテル崩壊は、何度観たか分かりませんが、高画質で分かるその動きのシャープさ、フォルムの秀逸さにあらためて感じ入りました。

DVDのときは、メーテル引き上げるカットの鉄郎の顔が変な色していたりしたんですが、ブルーレイではきちんと直っているのも嬉しかったです。鉄郎の服のグリーン系がくっきり出ているのもいいですし、相当細かくカラー調整がなされているようですね。椋尾さんの美術の美しさにも息をのみます。何よりも宇宙に融け込んでいた999の黒っぽい色とトレス線が見えるのがいいです。DVDって、黒方向の再現性がイマイチだったので(すぐツブレる)。
だけど、ブラシの粉っぽい質感まで出てるんですよね(笑)。プロメシュームが鉄郎の首をしめるカットで、塗りのところと、手首の周りをブラシでぼかしてるとこと、くっきり分離してました。あと、けっこうセルの反射がよく見えるように。まあ、モニタの調整でなんとかなる範囲なんで、高品位はうれしいです。

ドラマ編が不要な方は、単品でもぜひ。お買い得です。

P.S.特典のドラマ編はアルバム用の新録音だそうで、そこがポイントというご指摘がありましたので、追記します。

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2009年7月29日 (水)

細田守・演出デビュー作「ゲゲゲの鬼太郎」単品発売

やっと順番が回ってきました。
『サマーウォーズ』の公開間近、細田守監督の演出デビュー作『ゲゲゲの鬼太郎(第4期)』第94話「鬼太郎魚と置いてけ堀」がいよいよ単品リリースです。東映アニメーションの演出昇格試験に受かり、演出助手を経て初めて担当した作品です。

このシリーズ、すでにBOXでは発売されており、初期がセルアニメ、途中からデジタル(業界の中でかなり先行)という点でも資料価値があるのですが、とりあえず単品からゲットかなと。細田守演出回は、他には第105話「迷宮・妖怪だるま王国」、第113話「鬼太郎対三匹の刺客!」(ラス前)の2本があり、いずれも評価が高い回です。

計算してみると以下になるはずですが、amazonではまだ予約が始まっていないようです。

105話 → 18巻(10月発売?)
113話 → 19巻(11月発売?)


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2009年6月25日 (木)

細田守監督、演出デビュー作!

……は、『ゲゲゲの鬼太郎』第4期、第94話です。
それで単品売りを調べたところ、第15巻が90話まで収録(1巻あたり6話収録)なので、この第16巻が該当話数含みのはず。残りは105話と113話なので、18巻と19巻に入るはずですが、いずれにせよちょっと自信がないので、念のため確かめてからお願いします。

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2009年5月24日 (日)

ロックドリルの世界

なんだ、これは!?
そう、これぞ実在のマシーン。
地底を掘り進むロックドリル!

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ということで、何が始まったかと思われたでしょうが。7/24に発売されるDVDのパッケージです。描くのは特撮絵師・開田裕治氏。製作総指揮:樋口真嗣、監督:田口清隆!要するに先日NHKでやった『長髪大怪獣ゲハラ』のメンバーで実在の重機を撮った作品ということで、要注目のDVD。

失礼ながら、笑ってしまったのがナレーション担当で、ドリルアニメ『グレンラガン』のロージェノムなんですよ! 音楽が安西史孝さんというのもポイント高いです。ドリルアニメ、特撮ファン必見のDVDとなりそうです。

初回3000セット限定の特装版では、このパッケージイラストがプラモ箱風に仕立てられているそうで、男なら燃える!というドリルの実像、いまから楽しみです。

【作品紹介】
「黒部の太陽」でも描かれた、戦場の如きトンネル工事の世界。その現場で活躍するメカがホイール式ドリルジャンボJTH3RS-190EXだ。地 底要塞と言えるほど巨大でありながら3ブーム2ケージを自在に操り地中を掘り進む驚異のメカニズムから、“戦士”の休息にいたるまでを描く巨篇!

【収録内容】
JTH3RS-190EXに搭載されるドリフタはHD190 。ダンパー機構による衝撃の穿孔速度!さらにウイング型のブームを持つジャンボが現れる。そして青函トンネル、大清水トンネルなど名だたるトンネル工事を 担ってきた歴代ジャンボたちは、現在そして未来へと何を残したのか?

【商品仕様・特典】
◆3000セット数量限定仕様…プラモデルBOXアート風ジャケット

【スタッフ/キャスト】
製作総指揮:樋口真嗣(「新世紀エヴァンゲリオン」脚本・絵コンテ、「日本沈没」「ローレライ」他監督)
監督:田口清隆(「長髪大怪獣ゲハラ」「G」監督)
音楽:安西史孝(「うる星やつら」「みゆき」他)
イラスト:開田裕治(ガンダムシリーズのプラモデルパッケージ等)
スチール:小島健一(Webサイト「社会科見学に行こう」主宰にして大人の社会科見学ブーム火付け役。)

ナレーション:池田成志 (「天元突破グレンラガン」 ロージェノム役)


そして、本屋に行ったらこんな書籍が! 「ドリル大全」って(笑)。いやもうドリル兵器、ドリルロボは日本の伝統芸能ですが、こちらも「監修:今石洋之」ってグレンラガンのドリル監督が関わっていて、見逃せない一冊です。つい先日「極底探検船ポーラーボーラー」というドリル映画のDVDがリリースされ、さらにはTVで「黒部の太陽」という掘削ドラマをやったばかりですが。不況の昨今、無理難題を貫くドリルものがキテいるのでしょうか。自分的にはちょっとぐっと来るトレンドです。


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