2008年4月26日 (土)

Blu-ray各種予約始まる

 例のHD-DVD撤退の影響か、急激に動きが早くなってきた気がします。まだ環境的にはもろもろnot readyだと思うんですが……。この辺がもう出てくるとは、一気に加速の予感でしょうか。

●時をかける少女 (Blu-ray) 【初回版】

 amazonの売上げベストに入っていたので気がつきました。これは普及促進に役立つでしょうね。美術がいい映画ですから。TV放送をハイビジョン録画したのを電気店の店頭でデモしているのを見て、脂汗を流していたわけですが、これでその思いもクリアか?
 「初回版」って何のことかと思ったら、「フィルム・ブックマーク(実際に使用した貴重な本編フィルムの切り出し)」だそうです。私のDVDのときにはゴミ箱を被った真琴でした(苦笑)。そのカットでほとんどのコマでは顔が写っていて、ゴミ箱はホントにその数コマしかないって意味で貴重ではありますが。


●イノセンス アブソリュート・エディション

 『イノセンス』自体はTAFでも確か2005年に先行的にブルーレイがデモ上映されていて、あの凝り倒した画面がフラグシップ的に扱われていたわけですが。なんと、早くも出し直しですよ(苦笑)。まあ、わしらロートルアニメファンには「また始まった」という感じですが、それにしても早すぎ。
 「また」ってのは、たとえばベータでカット版買って、次にノーカット版買って、どうかするとVHSも買って、LDでも最初の盤とネガテレシネ版と2種類買わされて、今度はDVDでも最初のエンコードのあんまり良くないLDマスターのものと、24PのHDリマスターになってエンコードもすごくなったのと2種類買わされて……という道をたどってきているので。
 イノセンスの場合は前のBD買ってないので、とりあえず問題はないんですが。

<引用>
『イノセンス アブソリュート・エディション』は、この数年で驚異的進化を遂げたブルーレイディスクの更なる可能性を極限まで追求したソフトです。音声はドルビー True HD とDTS HD マスターオーディオを新たに収録。画像圧縮はMPEG4 AVC を採用することにより、画質を落とすことなく「クリエイターが実際にスタジオで聴いている、マスター音声そのもののクオリティ」を維持するロスレス音声の収録を可能にしています。


●劇場版 エースをねらえ!(Blu-ray Disc)

 コレが一番のけぞりました。ロフトの30周年イベントでも言いましたが、「無人島に1本だけアニメソフトを持っていくならどれ?」という質問に対して答えた作品ですよ。生涯のナンバーワン映画ですよ。スルーするわけにはいかない。ああ、なんでこんなに早く……。
 最初は「見るたびに違って面白いから『逆襲のシャア』かな」って答えたんですよ。でも、すぐに思い直したのね。「無人島で、明日も生きる気力が欲しいなら、こっちだ」ということで選び直したわけですよ。
 でも、それゆえに滅多なことでは見返しません。だってついこないだも仕事でホンの一部分を見たら、危うく全編を見返しそうになったし(苦笑)、その断片だけでもいちいち涙ぐんで仕事にならんからですね。
 まあ、世の中にはそういう作品があるってコトです。


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東映動画長編DVDが廉価版に

 なんとなくamazonを検索していて驚きました。7月1日に一連の東映動画長編DVDが「期間限定生産」で廉価版になるようなんですね。仕事柄、わりと押さえている方なんですが、それでも全部はゲットしてないんで、この際、欠落を埋めようかな、なんて思ってます。BDになるのはいつの日かって感じもありますし。
 調べると、とりあえず過去にDVD化されているもので、マジンガー等を除くものはかなり廉価版の対象になるようですが、とりあえずそろえるのは宮崎駿さんが抜けるぐらいまでの時期で良いかなとも。
 以下、駆け足で主観的にランキングを。

 ◎=必見  ○=観ておいた方が  △=時間があれば

◎白蛇伝(1958年)

 何と言っても現在の原点中の原点なので、やっぱり必見でしょう。宮崎駿さんがこの映画のヒロインに惚れたのが、アニメを志す一因となったのは、あまりにも有名。トリビア的には、この当時「パンダ」と言えばレッサーパンダのことだったとか、時代性も分かったり。

△少年猿飛佐助(1959年)

 「作画汗まみれ」と併読するにはいいかも。割とこの辺はリアル系キャラなので、一周回って現在のリアル志向の参考になるという意見もあります。

◎西遊記(1960年)

 初期作品の中ではこれが一番好きですね。歌が素晴らしいです。メリハリの効いたギャグとかも良い。手塚治虫先生が参加されて、先生自身はちょっと思うに任せなかったみたいですが、確実に良い影響はあるんじゃないかな。

△安寿と厨子王丸(1961年)

 大昔に観たきりで、あまり良く思い出せません。すいません。

○アラビアンナイト シンドバッドの冒険(1962年)

 これもみどころは多い方ですが、シンドバッドものはハリーハウゼンとか日本アニメの方が好きだったりで。相対的に損をしてる感じ。

◎わんぱく王子の大蛇退治(1963年)

 これはもう、日本のアニメの歴史を語ろうとするときの最重要ポイントのひとつ。完全にあるひとつの様式を作り上げてます。森やすじさんのデザインは、ディズニーとは違う方法論で、アウトラインとシルエット、意匠のインパクトで和風のアニメキャラを作り上げてます。平面構成っぽくも見えるんですが、立体感もあったりで。
 公開時、小学一年生で見た山間からのオロチの背びれ、炎を吐くときの色替え、時間を引き延ばした臨場感は、伊福部昭先生の音楽とともにハートの奥底に刷り込まれてます。ゴジラよりこっちが先だったのは、なんか人生の運命を決めた感もあり。
 オロチに迫られて後じさるクシナダ姫を「萌え」の原点の置く向きもありますが、なんか、ものすごく分かる気がするんですよね(笑)。いや、これ以前のヒロインはどこか「ケバイ」ところがつきまとうんで……。
 ちなみに題名の読みは「だいじゃたいじ」じゃなくて「オロチたいじ」なので注意してください。BGMも、「♪わんぱっく おうっじ~~の お・ろ・ち た・いーーじ」って聞こえる部分があるし(笑)。

△わんわん忠臣蔵(1963年)

 昭和40年代初頭だったか、ある年末にテレビで放送されたというのを、ものすごくよく覚えてます。「忠臣蔵」だから(笑)。要はそれっきり観てないのでした。

◎ガリバーの宇宙旅行(1965年)

 当時動画マンだった宮崎駿さんが映画のラスト近く、それまで人形っぽく描かれていたヒロインの中に人間が入っていたというシーンを追加。それによって映画の意味がまるで変わってしまったという、伝説の映画ですね。なんか全宮崎アニメのエッセンスが、そのワンシークエンスに凝縮してるみたいな(笑)。冨田勲+坂本九のミュージカル仕立ての歌曲も素晴らしいです。

◎サイボーグ009(1966年)

 木村圭市郎さんの超絶アクションがしびれます。後の金田伊功アクションのルーツですね。芹川有吾さんの演出に小杉太一郎さんの音楽が実に合っていて……というか、後の芹川演出にはこの流用曲が頻出するわけですが。

◎サイボーグ009 怪獣戦争(1967年)

 芹川有吾さんの泣かせ演出、悲劇のヒロインものはここにきわまれりです。「元祖王道秘伝書」など、ある方面では有名な「だめ……殺せないわ」のルーツですね。小杉太一郎さんは伊福部昭氏の弟子筋の方で、それで「モスラ対ゴジラ」みたいな曲が出てきたりして。若くして物故されたのが残念です。

△少年ジャックと魔法使い(1967年)

 うーん……。印象に薄いというか、相当前にTVで観たとき、ちょっと感心しなかった記憶があるんですよね。もう一度、ちゃんと確認せねば。

△アンデルセン物語(1968年)

 40年近く前、夕方の5時台だったかに「オーレおじさんの天気予報」という帯番組がありました。「なんだよ、オーレって闘牛か?」とかガキのころの私は思ってたわけですが、この作品のキャラだと知るのはもっと後のことでした。

◎太陽の王子 ホルスの大冒険(1968年)

 これはもう……今さら私が何か言う必要もない記念碑的作品です。

◎長靴をはいた猫(1969年)

 同上。それで注目していただきたいのは、制作年なんですね。70年代後半に東映動画のシンボルマークが本作のペロになったりしたことや、「理想の漫画映画」の代表例として置かれることが多いので、なんだか初期作品のような錯覚が生まれがちなんですが、まるでそんなことはないわけです。

◎空飛ぶゆうれい船(1969年)

 エヴァの黒潮物産&ボアの元ネタですが、それはそれとして、白眉は宮崎駿作画による「戦車隊VS巨大ロボット“ゴーレム”」ですよ。オレにとっての「宮崎アニメ」はコレですよ、コレ。世界で一番ミリタリー&巨大メカをうまく描けるアニメーターが、宮崎駿さんなんですよ。最近また「渋滞の中に訳の分からないうちに戦車隊が入ってくる→よく分からないビルの隙間→戦車砲発射→耳を押さえる群衆→着弾→半フレームP.U→ゴーレムが破壊しながら視界に入ってくる!」という一連のカットを見ながら号泣してました。生涯、もっとも見直したアニメパートのひとつですな。

○ちびっ子レミと名犬カピ(1970年)

 音楽だけを取り出して『タイガーマスク』BGM集の補遺にするという邪道な楽しみ方をしてます。すいません。

◎海底3万マイル(1970年)

 これも金田伊功アニメのルーツです。火焔竜の溶岩弾のエフェクトが素晴らしい。ザンボット5話の火球も「まんま」です。あと、崖っぷちから出てくる構図も、『幻魔大戦』の竜に受け継がれてる気が。石ノ森ヒロインがポニーテールなのもポイント高い。渡辺岳夫先生の戦闘曲が格好いいんですよね。

◎どうぶつ宝島(1971年)

 演出は池田宏さんですが、もう宮崎駿さんが最大限に仕事しまくってるので、やっぱり「宮崎アニメ全部入り」みたいなとこがありますね(笑)。なんかホントに「かつてこういう楽しい漫画映画がいっぱいあった」かのような錯覚があると思うんですが、極めてレアなんですよ。1日潰せば大半は見られるという感じなので、ぜひチェックして欲しいですよね。

△アリババと40匹の盗賊(1971年)

 記憶ですいませんが、宮崎駿さんが昔、「アニメーターとして言われたとおりにやっただけで、毎日やることをやって定時で帰った」みたいな発言をされてたんですよね。まあ、辞める直前の作品なので。で、「あの宮崎駿さんが仕事と割り切ってやると、どういう作画になるのだろうか」という、大変失礼かつ下世話な興味だけがずっと残ってしまったわけなのですが、そういやきちんと確かめてなかったなあとも。大昔(それこそ30年くらい前)にテレビでやったときには、メタモルフォーゼのとこかなと思ったんですが。

 ああ、なんだか好き勝手適当に書いてたら長くなってしまいました。
 ともあれDVD時代になってからも時間が経ってるし、そうは簡単にBD時代にもなりそうにないので(またDVDみたいに順番に出していくといつになるか分からん)、こういう廉価出し直し企画は歓迎ですね。

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2008年2月25日 (月)

角川アニメ廉価版リリース

アマゾンで何となく『時空の旅人』を「これだけ持ってなかったな」と検索していたら、4月に80年代の角川アニメの一連が廉価版で再発されるんですね。

うち、『幻魔大戦』と『カムイの剣』については、前に書いた原稿の以下を参照してください。
http://www.b-ch.com/contents/feat_j_anime/index.html

尖った映像の好きな方へのお勧めは、オムニバス劇場アニメ「迷宮物語」でしょうか。特に第3話「工事中止命令」ですね。これは大友克洋さんがなかむらたかしさんとマッドハウスに詰めて作った短編ですが、「アキラアーカイヴ」の仕事の時に、どなたに聞いても「大友さん自ら原画を描いたカットがすごい」という話になったわけで。それは調子の悪くなったロボットにネジを食べさせられた主人公が、口内で固いものをガリッとかんで、ペッと吐くというカットなんですが。まあアマゾン価格なら3000円割ったお値段でアレがコマ送りで観られるのは、なんていい時代なんだというとこでしょうか。第1話のりんたろう監督、第2話の川尻善昭監督も見応え充分です。

あとは声優・原田知世が観たい方には『少年ケニア』かなあ。大林宣彦監督のアニメ作品ですが、トレス線だけになっちゃう人間とか、これまたいろいろシュールなカットがあったりして。

『ファイブスター物語』が入っているのも、意外と言えば意外ですね。なんか前に買ったのは、特別パッケージの高いDVDだった気が。結城信輝さんの濃い作画が楽しめるかと思います。

それにしても今回も『ボビーに首ったけ』はないんだー。ちょっとガッカリ。

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2008年2月22日 (金)

アニメ文化通信『宇宙戦艦ヤマト』

金曜日(今日)に本放送、土~月に再放送があります。

今回はDVD-BOX発売を記念して『宇宙戦艦ヤマト』TVシリーズについてです。
長谷川のび太さんも直撃世代ということで、思わず盛り上がってしまいました。
さて、同BOXは旧マスターと思いこんでる方が多いのですが、
驚くべき技術でHDリマスターとなってます。
ガンダムは16mmネガですが、ヤマトは35mmなので、もう凄い凄い。
当時のセル画そのままの色味になってます。涙出そう。
たとえば4話から絵の具が変更になっていたりするわけですが、
その違いとかくっきり分かります。
そして何と言っても庵野秀明さん監修のプラモが出色。
長年かかって「どうもなあ」と思ってたヤマトの立体物に、ついに決定版がという感じです。
すさまじくでかいBOXですが、末永く楽しめそうです。

Personality:長谷川のび太・坂祥美・氷川竜介

<ニュースリリース(インターネットでの聞き方)>
http://www.agqr.jp/modules/news/article.php?storyid=708
<番組表>
http://www.agqr.jp/modules/tinyd0/rewrite/tc_14.html

文化放送Mail:anime-b@joqr.net

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2008年2月21日 (木)

原語で観るSFドラマ、人形劇

 ふとした拍子で「英会話の上達」という話題が出まして、その解法のひとつに「好きなSFドラマやアニメを原語で観る」というのがあると、そんな話になりました。というときに、「ああ、そういや『サンダーバード』でおなじみアンダーソン作品も、めっきりDVDが出なくなったなあ。あんなSFドラマも告知だけだったなあ」と検索してみると、なんとなんと、日本のアマゾンから割と簡単に買えるではありませんか。

 もちろん日本のアマゾンが輸入したものもありますが、「マーケットプレイス」に米国のDVD店がさらに値引いて海外発送もしてるってのがミソでして(送料別途かかるので注意してください)。というわけで、その辺のめぼしいものをご紹介。さすがに私も一部しか持ってませんが。米盤はすべてリージョン1ですので、再生可能なプレイヤーをお持ちであることを確認してください。

●ジェリー・アンダーソン トリプルパック
 これは輸入ではありません。「スーパーカー」「宇宙船XL5」の3点セットお試し版。意外に知らない人がいるので、ついでに紹介。

●Supercar(スーパーカー)

 フィギュアも出てましたね。モノクロなのに派手な色です。

●Fireball Xl5(宇宙船XL5)

 これが食玩で出たときには目を疑いました(SIDと同梱)。

●Joe 90(ジョー90)

 割と好きなんですよ。地味ですけど。

●Secret Service(ロンドン指令X)

 28年前に講談社の子ども向けメカ図鑑でフィルムから撮影する仕事しました。

●Complete Space 1999 Megaset(スペース1999)

 いったん日本でもDVD化されたんですが、入手難。本国ではまたリマスターされたようですが、これがそうかどうかはちょっと自信ないです、すいません。

●Terrahawks(地球防衛軍テラホークス)

 もちろんリリーズの主題歌、マジックバス制作のアニメはついてませんが、村上克司さんデザインのゼロ軍曹が観られるだけでも価値あるかも。

●Time Tunnel(タイムトンネル)

 ここから先はアンダーソン作品ではないです。日本で未放送のエピソードも含みです。すごく小さなパッケージで驚きました。

●Voyage to the Bottom of the Sea(原子力潜水艦シービュー号)

 まだ継続リリース中でしょうか。これも懐かしい。

 そういうわけで、一気に世の中BDに傾いたりすると、いつ日本版が出るのかますます分からなくなったような作品ばかり。私も日本語版が入ってないとなーと思う一方、待ち切れなくなったものは、輸入なのに意外に安いので、ポロポロと買ってる最中です。

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2007年11月30日 (金)

ジム・ヘンソン作『ダーククリスタル』25周年

 コトの起こりは、たまたま渋谷で取材の合間にサントラで有名な「すみや」に行ったことでした。ふと見ると、あれ? マイフェイバリット映画のひとつ『ダーククリスタル』のサントラがあるではありませんか。
 確か所持していたしなあと思って手に取ると「25周年記念エディション」とありまして。え? もうそんなに経ったの? まあ確かに原田知世版『時をかける少女』からもずいぶんと経っていたりするわけはありますが。おかしいなあ1982年の映画だっけ? 「めぐりあい宇宙編」と同じ年なの? まあ1983年の『聖戦士ダンバイン』に影響与えてるからいいのかな……。
 なんて言いつつその輸入盤ですが、買って帰ったものの、アマゾンを検索したらちゃんと買えることが分かりました。それがまずコレ。

●The Dark Crystal [Original Motion Picture Soundtrac]

 ところがですね……。ついでにざっと出た検索結果をよく見ると!
 なんと! いつの間にか『ダーククリスタル』の新DVDが出ているじゃないですか。やっぱり記念盤で。
 これがまた「お布施」ソフトで、最初はテープ(ベータか?)、トリミング版LD、米国版レターボックスLD、米国版DVD、国内版DVDと5回も買い直してる作品なわけですが。なんと、これまた買ったはずの「ラビリンス」と抱き合わせですよ……。しかも初回限定。

●ラビリンス&ダーククリスタルTM アニバーサリー・コレクション(4枚組)

 アマゾンの紹介を見てのけぞりました。コンセプチャル・デザインのブライアン・フラウド氏による音声解説と日本語版収録! ええっ? メイキング映像! キネマ旬報特製のブックレット添付!
 『ラビリンス』の方も嫌いじゃないですけど。デヴィッド・ボウイとジェニファー・コネリーが美しく撮れてる。それだけで充分……って、あれ? こっちにもブライアン・フラウド音声解説つきですね。
 あー、分かりました分かりました。ぽちっと……。

 余録で分かった情報なんですが、ブライアン・フラウドの画集の方も中古ですが、入手可能ですね。なんと便利な世の中なのでしょうか。オレ、手に入れるのにずいぶん探した気がするぞ……。

●The World of the Dark Crystal (Brian Froud)

《作品補足》
 ということで『ダーククリスタル』について思いつくまま簡単に説明。
 ハイ・ファンタジーという概念があります。ロウ・ファンタジーは「現実」との接点をもつ異世界ものですが、ハイ・ファンタジーは接点をもたない異世界もの。『指輪物語』のように世界を司るものすべてを構築するスタイルです。
 で、そうは定義づけたものの、とりあえず人間が出ている以上は、完璧なハイ・ファンタジーはあり得ないんです。特に映画の場合は映像として人間が見えてしまう以上は、その時点で「ハイ・ファンタジーを演じる映画」になってしまう。
 ところが!
 『ダーククリスタル』こそは、そこに人間の動きではありえない、しかもリアルな造形のマペットたちを導入することによって、完全なハイ・ファンタジーを実現した映画なのであります。『セサミストリート』や『スター・ウォーズ』でマペット技術を極めたジム・ヘンソンが、ブライアン・フラウドの妖精画のようなファンタジー・ビジュアルを得て、「まったく人間の登場しない」ファンタジー映画を作り上げた。
 まあ、そのショックたるや凄いものでしたね。ちょうど世の中はこれからファンタジーブームかな? 的な様相があって、『聖戦士ダンバイン』などはその先取りですが。世界観構築にも大きな影響を与えてます。ってか、オーラバトラー“ドラムロ"とかは「あれ?」みたいなデザインだったり。
 ファンタジーの定番「光と闇の戦い」とかあるんですが、闇のスケクシーの先兵ガーシムが、甲虫に甲殻類のハサミをつけたような硬質な戦闘生物で、これがかっこいいんですね。『カリ城』のカゲみたいだし(笑)。お話の主軸も「ボーイ・ミーツ・ガール」。まだ『ナウシカ』が映像化されていない時期ですから、あの時期に「宮崎アニメ」に夢見たことのいくつかはこの映画が体現してるようにも思います。人間は出てきませんが、似た生物としてのゲルフリン族が出てきまして、滅び行く種族の最後の男の子と女の子の出会いとかが、これまたなんとなく『海のトリトン』をほーふつとさせてしまうのは、わしらの世代の病なのじゃ、ほっといてくれ的ですが。
 そういうことを差し引いても、この映画は面白いです。ディテールも物語も非常に良くできていて、何度観ても飽きない。あと、基本的に子ども向けなので英語が平易なのも大きなポイントです。私は1986年に翌年の渡米生活に備えて、この映画の録音テープを何度も聞いて耳を慣らした記憶があります。特にナレーションとかは発音も構文も明瞭そのものなので。

 まあそんなわけで、この作品はかの出渕裕氏にも多大なる影響を与えておりまして、フラウドの影響は本人もたびたび口にしていたような気がしますが、オーラバトラーものや『ロードス島戦記』の好きな方は、ぜひチェックしてください。
 ああ、この機会に立体物とか今の技術で出たりしたら、ヤバイことになりそうだなあ……。

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2007年11月15日 (木)

【注目のDVD-BOX】メカンダーロボ

まずは「これが出るとは!」驚きのBOX。

●合身戦隊メカンダーロボ DVD-BOX

LD-BOXも末期に出てましたが、壮絶に売れなかったらしく、担当者が商品持たされて中国に行ったという都市伝説のある作品。実物を見せていただいたことがあるんですが、LDのスリーブがズレて印刷されてるとか、写植を打つ予算がなくてワープロで入稿してるとか、あまりにも面白すぎました。DVDは大丈夫かなあ。
作品論に関しては、以下に再録してあります。

http://hikawa.cocolog-nifty.com/hyoron/2006/12/post_fd5a.html

最近はやりの言葉で言えば、全話が「作画崩壊」ですが、でもこの作品は、ハードさにかけてはスゴイんですよ。時期的に『ゴーダム』と『ザンボット』の中間にありますが、作品的にもそういうとこがありますね。リアルでシビアでハードなアニメ・特撮は、たまに見返すとシビれます。いかにアレな作画だとしても(笑)。

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2007年9月24日 (月)

発売!「ゲンジ通信あげだま DVD-BOX」

1991年10月から1年間放送。当時、Nifty友人の推薦で見始めて思わずハマった爆笑アニメにして隠れ人気番組が、まさかのDVD-BOX化です。思わず飛び上がってしまいました。ヒーロー星から地球に来た少年・あげだまは、おとものワープ郎の「変換」で気合い一発、ヒーローの“あげだマン”に変身!
……とまあ、キッズアニメの典型的設定で実際にゲームとの連動企画なんすが、みどころは悪の側のワルノリ。ノットリダマス11世こと大富豪・九鬼雷蔵が滝口順平の声で勘違いっぽい指令をくだすと、孫娘の九鬼麗(れい)が女幹部である怨夜巫女(おんよみこ)に変身、合成獣を使って戦い、敗れると怨夜巫女はコスチュームがボロボロになって空へ吹っ飛んでいく……って、なんだかデジャブが(笑)。
まあ、そんなルーチンギャグが無限回転するような作品で、おそらく一般的にはエアポケットというか、あまり回想される機会も少ない作品ですが(なにしろワープロなんて死語ですからね)、逆に! 熱心なファンはとことん熱心という、本来的な意味でのカルト作品ですね。
人気の秘密は、変身前の麗ちゃん(声:玉川紗己子)のキャラ立ちとノリの良さ。「富豪の娘」という記号性のとおりワガママでタカビー(死語)で、変身後はお色気担当の役回りだったりする、ちょっとあまりの扱いだけど、実はとっても良い子。部下の佐藤・鈴木・田中もそこが分かっているからついていくあたり、泣けます。
おまけに油断をつくように驚くべきパロディが入ってきます。スタジオジブリがまだ『魔女の宅急便』や『おもひでぽろぽろ』を作ってたころなんだなー、そういや当時は『美少女戦士セーラームーン』が人気出始めたころなんだなー、同じ声優ギャグ(三石琴乃さん)と変身シーンのカット割りに吹っ飛んだなー(終盤の第49話からです)、などなど当時の日記帳のような(笑)。「おなかのラッパがプー」も、この番組の方がオリジナルです。
いま見ると、ワープ郎の声が渡辺久美子さんなんで感慨深いかもしれませんね、であります。

なぜかアマゾンに普通のリンクが張れないので、スライドショーで失礼します。

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2007年7月24日 (火)

ゲゲゲの鬼太郎 劇場版DVD-BOX

 東映ビデオさんから、ご縁あってサンプルをいただきました。80年代と90年代の「鬼太郎」の劇場映画を一挙にまとめたBOXです。で、もちろんそれぞれ見ごたえのある超大作なのですが、今年のポイントとしては「細田守ファン必見?」というところでして……。

・細田守が原画マンとして参加した「ゲゲゲの鬼太郎 大海獣」(1996年7月公開)が収録(演出家試験と平行しての仕事)

・細田守が演出したCG映画「鬼太郎の幽霊電車」が映像特典に(ブックレットにはインタビュー)

という。今回はハードカバーのブックレットが添付し、データ原口さんたちの仕事が充実していて、なんと原画の香盤表(担当パートの表)が掲載されてますので、細田さんのお仕事もバッチリ特定。敬愛する荒木伸吾+姫野美智コンビはじめインタビュー満載、ほかにもイメージボードや原画がギッシリで、資料性が高いです。ディスクは全部で4枚。興味のある方は、ぜひ。

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2007年6月18日 (月)

スペクトルマン DVD-BOX

●スペクトルマン カスタム・コンポジット・ボックス

 『宇宙猿人ゴリ』『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』『スペクトルマン』と何度も題名が変わった1971年のピープロ特撮。『仮面ライダー』や『帰ってきたウルトラマン』に三ヶ月先がけて、第二次怪獣ブームを呼び起こした伝説の作品が帰ってきました。待ってました! 直接仕事はしてませんが、『風雲ライオン丸』のBOXを手伝った関係で、サンプルいただいたので、ご紹介。
 これ、2002年にはスペクトルマンの「生首」とも呼ばれたマスクを象った大型BOXで発売されてまして、作品はすっごく欲しかったものの、なんせ人気番組で全63話もある上に、マスクの尖端がおっかない(苦笑)。棚の上から落ちたらケガするんじゃないかという恐怖で見送ってるうちに歳月が過ぎてしまったという。
 今回のBOXの宣伝にも「もはや、購入をためらうものは何もない!」みたいな惹句が書かれてますんで、まあ私だけじゃなかったんでしょう(笑)。
 驚くべき廉価版で、しかもスリムケースに収められてるせいで、BOXが非常に小さいんです。作品内容も、もはや二度と作られることはないであろう、ダーティでグロで、いろんなナマな感情が赤裸々に映っていて、たまりません。
 『日本沈没』や『快傑ライオン丸』など一連のBOXはみんなそうですが、メニューが凝ってまして。怪獣図鑑では高山良策さん造型の怪獣写真とデータが見られる。好きだったんですよ、ゴリの怪獣。すごく個性的だし。その他、解説からジャンプして本編映像が出現。みどころの「スペクトルチャプター」や、その名もズバリ「スペクトル・ファイト!」と特撮シーンだけ抜いて観られるのがいいです。中でも素敵なメニューが「ゴー!ゴー!ゴリ博士」で、あの遠矢孝信の素晴らしいハンドアクションやしびれる名セリフの数々が、メニューから串団子方式で連続視聴できるという。いきなり本題に入る「ゴー!」の感覚がたまりません。

 あと、ピープロと言えばパイロット版。エレメントマンという赤い衣装のヒーローだったころのフィルムは何度かビデオグラム化されていますが、ラッシュというかアウトテイクが収録されてんですね。珍しい。渡辺喜夫のマットアートの撮影台とか見られますよ。しかも「ライオン丸」の蒲生穣太郎の回まで収録ですよ。至れり尽くせりですね。

 ブックレットは簡単なものですが、ディスク自体がてんこ盛りなので、等分遊べそうです。あー、ピープロ特撮はいいなあ。ちょっと幸せ。そうそう、フジテレビのCSでも「ピープロ特集」をやるんだそうで、こないだ呼ばれてコメントをしてきましたよ。CGに飽きたら、いきなり光線撃つと絵になって止まってしまうピープロ特撮。それを思い出す時代なんですよ(笑)。

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2007年5月 4日 (金)

『沖縄決戦』DVD化

●激動の昭和史 沖縄決戦
 岡本喜八監督が撮った太平洋戦争ものの中で、なぜか先日のDVD-BOXには収録されていなかった「沖縄決戦」がようやく発売です(7/25予定)。
 太平洋戦争の末期、1945年の3月から6月にかけて、米国の日本本土上陸を前提に繰りひろげられた最大規模の地上戦。民間人を巻き込んだその戦禍を多角的な視点で切りとった大作です。
 アニメファン的には庵野秀明監督の『トップをねらえ!』へのセリフ台詞「船が七分に海が三分だ!」が有名ですが、そういうとなんか矮小化されてしまいそうで……。ともかく戦後を生きる日本人なら必見の映画でしょう。

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2007年3月15日 (木)

電人ザボーガー DVD-BOX

 一時期プレミアがついて98,000円まで行った伝説のDVD-BOX。今だとアマゾンで30%OFF、3万円割りで買えるようです。『ライオン丸G』がらみで再発となったのかも。私もビックカメラで見て、「いつ出たんだ!」と驚きました。
 ひみつ刑事・大門豊とバイクに変形する電人ザボーガー。ザボーガーの内部図解をすると、動力はどこに? と言いたくなるようなムリのあるシステム。足や頭部にもいろんな小型メカが入っているので、事実上がらんどうという、ピープロでしか可能にはできない独特のテイストにあふれた特撮番組ですね。
 ウルトラマンと同じ赤銀のデザインがなかなか格好いいし、チェーンパンチとブーメランカッターと速射破壊銃しか武器がないシンプルさ。なんと言っても、実は拳法使いの大門豊がいればΣ団とは互角に戦えるのに、クライマックスになるとザボーガーの操縦に専念してしまうというシュールさもいい感じ。
 先日、取材させていただいた石田サウンドプロ(当時)の森さんによる効果音が秀逸で、操縦するマイクを持っていくだけで「ピッ!」と応答音が鳴るのが秀逸でした。この効果音と菊池俊輔氏の音楽だけ聞いてると、ゲッターロボとか破裏拳ポリマーとか、1974年テイストに浸ってしまいますな。

 「でんじん ざぼぉがあ たいっ きょおりゅう ぐんだん しりぃず!」(カラオケに行ったときの持ち芸)と、ラスト1クールは三ツ首編になるのも、当時の特撮の「番組らしさ」ですね。早くそこまでたどりつきたい。
 ブックレットには、昨年物故された別所孝治さんの証言が掲載。アニメのプロデューサーとして高名ですが、往時のフジテレビ特撮には欠かせない方でした。最初に発売されたのと同じく、故・うしおそうじ氏のポストカードも同梱。
 それにしても、そんなに昔の商品じゃないと思っていたのに、物故者が多いのは寂しいことです……。

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2007年1月11日 (木)

細田守監督『時をかける少女』DVD予約開始

 単館系で持ち回り上映を主眼にしている事情もあって、なかなかDVDリリースが決まらなかったアニメ映画『時をかける少女』ですが、ようやくamazonで受注開始となったようです。気になる発売日は4月20日。
 詳細内容、仕様は未のようです。それにしても、いきなり1位(1月11日時点)とは。当然だという気持ちと、素直な驚きが入り交じってます。世の中、まだまだ捨てたもんじゃないというのか(笑)。
 「完成した時点からすでに古典」というのは、公開時に思いついた言い回しですが、この映画は何度観てもそのときの年齢や環境や心情によって、違う意味あいを見せてくれる、そんな類の映画ですので、DVD化でまたその輝きを見せるのだと思うと、いちファンとしても発売が楽しみです。そして、レンタルなどを通じてさらに多くのファンを獲得し、どこかでフィルムの上映もずっとずっと続いている、そんなかたちが続いて、映画自体が「時をかける」ようになっていくといいなあと思ったりしています。


時をかける少女 通常版

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2006年12月11日 (月)

ラーゼフォン DVD-BOX 特典はHD仕様

 ついに発表になりました。2002年の初頭からスタートした作品なので、ちょうど5年です。早いものです。
 このBOXには特筆すべきことがありまして、TVシリーズの他に劇場版の『多元変奏曲』(『エウレカセブン』の京田知己監督のデビュー作)が収録されるというところまでは、まあ想定内だと思うのですが、なんと「HD-DVD」の盤も特典として同梱されるのです。
 すでに『ブレイブストーリー』でHD自体は商品化されていますが、アニメの旧作ではかなり最初期になるのでは? 業界初かも? しかも、そのHDの盤は多層になっていて、SDで特典映像も収録とのこと。従来のプレイヤーでもそこは普通に観られるとのことです。
 『ラーゼフォン』には深く関わってきて、現在進行形でこのDVD合わせの仕事が進行中なわけですが、思い起こせば2002年はデジタル制作への移行が急に全開になったころ。本編はフルデジタルですが、まだ一部の版権はセルと絵の具で描いていたはずです。いろいろと先進的な試みもありましたし、一方で「手描き」のアーティスティックな感覚にもこだわってました。
 DVDへの録画もようやくVAIOを使ってできるようになりましたが、媒体がバカ高くて、台湾製のを使うと失敗ばかりとか、そんな時期でしたね。
 それが5年でハイビジョン対応ですよ。ちょっと急進すぎのように思いますが、まあそれだけ映像への感度が高くなっていく時代ということでしょう。

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2006年11月26日 (日)

オーディオコメンタリーの日米格差

 昨日の茶飲み話ですこし出た話題です。

 『007シリーズ』がアルティメット・エディションで発売。ボンドといえば若山弦蔵の世代ですから初の日本語版収録が興味津々で、『ゴールドフィンガー』をまず買ってみようかなと思ったわけです。同じコト考えた人が多かったらしく、若山版の初期作だけが在庫僅少になってて焦ったこともあったりして。
 で、さっそくチラリと試写をしたわけですが、若山音声で字幕はコレかなと当てずっぽうでやったらコメンタリーの字幕が出てきて、「日本語音声に解説字幕」という本来ではない組み合わせがなかなか良かったんですね。
 ボンドが真剣な声でエージェントと打ち合わせかなんかしてると、「主役がなかなかブッキングできなくて、この撮影は苦労したんだ」とか「ホテルで役者が1ドル札を落として、親切な人が声をかけたけど無視されて怒ったんだよ。立ち止まるとリテイクになるから」なんて裏話が出るのは、まあ初見の映画なら問題あるけど、再三観たのだとなかなか新鮮だったというわけで。

 それで、日本のDVDもなんでこういう風にならないのかなーと思ったわけですね。いや、提案したこともあったんですよ。字幕解説をオーバーレイできるようなものを。何の作品だったか、なぜダメになったか忘れましたが。また、これだけ製品があるので、やってる作品もあるとは思いますが。
 実現したのは『プラネテス』で、これは結局は解説字幕の方にジャンプするという仕様になったので、ちょっと違うんです。『踊る大捜査線』のものもちょっと参考にしたんだったか。

 で、いろいろ思い出してきたんですが、日米(007は英国?)での格差があるのは、コメンタリーの役割が根底からちょっと違うんですよね。米国のコメンタリーはクライテリオンという会社のレーザーディスクが発端のはずです。これは研究者や映画学校の学生向けの資料提供という目的なんだそうです。
 ですから、監督の他にも撮影監督や美術スタッフなどが呼ばれ、明らかに話の内容も仕込んできて非常に専門的なことを言うんです。『エイリアン』ではリドリー・スコットが卵の割れる瞬間までの段取りで、精肉店で新鮮な肉を買ったとか、ここは上下逆転で自分の手が入っているとか、レーザー光で煙を水平に切ったような効果を出しているとか、すさまじい密度でメイキングを語ってました。
 監督でなくても、みんな必ず専門的なことを語るんですね。『ホロウマン』じゃねえや邦題『インビジブル』ではジェリー・ゴールドスミスの音楽トラックを聴くつもりが、素になってるところに「ハロー、ジェリー・ゴールドスミスです」って本人の声が入っていて度肝を抜かれましたが(たいていの商品は素になったまま)、「ここはバーホーベンのこういう神話的な意図があって、こんな曲想で書いたんだ」とか語る語る。
 ジョージ・パル版の『宇宙戦争』ではジョー・ダンテ監督の司会で、評論家2名が当時の映画的な背景やセットのサイズ、スタッフの陣容とか、細かいことを語りっぱなし。
 いやホントになかなかじっくり聞ける時間が足りないのが悔しいくらい、必ず聞いただけの価値はあるというくらい充実してるんですよ、米盤は。それは、向こうは「映画の国」であって産業として厚みがあるので、そういう内容を入れてもリテラシーが高いから、活用するユーザーがいっぱいいるという証左なんだと気づいて、強烈に問題意識も高まったわけです。

 まあ日本の場合は、だいたいは「賑やかし」なんです。アニメのことをマジメに語っても仕方がないじゃんというか。そもそも言語化できないのかもしれないから、まあ、それはそれでいいし、中には「この監督と酒場で呑んだとして、どうせ聞く一方なら、そのバーチャル飲み代と思えばいいか」というくらい、楽しい雰囲気のもあるんですが。

 でも、なんか圧倒的な国力というか彼我戦力差というか、「映像を支える底力」なんてのを感じちゃうのも事実。まあ、それだけ「これからの仕事がある」という前向きな見方もできるんですけどね。何にせよ、「リテラシーを高めて映画、アニメを観ると面白いんだ」ということの普及が先なのかなあ……。

※『エイリアン』『インビジブル』は種類がありすぎで、どれかわからなくなりました。店頭でコメンタリー、音楽トラックの有無をご確認ください。

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2006年11月22日 (水)

舞-乙HiME Zwei (1)

 人気TVアニメ『舞-乙HiME』の続編OVAです。
 題名では分かりにくいのですが、『乙』の字を『Ζ(ゼータ)』にリスペクトしてあったのと同様、今度は『ΖΖ(ダブルゼータ)』にちなんだロゴです。
 冒頭、16:9とゴージャスなワイドになった画面にオトメたちが勢ぞろい。何をするかと思ったら、「隕石落としの阻止」です。おいおい、1個先へ進んでるぞとのっけからツッコミ誘発。内容は「新たな敵!」「ダブル主役!」と「まんがまつり感覚」が横溢していて、なんだか楽しかったです。「つづく」になっちゃうのは、ちょっと残念。
 それにしても、ガンダム的なメカ少女がアクションという作品は他にもありますが、少女そのものがガンダム的スーパーアクション(でもメカじゃない)というのは似て非なるもので、これはこれで嬉しいというのが再発見できました。ファンなら必見の作品でしょう。

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2006年11月16日 (木)

ケツネコロッケのお銀(押井守監督)

 さらに検索していたら、「えー?」というアイテムがヒット。

●女立喰師列伝 ケツネコロッケのお銀-パレスチナ死闘篇-

 発売予定日は2006/12/22。「収録時間: 23分」ということなので、これは新生「リュウ」の創刊号付録とほぼ同じもの?
 リュウのやつは、「いきなり知り合いのよく知った顔が大写しになって驚く」という点は本家のままでした。内容は……まあ動かしてしまうと、逆効果かなあ、というのが正直なところでした。一応、amazon張っておきます。世評などよく確認してからご覧になることをオススメします。

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2006年11月 6日 (月)

『メトロポリス』フリッツ・ラング監督

 国内版がやっと出ました。劇場映画『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』でもキャラクターとして登場するフリッツ・ラング監督の代表作。1926年当時、世界随一だったドイツ映画の総力を結集してつくりあげた超大作で、後年のSF映画に与えた影響は計り知れません。
 ジャケットにもなっている女性型アンドロイドのマリアは、直接的には『スター・ウォーズ』のC3-P0の影響してますが、いま見てもぎょっとするほどの完成度。物語的にも支配者層に搾取される労働者との対立を描いた上に、ともかく映像に力があるので、唖然とします。
 散逸してしまったプリントは何度となく復元が試みられてますが、今回はデジタル技術の成果で相当なレベルで修復され、サイレントながら音楽も復刻ということで、かなりのものになってます。映画というのは「科学の申し子」のような芸術様式なのですが、いろんな側面でそれを感じさせる作品でもありますね。
 すでに海外版を輸入していたんですが、ちょっと悩ましいですね。紀伊国屋書店の発売なので、ハリウッド・プライスとかにはならないだろうし……。

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2006年11月 2日 (木)

「おいら宇宙の探鉱夫」DVD化!

 前にアニメージュで「王道秘伝書」という連載をしていたとき、第4部以後はOVAを取りあげました。これからきっとDVDやネット配信の時代だからと、何度もかかって欲しい作品、なかなか知られていないけどスゴイ作品を中心にしたのです。いつかDVD化希望という願いもこめて。そのトリを前後編でとった「おいら宇宙の探鉱夫」がついにDVD化ですよ!
 監督は飯田馬之介、キャラクターデザインと作画監督は川元利浩。小惑星を生きる環境として自然に受け止めている少年と、それを取りまく人びとが苦難に立ち向かうという、これぞジュブナイルSFにして、まさに王道中の王道を行く作品。宇宙空間における無重量描写から生活圏の成り立ちから、そこで生計をたてている人たちのメンタリティまで、まるごとSF的にスキなく構築できた作品は、いま現在でもたぶんこれだけ……というと明らかに言い過ぎなんですが、思わず言いたくなるような密度と世界観にして、なおかつワクワクドキドキ感とキャラの魅力もあるという。
 惜しむらくは第2話の引いたところで中断していることで、今のところ未完なことですね……。
 そういや川元利浩さんの画集をお手伝いして打ち上げのときにも、せがんでフキ(本作のヒロイン)をサインしてもらいました。へっへっへ。1巻の方に収録。2巻はフェイをお願いしました。というわけで、舞いあがっております。今までは「ともかく観てよ」と言っても難しかったわけなので、ひたすら嬉しいです。


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2006年10月21日 (土)

ウルトラシリーズ 樋口真嗣セレクション

 ウルトラQ/ウルトラマン/ウルトラセブンの「ウルトラ」初期シリーズから、『ローレライ』の樋口真嗣監督がベスト作品をト1本ずつを選定するという趣向のUMDです(PSP専用)。この商品、案外好きです。一時期はずっと持ち歩いてました。さて、何が選ばれたかですが……

『ウルトラQ』 「地底超特急西へ」 人工生命M1号登場

『ウルトラマン』 「禁じられた言葉」 メフィラス星人、巨大フジ隊員他登場

『ウルトラセブン』 「第4惑星の悪夢」 ロボット長官登場

というわけでした。メフィラス星人の電飾がPSPの液晶映えして美しいんですよね。

 樋口真嗣インタビュー映像にて選定理由が紹介されますが、フジ隊員のエロスにも言及があったりして。

 特筆すべきは、「ウルトラQ」のプロモ的再編集映像がついていることで、これが出色。全編からピークになる映像をピックアップして物語にしているのがスゴイ。セリフの断片がつながったりするんです。最後には渦巻きタイトルが逆転するし。紛れもなく樋口監督の手による構成・編集と思われますが、クレジットがないので「あれ?」と。どこかに書いてあって見落としているかもしれませんが。

 PSP上でズームしてワイドにしてみても、これがけっこういい感じで映画のように見えるんです。もとの構図がしっかりしているからでしょうね。

 類似のベスト盤には、「DVDウルトラシリーズ トライアルエディション」と「同 バトルエディション」があるわけですが。

 前者は「ウルトラQ」ケムール人、「ウルトラマン」バルタン星人、「ウルトラセブン」メトロン星人、「帰ってきたウルトラマン」アーストロン となってます。コレはちょっと個人的には不満がありまして、だって「Q」と「マン」は「怪獣の世界」なのに、なんでまた飯島敏宏宇宙人ものが2本も? と。もちろん、それぞれが秀逸なのはわかりますが、バランスがどうも。「セブン」も、もっと戦闘的な回があるでしょうと。

 後者はゴモラ、キングジョーの前後編をパックしただけ。

 まあ、4シリーズから各1本を自分が選ぶなら……。

『ウルトラQ』 「ガラモンの逆襲」 ガラモン登場

『ウルトラマン』 「撃つな!アラシ」 ザラガス登場

『ウルトラセブン』 「マックス号応答せよ」 ゴドラ星人登場

『帰ってきたウルトラマン』 「落日の決闘」 キングマイマイ登場

 こんな感じにするかもなあ。

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2006年10月 7日 (土)

大鉄人17

 ♪だらずん!
  だらずん!だらずん!
 「だいってっつじ~~~~ん!!」

 東映特撮の中でも数少ない巨大ヒーローもの、ついにDVD化! 原作は石ノ森章太郎。

 いやー、何もかもが格好いい。初めてテレビランドで線画のデザインを見たとき、てっきりロボットアニメと思いこんで、PUFFの富沢雅彦さんに「あれは特撮(傍点つき)です」とお手紙もらっっときの衝撃まで記憶に残っております。ちょうどそうした同人誌でリアルタイムでTV評を書き始めた時期にも重なる作品。
 この作品はもう「ワンセブン」の無機質であるがゆえの雄々しさ、それに尽きます。それはお前の目を見ればわかる! 鉄人のように瞳を持つでもなく、ウルトラマンに影響を受けたマジンガータイプの白目でもない。セグメントによるディスプレイ表現!
 そして少年の言語は解すれど、発する音は「ずびびびびげげげげ」という機械音。究極のディスコミュニケーションを超えて、なぜか危地に出現する謎の鋼鉄巨人、というこの大時代的なイメージが貫かれまくった初期は、毎回驚きの連続でした。
 必殺技は、「グラビトン攻撃」。これも驚くべき映像で、敵ロボットの装甲が外部から重力圧を受け、深海で潰れたかのようにメコメコっと内部に凹んでいき、そこから大爆発を起こすという映像が再見できただけで、DVD買ったかいがありました。
 まあ、こうしたイメージが進みすぎていました。ミリタリー調全開のレッドマフラー隊とか、今見た方がしっくり来るのですが、途中からいわゆる「変質と解体」という路線変更で子ども向けにになってしまうわけで。とても残念。