2012年8月24日 (金)

「今 敏 第2エッセイ集」電子書籍で26日から発売

早いもので、今 敏監督が衝撃の急逝されてからこの24日で丸2年となりました。監督とのお付き合いは10年弱でしたが、作品、言葉とも多大なるものをいただきました。
いくら悔やんでも仕方がないことではありますが、26日に監督の第2エッセイ集が電子書籍で発売されることになりました。詳細は以下で。

http://konstone.s-kon.net/modules/works/index.php?content_id=12

少し先に見せていただきましたが、実に……こう「らしい」という感じのたたずまいの体裁に感心しきりでした。ネットで拝見した文章もあるのですが、あらためて白い部分を活かしてタテに組まれたのが、非常に端正な印象です。没直前に始められたTwitterのみ横組みなのも、やっぱり「らしい」ですよね。
こうやって遺されたものが「生きている」という感じは、「虚実」を自在にあやつっていた今 敏監督ならではだと思います。

特に、あの「遺書」を含めた闘病の記録は……とても冷静には読めないので、少しずつ読み進むことになると思いますが、残された人への「想い」がたっぷりなので、真摯に受けとめたいと思います。

ちなみに提供形態はPDFですが、iPadで読んでみると目次からリンクで跳べるなど、けっこう操作性もよくて、その点でも感心しました。ご興味おありの方は、サンプルもダウンロード可能なので、ぜひチェックしてみてください。

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2011年12月25日 (日)

特撮映画美術監督 井上泰幸 [単行本]

メーサー砲やアルファ号などのデザイナーとしても知られる美術監督、井上泰幸さんの本の発売日が近づいてきました。キネマ旬報さんからサンプルをいただいたので、ご紹介です。
『ゴジラ』で知られる東宝特撮映画。それは「特撮の神様」と呼ばれた円谷英二特技監督の仕事が知られています。しかし、映画はスタッフワークです。特にほとんどがスタジオで撮影される特撮の場合、「美術」がキーになります。
美術の仕事は一般にはセットを組む役割ですが、大道具をつくるという役割に加えて、その映画の中にしかない「世界観」を構築するのが役割です。そしてSF映画や怪獣映画では、特殊美術の役割は大きいです。
しかも、ある時期まではメカをデザインし、造形は外注するにしてもミニチュアをセットの中に位置づけるのは、特殊美術の役割でした。この辺、先日亡くなったアニメの美術監督・中村光毅さんがTVアニメ黎明期にマッハ号をデザインしたというのとかぶりますが、ともあれ近年のアニメやCG映画など、フルに異世界を構築するときの手法のルーツとして、井上泰幸さんのお仕事ぶりというのは、ものすごく重要で再評価されるべきだと思います。きちんと取材し、さまざまな画稿ごと紹介したこの書籍が、明日の空想映像を触発することを、切に祈っています。

どんな感じの本かというのを、キネ旬さんのご許可を得て、最後に数点紹介しておきます。サイズはB5横です。帯原稿は庵野秀明監督。「庵野秀明×出渕裕×樋口真嗣×三池敏夫」という座談会も掲載されてます。
出版記念サイン会などもあるようです。
http://www.kinejun.com/book//tabid/95/Default.aspx?ItemId=227
http://www.kinejun.com/book//tabid/95/Default.aspx?ItemId=223

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2011年4月29日 (金)

「ガンダム」の家族論 富野 由悠季 (著)

構成でクレジットされている藤津亮太氏から献本いただき、興味深く読みました。
語り起こしに大幅加筆するタイプの本だと思いますが、「である」調で論旨がシャープにまとまっているため、サクサクと読めますし、非常に腑に落ちることも多いです。タイトルがタイトルなので、『機動戦士ガンダム』はもちろん『F91』から『ターンエー』までガンダムシリーズの中での家族の話ももちろん出てきます。アムロの母親とか、ランバ・ラルとハモンの話とか、おなじみのものもありますが、『海のトリトン』や『リーンの翼』あるいは『ブレンパワード』など富野アニメを縦横に例示があがっています。
アニメの話というせまいところではなく、人を支える根源のもの、その中での男女・家族の役割を語っている姿勢は、さすがだなと。特に監督ご自身の娘さん二人、子育ての話を『伝説巨神イデオン』に絡めて語られたのは、私の記憶では初ではないかと思うので、Blu-rayがリリースされたいま、タイムリーとも思えます。
タイムリーと言えば、3.11の東関東大震災の話題が組み込まれているのも驚きです。発売は4月15日なので、ギリギリで差し替えたと思いますが、ムリヤリ突っこんだのではなく、前後とつながっているのも、未来を見つめた根源的な、監督がよく言われる「原理原則の話」が書かれているからでしょう。そういう意味でも、ガンダムが話題だからということを越えて、長く読まれる本になったのではないかと。文中では「ガンダム世代」という単語への狭隘さにも苦言が呈されてますしね。
というわけで、ガンダムや富野アニメに興味のある方はもちろんのこと、広く読まれてほしい本だと思います。

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2010年7月 3日 (土)

エコエコアザラクうちあけ話

深夜ドラマの「エコエコアザラク」のうち、佐伯日菜子主演の「エコエコアザラク THE SERIES」、上野なつひ主演の「エコエコアザラク~眼~」(あと劇場版)について、スタッフ(脚本家、監督、プロデューサー)インタビュー、中島紳介氏による評論、パロディ漫画など満載の同人誌です。表紙イラストは北爪宏幸さんです。
編集されているのは、「ガンダムエース」初期に編集者としてもろもろお世話になった田山三樹さん。ひさびさに電話かかってきて、「エコエコアザラクは詳しいですか?」と聞かれたので、「残念ながら詳しくないけど、中島紳介さんが詳しいはず」とご紹介。
ともあれ届いてみたら、あまりにも愛にあふれた同人誌だったので、ちょっとクラクラしました(笑)。ファンの方にはたまらない内容だと思います。中島さんの評論もB5サイズ4ページ分と読み応えあるので、ご興味ある方は以下通販サイトからチェックしてみてください。
とらのあな
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0010/22/49/040010224924.html

COMIC ZIN
http://shop.comiczin.jp/products/detail.php?product_id=5622

メロンブックス
http://shop.melonbooks.co.jp/shop/list/?DA=chgitemtype&G=&F=眼鏡大黒堂

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2010年3月26日 (金)

『サンダーバード』その他のメイキング本

発注してから何年も「延期」「延期」となっていたスーパーマリオネーションのハードカバー本が、ようやく届きました。『スティングレー』『サンダーバード』『キャプテンスカーレット』『ジョー90』などは、いずれも自分にとって大事な作品です。写真が大きいのが良いですね。本文はじっくり読んでないですが、労作のようです。そういえば『サンダーバード』のブルーレイは英国ですでに発売されているのですが、16:9にトリミングしてしまったようで、amazon.ukでは非難囂々になってました。せっかくの再評価のチャンスなのですから、オリジナルに忠実にリリースしてほしいですよね。

FILMED IN SUPERMARIONATION a history of the future

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2009年6月15日 (月)

『東のエデン』第10話の参考書?

次の第11話がTVシリーズとしての最終回である『東のエデン』(神山健治監督)ですが、第10話にして話は急転直下。ミサイル発射の真相やその動機、事件の向かう先などが一挙に噴出しました。その中で明らかに『パトレイバー2(P2)』を思わせるセリフなどもある中で、出た感想も『P2』のとき初めて「アニメが長足の進化をとげた」と思ったことと似てました。
基本的に商業アニメはエンターテインメントですが、制作が集団作業であることと、莫大な費用と時間がかかることから「現在」というスポットを描きにくいものなんです。もう少し長めの数年というスパンの「気分」みたいなことは描けるんですが。
だからそういう役割はむしろ個人作業である小説が担っていて、ある時期まではたとえばSFのバリエーションとしてのPF(ポリティカル・フィクション)がジャンルとして成立したのも、そのためです。ところが『P2』はアニメ映画でありながら、自衛隊海外派遣の問題などに食い込みつつ、現実を投影してみせた。レイアウト主導映画である以前に、アニメが小説を上回る機能を発揮したことがすごいなと思ってたんですよね。それは主張そのものの是非とは次元の違う問題です。
で、『東のエデン』の話ですが。「既得権益批判」みたいなものが出たとき、最近読んだ新書を思い出して「あっ」と思ったんですね。

サブカル・ニッポンの新自由主義
―既得権批判が若者を追い込む (ちくま新書)

おそらくこの本を参考にしているんじゃないかな。新書の内容のとおり、まさに「既得権益批判」に追い込まれた若者が描かれてたわけで。ちょっとぎょっとしました。
これはまさに「現代の空気」を取り入れたアニメというわけで、TV放送というメディアの特性もあいまって、『P2』よりも明らかに進化してます。神山健治監督と言えば、『攻殻機動隊S.A.C.』でも過去の実在の事件を分解・再構築して取り入れていましたが、ついに「リアルタイム」で「アクチュアル」な問題を入れ始めたんだという感慨もありました。
というあたりで、いったいこの物語がどこへ向かうのか。現実との地続き感のあるアニメの行く先が楽しみです。

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2009年5月11日 (月)

神山健治の映画は撮ったことがない

初のオリジナル作品『東のエデン』も絶好調の神山健治監督による書籍です。もとは「スタジオボイス」に連載されたコラム。飛び飛びに読んでいたのでまとまって助かるという点もあるんですが、つなげてみると「映画づくり(アニメづくり)」に関して「企画」「脚本」「演出」などプロセスを追って論考を重ねているという見通しが良く、非常にためになる本でした。
プラスアルファとして中島哲也監督、押井守監督と、実作者同士の対談もあってお買い得でもあります。
いちばん最初の項が「疑問と答えの連鎖」となっています。小生も講座などで「物語とは何か?」ということについて「それは《?》と《!》」と述べてます。つまり「?」に対する「!」ということの連続、1つ目の「!」がさらに次の「?」を招くような連続の有無が、いわゆる「面白い」かどうかを分ける目安になる。もっと突っ込んで言えば、「!」は説明されて与えられるのではダメで、観客が自分の力で見つけたという達成感が必要なんですが、まあそれに近しいことが書かれていて嬉しかったです。
実際に『東のエデン』はこの書に記された原理原則のようにできているので、あの作品はなぜ面白いのか疑問に思う人は、この本を読んでみれば非常に納得するところが大きいのではないでしょうか。

『攻殻機動隊SAC』のスタート直前、神山監督に若いころに企画書を持ち回った話をインタビューしたことがあり、非常に感銘をうけたことがあります。その辺の事情が自身の筆で記されているのも、良かったですね。インタビュー時に感銘を受けたのは、企画の実現を阻むものってゼリーみたいになっていて、通るまではもがき苦しみながら押し返されたりしてなかなか通らない、でも通るときはちゅるっと通るみたいな話でしょうか(笑)。で、通ると必ず自分の思ってたのと違うものになると。この辺は似たような経験があるので、共感も大きかったです。

ともあれ、映画って何だろう、アニメって何だろう、そもそも面白いってどういうことだと一度でも考えたことのある人には、お買い得の一冊です。

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2009年3月 5日 (木)

Model Graphix 2009年4月号

来ました来ました、宮崎駿さんの新連載。今回は「風立ちぬ!」と題して、日本の誇る航空技術者・堀越二郎氏にスポットをあてた連載のようです。堀越氏は現在の三菱重工となった会社で零戦の設計にたずさわった技術者で、戦後はYS-11の開発にも関与した、いわば日本の名匠の1人です。
今回はそのプレヒストリー的に欧州で1920年代に飛行機を作り続けたジャンニ・カプローニ伯爵にスポットを当て、そのすさまじい旅客艇の失敗の歴史と、その魂がどう受け継がれたかを、実に淡々と(笑)描いてます。1920年代の日本の世相(平均寿命:男43歳、女45歳/死亡原因:1位肺結核、2位腸炎、3位肺炎)というあたりも、けっこう鋭い。ああ、もう自分は余命なんだとか思っちゃいますね。自分の生まれ年から逆算すると、わずか40年以内の話だ!
相変わらずキャラはブタですが、ひさびさに続きの楽しみな連載が始まりました。

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2009年3月 4日 (水)

洋書:The Complete Book of Gerry Anderson's Ufo

日本の映像作品にも大きな影響を与えた英国SFドラマ『謎の円盤UFO』のガイドブックです。2003年初版、2006年版のはずなんですが、amazonで発注したらずーーっとペンディングで。何度も「キャンセルしますか?」というメールが来た果てに、いきなり今日届いてました。ベルギー発になってますね。そういう発注したっけ?
まだちゃんと目を通してませんが、メイキング記事からストーリーガイド、あとシナリオ上のカットされたシーンや、流用プロップのことまで触れているマニアックっぽい内容です。デザイン画などは、前に日記で紹介したマイク・トリムの画集の方がインパクト強かったかなと。
ビジュアル的にはエリス中尉のカラーが表4にしかないのがちょっと(笑)。
でも、UFOファンにとっては、出てくれてありがたい一冊です。今はマーケットプレイス扱いになってるようです(たぶん新品)。

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2008年12月18日 (木)

開田裕治作品集 UTOPIA

amazonでも予約中、上梓は来週早々だそうです。
秋にも銀座で個展を開いかれた開田さん、待望の画集になります。
怪獣、アニメ用のイラストに加えてオリジナルも多数収録。

収録作品は、全145点+表紙イラスト。

書影はこちらで。

http://home.att.ne.jp/green/kaida/

デジタル以前のものも画稿から取りこみ、場合によってはバージョンアップと気合いの入った画集になりそうです。また感想は手にとってから。とりあえず第一報ということで。

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