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2011年4月18日 (月)

出崎統監督、逝く

信じたくはなかったですが、確定情報出ました。

 「あしたのジョー」「ベルばら」アニメ監督の出崎統さんが死去 67歳、肺がん 
産経ニュース エンタメ

もっとも敬愛するクリエイターのひとりでした。
光と影のコントラストが激しい表現、引きセル3回とかハーモニーでストップモーションとか入射光とかパラかけとか、日本のアニメ技法の多くを開発した方としても知られていますが、それより何より先に「情熱」が輝いている作家でした。映像への迫り方も出崎統監督の熱い視線に求められ、必然的にそう見えるようになるという関係にあります。

実写版「あしたのジョー」にしても実質的には出崎統監督のアニメ版から多くを得ていたわけで、アニメ史上もっとも影響力のあった演出家ではないかとも思います。

「ウルトラヴァイオレット」のTAFイベントで、出崎統監督と丸山正雄さんとそろって対談というかティーチインの司会をさせていただき、ご本人を目の前にしてコンテ解説をするという冷や汗の出る仕事をさせていただいたのが、最後にお目にかかった機会となりました。そのときうかがったお話は宝物です。打ち合わせで聞いた、ギリギリまで粘ったときにラストが降りてくる話は、ものすごく納得でした。
対談中に「絵コンテは楽譜だと思うんです」と言ったら、「ああ、それはいい表現だね」と言っていただけたのも、うれしかったです。

本当に素敵な作品の数々をありがとうございました。合掌。

P.S.拙著「アニメ新世紀王道秘伝書」では、まる1章(連載6回分)かけて出崎統監督の作品を語らせていただきました。「ガンバの冒険」「ゴルゴ13」「劇場版エースをねらえ!」「あしたのジョー2」「宝島」について語ってます。特に劇場エースについて2回分かけて心行くまで書けたのは良い想い出です。

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