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2010年9月

2010年9月29日 (水)

シャープAQUOSの広告企画

4原色が売りのシャープAQUOSの広告企画に出ました。
http://ascii.jp/elem/000/000/553/553937/
通常はRGBのところにもう1色、黄色を足すことで表現力が増すということの具体的な話を設計担当された方まじえて聞けたのは、すごく良かったです。こちらも元技術者なので、どういうこだわりがあるのかは非常に興味あるんですね。
デモ画像では金色表現の向上が言われていて、実際にきれいなんですが、陶磁器や湖のエメラルド系グリーンやコバルトブルーもきれいだし、白の表現力もあがっていて、非常に好印象でした。
アニメの画づくりはすべてが設計されたものだから、大型テレビには「アニメモード」(設定ポジション)が必要だと思うんです。前からなぜそのポジションがないのか(一部メーカーにはあるようですが)、不思議でした。差別しているわけではなく、どうもアニメは色味がシンプルだからと思われがちなのかもしれません。
アニメの色は決してパキッとした画帳という意味ではなく、長年にわたって色職人が練りこんだ伝統の色味それ自体が気持ちイイ色づかいであること、それと色変え、さらに味つけで加えられた撮影効果が正確に出るだけで画面の印象が変わること。そうしたものが的確に出れば、色だけで気持ちよくなるはず、みたいな話を真剣に聞いてもらえたので、出た甲斐がありました。
30年くらい前から「アニメは動くテストパターン」と言われてたのですが、すでにその概念も薄くなっていたようです。ちょうど夏コミ本でそういう話をまとめたとこだったので、それを渡して、アニメファン的なこだわりも伝えておきました。
実現するといいですね。

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2010年9月28日 (火)

読売新聞で「悪魔くん」について書きました

27日の読売新聞夕刊「本よみうり堂コミック館」のコラム「マイ・ヒーロー」で、水木しげる著「悪魔くん」について書かせていただきました。少年マガジン版に関する感慨です。「ゲゲゲの女房」でも大きな位置づけになっていたのが嬉しかったです。
特撮版についても、マネキン妖怪、水妖怪、木霊妖怪など「人間が姿を変えられてしまう」系の恐怖について、もっと書きたいことがありましたが、それはまたの機会に。
なお、同書はちくま文庫と講談社から現在でも入手可能ですが、講談社版は「千年王国」と合本になってるんですね。1000ページのボリュームがすごいです。

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2010年9月26日 (日)

《廉価版》精霊の守り人/BLACK LAGOON 後半発売

うっかりして紹介遅れましたが、ジェネオンユニバーサルさんの表題の廉価版、続きが先週発売になりました。
今回の特筆すべき快挙は『BLACK LAGOON』の双子編がこの価格で見られるようになったことですね。
『マイマイ新子』の片渕須直監督が、正反対の暴力的で陰惨な話を……みたいな感じで語られることが多いんですが、自分は基本的に「同じスタンス」だと思ってます。だって、双子の言動は彼らの環境と価値観の中で終始一貫しているんですよ。人って環境に順応してそこで価値観を醸成するものですから、つまり人としてまっとうしているんですね。彼らが出てきたこちら側の価値観とルールに合致していないだけ。だからそこに軋轢が起きる。でも、その双方に優劣はないんです。ただ「違う」だけ。
ってな描き方は、『マイマイ新子』の「いま」「50年前」「千年前」が等しく実在する、というスタンスに通じるものがあって、シビれるんですね。

そういう意味では神山健治監督の『精霊の守り人』もまさに似たような地平に行っていて、本当に登場人物の数だけ、その生きてきた正しさがあるという作劇は、すごいです。後半BOXの最終回、あの別れのシーンにも感極まるところがあって、思い出し泣きしそうになったから、この辺にしておきますが。
両作とも、これから一気に見られる方が、ある意味うらやましいです。

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2010年9月23日 (木)

追悼・今 敏監督/ついに「セラフィム」が復刻!

キネマ旬報の最新号に追悼文を書かせていただきました。読者層を意識して、先日の新聞掲載となるべく違うことを書こうとしました。1点、「千年女優」のプレス記事を書いた年を間違えてまして、2002年が正解です。お詫びとともに訂正します(公開にだいぶ先がけて拝見したのは確かなので記憶違いしました)。

『MAG・ネット マンガ・アニメ・ゲームのゲンバ』(NHK BS2)の10月3日(日) 特集「追悼 今 敏」にも出演させていただきました。技法的な話と、お付き合いいただいたときの想い出みたいなことを語っています。番組全体では、NHKに出演されていた今 敏監督の映像が多く流れると聞いています。
http://www.nhk.or.jp/magnet/program.html

NHKと今 敏監督と言えば、「アニクリ15」に収録されている「オハヨウ」が「パプリカ」の次の作品にあたるので、1分間の短編とはいえ、現在のところ公開されている遺作に相当する作品だと思います。たぶんMAGネットでも扱われるのでは。実はこれはDVD部門ではなく書籍部門で発売され、メイキング本に本編15作がついているという構成になっています。初見で「これはパーフェクトブルー2007みたい」という感想を抱いたのですが、その秘密などもインタビューで語られていました。本は藤津亮太氏の構成によるものです。

出たばかりの「月刊 COMIC リュウ 2010年 11月号」の次号予告に出ていますが、12月号に「今 敏追悼BOOK」が付録でつきます。そこにも記載されていますが、アニメージュに連載されていた今 敏の漫画「セラフィム」(原案・原作/押井守)がついに収録されます。全人類が天使病による絶滅の恐怖にさらされる中、犬と少女を連れて旅をする男と老人……という世界観が圧巻の画力で描かれたもので、未完ながら漫画家・今 敏の代表作と言って良い大作です。こちらも何かお手伝いする予定です。

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2010年9月 3日 (金)

間もなく発売!ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 全記録全集

かなり時間かかってしまい、お待ちいただいている読者の方々、関係各位には申し訳ありませんでした。
ですが、ようやく完成しました。苦労した分、非常に嬉しいです。
間もなく刷り上がり、6日には店頭に並ぶのではないでしょうか。前回同様にインタビューパートを担当しました。

(インタビューパートの「後書き」より)
 『破』に関するメインスタッフの証言集は、『序』と大きく方針を変えることにした。(中略)取材対象者を絞りこみ、より深く「何がエヴァに起きたか」を記録できるように配慮した。(中略)今回は「エヴァがいかにして『破』になったか」が取材の焦点となる。
 (中略)『序』のときは一名あたり30~40分と短い方も多かったが、今回は最低でも90分以上は聞いているため、テキストの総量も増え、内容の掘りさげもディープになっているはずである。
 特に『破』の代表的な変化点、新キャラクター、新EVA、アスカの変更点、挿入歌の使い方、進化したCGの用法、TV版第拾九話との異同などについては、読者の関心も深いはずなので、事象が立体的に浮かぶよう入念に取材した。(中略)雑誌などでは捨てるようなディテールや現場発ならではのゆらぎも拾っているので、そうした臨場感をお楽しみいただければと思う。

……ということで、前回「序」のときと誌面レイアウトなどは踏襲していますが、方向性はけっこう深掘りになってます。デザインなどでも「なんであそこは、ああなってんだ?」的なことは画稿と付け合わせれば、かなりのことが分かるはずです。そのデザイン画稿についても、「破」のために用意されたラフ的なものも収録。圧巻の楽しさです。
そしてそして、一番の目玉は「マリ」を中心とした作品づくりですね。エンタメを目指すという方向はブレてないにせよ、途中のあまりにもすさまじい紆余曲折には信じられないものがあります。しかし、そうでもしないと「魂」が宿らないというあたりはゾクゾクするものがあるわけで、特に鶴巻監督パートは「ものづくり」に関心のある方、ぜひ目をとおしていただけたらなあと。

実は今日時点でまだサンプルが到着していないので、到着したらまた気づいたことを載せるかもです。今回、フィルムストーリー部分と分けたので、また一段とボリュームアップしてるはずです。「破」のムックは出てないはずなので、そういう意味でも究極にして決定版になるかと思います。
そして、これを読んだらBlu-rayの本編、メイキング映像がまた「違ったもの」に見え始めるはずです。アニメーションはそこが面白い。正解はいつもひとつではなく、多面体のきらめきをもっているのが大きな魅力です。それは食材に対するスパイスみたいなものかもしれませんが、確実にまた味が出てくるわけで、そうした仕事に関われて幸せです。

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