今 敏監督(46歳)逝去を悼む
『パーフェクトブルー』『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』『妄想代理人』『パプリカ』と刺激的なアニメーション作品を監督されてきた今 敏監督が 8月24日(火)の朝、亡くなりました。病気療養中のことと聞いています。46歳でした。発表のあった公式サイトはアクセス過剰のようなので、リンクは差し控えます。
その作品の魅力や業績については、もう少し頭を整理しつつ、いずれきちんと語らねばならないですが、数々のアニメーション作品の中でも、今 敏監督の映画には格別の想いが残っています。
『千年女優』のプレスシートに寄せた拙文を気に入ってくださったそうで、その後に同作でインタビューさせていただいたとき、過分な言葉をいただいて恐縮しました。以後、『東京ゴッドファーザーズ』、『パプリカ』、さかのぼって再発された『パーフェクトブルー』と、劇場映画については全作、何かしらロングインタビューないし評論をパッケージに書かせていただいてます。
その仕事のプロセスの中で、アニメーションとは何者なのか、その楽しさは何かということについて、計り知れないヒントと刺激をいただきました。次の新作「夢見る機械」でもすでに刺激的なイメージボードが提示され、またあの脳がしびれるようなお話が聞けるかもしれないと楽しみにしていましたが、それはかなわぬこととなりました。
残された切実なお言葉から推察するに、新作のフィルムに関してはまだ希望があるようです。
お話をうかがえない、あるいは拙文が読んでいただけない寂しさはありますが、そこに期待を残しつつ、いまはただ安らかにと願いばかりです。合掌。
P.S.「今 敏監督」関連のオフィシャル文書(DVDライナーやプレスシート)でのライティングには表記ルールがありました。「今監督」「今敏監督」ではなく、半角スペース入りの「今 敏監督」が、監督の好んでおられた表記です。私が言うのは余計なことかもしれませんが、できればよろしくお願いします。
P.S.2 ビデオグラム以外ですと、以下のムックで全監督作品に関する解説を書かせていただきました。
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