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2009年9月

2009年9月30日 (水)

ロボットアニメ大鑑(キングレコード)

キングレコード関係のロボットアニメを中心に、集大成的なコンピレーションが発売されます。サンライズで3枚組、その他は上巻2枚、下巻2枚という構成で、下巻はJ9シリーズなど国際映画社が中心となっています。
氷川は今回、構成の一部お手伝い、各作品解説(ごく短いもの)をお手伝いしました。
そして特筆すべきは「スターチャイルド アーリーデイズ」と称して、初期ディレクターの藤田純二さん(現:フューチャービジョンミュージック代表取締役)の取材を行いました。『機動戦士ガンダム』含めた初期作品の音楽制作に携わり、70年代の1社寡占状態だったアニメ主題歌の世界が、どのように拡がっていったか、歴史的な証言としてインタビューしています。3セットに分けて掲載しています。順番としては上巻→下巻→サンライズで読むと流れが出るようにしてます。
構成の一部お手伝いというのは、実は「破」のダビングステージに立ち会っていたら、大月俊倫さんがテーブルで曲目を書き記していたので、「レインボーマンも入れてくださいよ」「ビスマルクが抜けてます」とかいろいろツッコミを入れてたら、こういう感じになったということなんです(笑)。その後、念のためにクロスチェックも入れ、挿入歌もそこら辺で充実させたはずです。
基本的には映画とOVAは入れないという方針です。これが爆発的に売れれば、可能性も出てくるかも。
じゃあなんでOVAの「ガクセイバー」だけ入っているかと言えば、実は氷川が渡辺宙明先生のファンだということから始まり、シングルCDを持っていたのに引っ越しで紛れてiPodに入れられないとか、カラオケに行くとアニメの方じゃなくてイメージソングの方のガクセイバーしか入っていなくて、あっちもいい曲なんだが、アニメの方が歌いたいとか、そういう動機で「入らないですかね?」とか言ってたら「じゃあ、ボーナストラックで入れよう!」と、その場で即決になったという経緯でした(笑)。

まあそんなことはともかく、藤田さん、大月さんは私がキングレコードで盛んに仕事をしてた時期(70年代末~80年代早々)からのお付き合いで、それがこういうかたちで3人ジョイントできたという、記念碑的なアルバムになりました。
お値段も、とってもお買い得なので、少しでも売れてほしいですね。

P.S.「ダイターン3」はコロムビアのオリジナル音源です。「(新)鉄人28号」もギミックのオリジナルです。

●サンライズ ロボットアニメ大鑑   

<DISK1>
1.行け!ザンボット3(無敵超人 ザンボット3)
2.宇宙の星よ永遠に(無敵超人 ザンボット3)
3.カムヒア!ダイターン3(無敵鋼人ダイターン3)
4.トッポでタンゴ(無敵鋼人ダイターン3)
5.トライダーG7のテーマ(無敵ロボトライダーG07)
6.俺は社長だ(無敵ロボトライダーG07)
7.復活のイデオン(伝説巨神イデオン)
8.コスモスに君と(伝説巨神イデオン)
9.最強ロボ ダイオージャ(最強ロボ ダイオージャ)
10.ヨカッタネ宇宙(最強ロボ ダイオージャ)
11.HEARTへようこそ(最強ロボ ダイオージャ)
12.みんなで踊ろう!バルジャン・ロック(最強ロボ ダイオージャ)
13.さらばやさしき日々よ(太陽の牙ダグラム)
14.風の行方(太陽の牙ダグラム)
15.父よ(太陽の牙ダグラム)
16.EXODUS(太陽の牙ダグラム)
<DISK2>
1.疾風ザブングル(戦闘メカ ザブングル)
2.乾いた大地(戦闘メカ ザブングル)
3.HEY YOU(戦闘メカ ザブングル)
4.わすれ草(戦闘メカ ザブングル)
5.ダンバインとぶ(聖戦士ダンバイン)
6.みえるだろう バイストン・ウェル(聖戦士ダンバイン)
7.青のスピーチ・バルーン(聖戦士ダンバイン)
8.水色の輝き(聖戦士ダンバイン)
9.炎のさだめ(装甲騎兵ボトムズ)
10.いつもあなたが(装甲騎兵ボトムズ)
11.たのまれグッバイ(装甲騎兵ボトムズ)
12.エルガイム Time for L-GAIM(重戦機エルガイム)
13.スターライト・シャワー(重戦機エルガイム)
14.風のノー・リプライ(重戦機エルガイム)
15.傷ついたジェラシー(重戦機エルガイム)
16.メロスのように-LONELY WAY-(蒼き流星SPTレイズナー)
17.5分だけのわがまま(蒼き流星SPTレイズナー)
18.雨を降らせないで(蒼き流星SPTレイズナー)
19.Maybe(蒼き流星SPTレイズナー)
20.LA ROSE ROUGE(蒼き流星SPTレイズナー)
21.メロスのように-LONELY WAY-(蒼き流星SPTレイズナー|TV version.)
<DISK3>
1.夢色チェイサー(機甲戦記ドラグナー)
2.イリュージョンを探して(機甲戦記ドラグナー)
3.スターライト・セレナーデ(機甲戦記ドラグナー)
4.Shiny Boy(機甲戦記ドラグナー)
5.怒りの獣神(獣神ライガー)
6.The Fire(獣神ライガー)
7.奇跡の獣神(獣神ライガー)
8.反逆の戦士-リュウ・ドルクのテーマ-(獣神ライガー)
9.鏡の子守唄(獣神ライガー)
10.Gather way(勇者エクスカイザー)
11.これからのあなたへ(勇者エクスカイザー)
12.KEEP ON DREAMING(熱血最強ゴウザウラー)
13.OUR GOOD DAY…僕らのGOOD DAY(熱血最強ゴウザウラー)/セラフィム
14.Precious Moment(熱血最強ゴウザウラー)
15.KEEP ON DREAMING(熱血最強ゴウザウラー)/林原めぐみ
16.GAZE AT TOMORROW(熱血最強ゴウザウラー)
17.ENDLESS DREAM(熱血最強ゴウザウラー)
18.JUMP UP TOGETHER-笑顔を見せて-(熱血最強ゴウザウラー)
19.KEEP ON DREAMING(熱血最強ゴウザウラー|SAURERS VERSION)
20.READY GO!熱血最強キングゴウザウラー(熱血最強ゴウザウラー)

●ロボットアニメ大鑑 上巻
<DISK1>
1.飛べ!グロイザーX(グロイザーX)
2.ゴーゴー・グロイザーX(グロイザーX)
3.あしたに生きろバルディオス(宇宙戦士バルディオス)
4.マリン,いのちの旅(宇宙戦士バルディオス)
5.星空の虹(宇宙戦士バルディオス)
6.立て!バルディオス(宇宙戦士バルディオス)
7.愛の戦士レインボーマン(愛の戦士レインボーマン)
8.あいつの名前はレインボーマン(愛の戦士レインボーマン)
9.孤独の旅路(サイコアーマー ゴーバリアン)
10.ララバイ(サイコアーマー ゴーバリアン)
11.It’s LOVE~それは愛~(サイコアーマー ゴーバリアン)
12.夕陽の想い(サイコアーマー ゴーバリアン)
13.不思議CALL ME(星銃士ビスマルク)
14.夢銀河(星銃士ビスマルク)
15.Flower of Desert(ヤマトタケル)
16.Twilight Songs(ヤマトタケル)
17.FLY HIGH(ヤマトタケル)
18.Far away-君と-(ヤマトタケル)
<DISK2>
1.太陽の使者 鉄人28号(鉄人28号(新))
2.希望に向かって(鉄人28号(新))
3.無敵の鉄人28号の歌(鉄人28号(新))
4.宇宙の王者!ゴッドマーズ(六神合体ゴッドマーズ)
5.愛の金字塔(六神合体ゴッドマーズ)
6.17才の伝説(六神合体ゴッドマーズ)
7.銀河に一人(六神合体ゴッドマーズ)
8.戦士の詩(うた)(六神合体ゴッドマーズ)
9.ララバイ・マーズ(六神合体ゴッドマーズ)
10.フューチャー・ヒーロー(超電動ロボ鉄人28号FX)
11.僕らは冒険者(超電動ロボ鉄人28号FX)
12.フューチャー・ヒーロー(超電動ロボ鉄人28号FX|New Version)
13.Get Your Dream(超電動ロボ鉄人28号FX)
14.鉄人28号(鉄人28号)
15.進め正太郎(鉄人28号)
16.紅の流星機(流星機ガクセイバー)
17.夜空の星が見ている(流星機ガクセイバー)

●ロボットアニメ大鑑 下巻
<DISK1>
1.銀河旋風ブライガー(銀河旋風ブライガー)
2.さすらいキッド(銀河旋風ブライガー)
3.星影のララバイ(銀河旋風ブライガー)
4.太陽の子ら(銀河旋風ブライガー)
5.ABAYO FLY BYE(銀河旋風ブライガー)
6.カーメンカーメン(銀河旋風ブライガー)
7.銀河烈風バクシンガー(銀河烈風バクシンガー)
8.アステロイド・ブルース(銀河烈風バクシンガー)
9.不死蝶のライラ(銀河烈風バクシンガー)
10.面影ララバイ(銀河烈風バクシンガー)
11.愛のライディング・マシーン(銀河烈風バクシンガー)
12.ビリー・ザ・ショット(銀河烈風バクシンガー)
13.マイ・ソウル・ジャーニー(銀河烈風バクシンガー)
14.いつか時を止めて(銀河烈風バクシンガー)
15.夢の狩人(魔境伝説アクロバンチ)
16.渚にひとり(魔境伝説アクロバンチ)
<DISK2>
1.銀河疾風サスライガー(銀河疾風サスライガー)
2.ハピィ・ソング(銀河疾風サスライガー)
3.メイビィ・ベイビィ(銀河疾風サスライガー)
4.恋人たちの星まつり(銀河疾風サスライガー)
5.トライ!トライ!トライ(銀河疾風サスライガー)
6.PLANETS BAY ROAD(銀河疾風サスライガー)
7.ロング・グッナイ(銀河疾風サスライガー)
8.ロンリーチェイサー(超攻速ガルビオン)
9.メモリーララバイ(超攻速ガルビオン)
10.BE A HERO(超攻速ガルビオン)
11.ALONE(超攻速ガルビオン)
12.unsteady(無敵王トライゼノン)
13.lost in you(無敵王トライゼノン)
14.覚醒(奇鋼仙女ロウラン)
15.いろは詩(奇鋼仙女ロウラン)/本宮麻衣香
16.いろは詩(奇鋼仙女ロウラン)/鈴木利宗
17.FLY AWAY(ジンキ・エクステンド)
18.未来とゆう名の答え(ジンキ・エクステンド)

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2009年9月25日 (金)

今週土曜日は池袋コミュニティカレッジ

今月は明日26日(土)が開催日です。第1期の終了です。

5) 9/26
【音響/総論】心理効果を支える音/講座のまとめ

音に関して声優以外の要素をピックアップします。音次第でフィルムの印象が根底から変わる事例も多々あるわりに、あまりにも言及されることが少ないので、多少なりとも関心をもっていただければと。
今回は、とりあえずの最終回ということで「まとめ」と称してますが、延長戦など含めてその辺は柔軟に対応したいと思ってます。有志で「夜の部」という話などもあるようです。
直前の告知で恐縮ですが、よろしくお願いします。

■全体の案内はこちらから。
■個別の案内はこちらから。

引き続き、10月から毎月第4土曜に「監督論」として第2期を行います。

■第2期の案内はこちらから。

1)10/24 富野 由悠季 監督
2)11/28 今 敏 監督
3)12/26 出崎 統 監督
4)1/23 押井 守 監督
5)2/27 細田 守 監督
6)3/27 宮崎 駿 監督

こちらも、よろしくお願いします。

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2009年9月23日 (水)

今月のアニメ雑誌

いささか時間が経ってしまいましたが、今月のアニメ雑誌の仕事です。

・金田伊功さん追悼特集(アニメージュ)

AB版8P特集のうち、前半5P分の構成と文章を担当しました。8/30の「送る会」準備と平行しての作業でしたので、なかなかに厳しい状況でしたが、精一杯がんばりました。本当はまる一冊使わないといけないほどの業績なんですよね。でも、これだけ使えてありがたかったです。追悼文は次号にも引き続き載るそうです。

・金田伊功さん追悼特集(ニュータイプ)

アニメージュの方が先行していたので、こちらは素材の一部提供とネタ出し、若干のテキストチェックぐらいです。構成などは別のライターさんが立っているのですが、圧縮して紹介するとどうしても似てしまう部分はあるなと思いつつ、ニュータイプらしい記事になっているのではないでしょうか。今石洋之さんの見開き描きおろしは見事の一語です。

・サマーウォーズ日々是決戦(ニュータイプ)

コラムの最終回です。ロカルノ出立直前の細田守監督にお話をいただきました。お会いしたのはひさびさでしょうか。コラムのこれまでが面白かったと言っていただき、ほっとしました。取材で連載というのは初ですが、半年少々の間にキャスティングマネージャ、予告編制作、編集とふだんあまり聞けない分野の方にお話をうかがえて良かったです(人選はマッドハウス斎藤Pによる)。

・細田監督インタビュー(ニュータイプ)

コラムと同じ取材がベースですが、作品記事欄向けに急遽、内容を切り出してまとめたものです。今回、細田監督の露出は相当多かったと思いますが、映画公開後とか観客の反応をみてという話は、とりあえずこれぐらいで珍しいのではないかと。
アニメが作者の思惑を越えてまでもエモーショナルなものをストレートに伝えうるメディアではないかというのは、個人的にずっと興味をもっている話で。その辺を交えてコラムともども、次回作への意欲がうかがえて良かったです。興行的にも予想以上のヒットでしたし、早くもネクストが気になるというあたりでまとめられて、ずっと応援してきた立場としては本当に良かったです。

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2009年9月16日 (水)

今週末土曜日は「仙台短篇映画祭2009」

http://www.shortpiece.com/prg_d.html

9/19(土)18:00-に、仙台短編映画祭で上映される細田守監督の『時をかける少女』のトークショーに出ます。作品解説というか、アニメと映画の関係みたいなことに寄せて語っていきたいと思ってます。ご当地の方は、もしお時間があればお越しください。

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2009年9月13日 (日)

橋本一子プロデュース「未来へ」ライブご案内

アニメファンには『ラーゼフォン』の作曲でおなじみの橋本一子さんから、9月のライブご案内をいただきました。前回、ちょっと落ち込むことがあった直後に元気をいただいて、非常にありがたく感じました。言葉にしづらい心の中を解放する何かがあるんでしょうね。特に声そのものを使ったワザはナマだと直接波動が伝わるせいか、良かったです。今回も村上ポンタ 秀一さんを迎えての"スペシャルセッション"、かなり楽しいライブになるとのことでした。期待しております。お時間のある方、ぜひ足を運んでください。

<橋本一子プロデュース「未来へ」and more ワンナイト・
スーパーセッション! with 村上"ポンタ"秀一>

9月18日(金)南青山マンダラ
  http://www.mandala.gr.jp/aoyama.html
開場18:30 開演19:30 

橋本 眞由己(Vo,Cho) 小川 美潮(Vo, Cho)
 橋本 一子(Pf, Vo, Cho)
藤本 敦夫(G, Vo, Cho) 小田島亨(Fl) 大
川 俊司(Harmonica, Cho)
吉野 弘志(B) 村上"ポンタ"秀一(Drs)

前回リリース記念だったCDも絶賛発売中です。

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10/4 三越カルチャーサロン「大人のアニメ学」

来月早々、三越カルチャーサロンで1日講座を開催します。

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大人のアニメ学 「アニメと原作の差」

アニメ作品にはマンガ、小説、ゲームなどさまざまな「原作」をもつものが多くあります。はたして「原作に忠実なアニメ化」とは可能なものなのでしょうか? 実時間の流れをもつアニメと「原作」のメディア、特質の差を探求し、あらためてアニメという表現様式を浮き彫りにします。

●日時:10/4(日) 14:30~16:30
●講師:氷川 竜介(アニメ評論家)
●受講料:3,150円

http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/culture/lesson_oneday3.html
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有名な原作(小説・漫画)があって、それを舞台化、映像化するということは、アニメ以前から連綿と行われてきたことです。ただ、アニメの場合は日本の漫画が一部映画の文法を取りいれたこともあるため、一見して近そうに見える。そのため、「原作に忠実なアニメ化」ということが、やや軽々しく語られているように思います。
ここ数年、なるべく強調して語ろうとしていることですが、アニメがもし他のメディアと互換可能なものであったら、そもそもアニメ化する必要はないですし、「アニメ特有の感動」もありえません。アニメを単なる「物語の容れ物」として扱う方法論から解放する、あるいは「アニメとは何か?」という正体をあらためて見すえるためにも、こうした試論は必要かなと思っています。お時間のある方は、ぜひご参加ください。

P.S.題名が間違っていたので修正しました。10/2 → 10/4(日) です。

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2009年9月11日 (金)

トップランナー「細田守監督」 は今夜!

9月11日(金)深夜0:10(24:10) NHK総合
アニメーション映画監督 細田守 0:10~

ときどきアニメ関係者の出る番組です。今夜はいよいよ細田守監督。
TVガイドによると『そんな細田さんは「人間のバイタリティーを描くのが僕の仕事」と言い切る』などとありますね。どんな話が出てくるのか、必見でしょう!
http://www.nhk.or.jp/tr/

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2009年9月10日 (木)

鳩山由紀夫、『サマーウォーズ』を鑑賞!

http://www.asahi.com/politics/update/0909/TKY200909090396.html

ちょっと意外でした。ですが、これでまた少し観客動員が伸びればとも。

細かいデータは持ち合わせてませんが、『サマーウォーズ』は普通の映画のように尻すぼみにならず、興収が伸び続けているはずです。たしか「初日2日間での興収予想」を見せてもらったときには、7位スタートで「8億円」と出てました。これは映画のプロが出したもので、過去の収益の推移のデータカーブからたてる予想なので、だいたいの映画はそのとおりになるそうです。
ところが『サマーウォーズ』は違ったんですね。それが何より嬉しいことです。今は10億円を突破してロングランにもなって、どこまで伸びるかというフェーズになってますし、何週目だったか、一回ベストテンの圏外に出て9位に戻ってきたりしているんです。

年初に協力を始めた当初も、コンテなどを見せてもらって、「これは劇場に来ていただければ、絶対に間違いないし、その初期の観客がまた新しい観客を連れてくるはず」と確信したんですね。それだけに、「誰も内容を知らないオリジナルの映画を、最初に観てくれるわけがない」という前提にたち、失礼ながら「あの『時かけ』の細田守監督が~」だけでお客さんが来ると思ったら大間違いですよ」みたいな話もしたと思います。だいたい公開規模がまるで違うわけですしね。ファンの評価と集客はまた別の話だし。
それで個人的に困ったのは、『サマーウォーズ』の映画の内容とか、良いところを手短にズバリ言えないようなところなんです。いやむしろ、その単純じゃないとこが良いところだったりする。でも、『時かけ』は「時間旅行可能となった女子高生がさあ大変」と20文字以内で言えるわけですよ(笑)。映画って梗概を名刺の裏に書けなければダメとかプロデューサー論で言われてるわけですよ(笑)。
などという中に「エヴァ・サマー計画」とかも位置づけられるわけで。結果的に両方とも予想を超えるヒットになって本当に良かったなあと。そして、その「良かったの連鎖」が実際に回りはじめて、願いどおり口コミでロングランになって、しかも「時の人」までその中に入ってくる。最後はさすがに予想外でしたが良かったなと。『サマーウォーズ』がコケたら、二度とフルオリジナルのアニメ映画がつくられなくなる可能性だってあると覚悟してましたから。

こういう「良かったの連鎖」を回すこと、その最初の滑車にどういう動力を与えて、どう回し始めるか。そうしたことは、いまのご時世、一番大事な仕事だと思ってます。そうした関わり方ができるのは、幸せなことですね。

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2009年9月 9日 (水)

999の日

09年9月9日ということで、百年に一度の「999の日」がやってまいりました。
今年は千年に一度の「009イヤー」ということで、なんともめでたいことです(笑)。

りんたろう監督の劇場版『銀河鉄道999』(79)は、アニメ史に残る傑作ですが、ちゃんと「999の日」にamazonから届きました。BD-BOXが。
単品でも出てますが、BOXを買った理由は特典についている「ドラマ編」です。
当時的にはビデオグラムがなかったので、各社からTVや映画の音声(セリフ入り)を抽出したサントラ盤が出てました。で、コロムビア方式は「ナレーション追加」「音楽やSEをステレオに差し替え」という「ドラマ編」だったんですが、それが「999」と「さよなら」の2枚組×2と同梱されているんですね。
さっそく見てみると、ジャケットも紙でミニチュアとして再生されたもので、なかなか満足感がありました。
そのころは「オリジナル」にこだわっていたので、どうも加工品のドラマ編は気に入らなかったんですけど。いまやブルーレイで、どうかするとオリジナルフィルムを映写する以上に美麗な映像が手に入るとなると、あらためてそっちの方が聞きたくなったという。
今後、単品で「ドラマ編」が復刻されることも、なかなかないと思いますので、思いきってBOXを買ったという次第です。
なんでBOXにためらいがあったかと言えば、98年公開の「銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー」もついてくるからですね。いや、これはこれでいいと思うんですが。「999」と「さよなら」の2本で完結するものがあるわけだから、ちょっと……と思った次第でした。
ちなみに解説書の類は見あたりませんでした。それもちょっと寂しい感じでしたね(DVD-BOXにはパンフレットの縮刷が同梱)。

画質ですが、まっさきにチェックしたのが先日物故された金田伊功さんが担当したシークエンス。惑星メーテル崩壊は、何度観たか分かりませんが、高画質で分かるその動きのシャープさ、フォルムの秀逸さにあらためて感じ入りました。

DVDのときは、メーテル引き上げるカットの鉄郎の顔が変な色していたりしたんですが、ブルーレイではきちんと直っているのも嬉しかったです。鉄郎の服のグリーン系がくっきり出ているのもいいですし、相当細かくカラー調整がなされているようですね。椋尾さんの美術の美しさにも息をのみます。何よりも宇宙に融け込んでいた999の黒っぽい色とトレス線が見えるのがいいです。DVDって、黒方向の再現性がイマイチだったので(すぐツブレる)。
だけど、ブラシの粉っぽい質感まで出てるんですよね(笑)。プロメシュームが鉄郎の首をしめるカットで、塗りのところと、手首の周りをブラシでぼかしてるとこと、くっきり分離してました。あと、けっこうセルの反射がよく見えるように。まあ、モニタの調整でなんとかなる範囲なんで、高品位はうれしいです。

ドラマ編が不要な方は、単品でもぜひ。お買い得です。

P.S.特典のドラマ編はアルバム用の新録音だそうで、そこがポイントというご指摘がありましたので、追記します。

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2009年9月 8日 (火)

リング・オブ・ガンダム

富野由悠季監督の最新作。約5分の30周年記念映像としてガンダム・エキスポで流れたフル3DCG作品です。Gyaoで配信が始まったそうです。もしかしたらMACで観られないなどあるかもしれませんが、リンクは以下です。
http://gyao.yahoo.co.jp/player/00762/v07933/v0793300000000524530/

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