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2008年12月

2008年12月31日 (水)

社会科見学なブックレット

生涯でもっとも驚いたTVアニメ第1話大賞(笑)に輝く『喰霊-零』の第1巻(限定版)が届きました。いや最初は「もうBD以外の新譜はやめよう」と思ってたんですが、amazonで品切れになるとやはり気になる。『かんなぎ』も同じような理由で買いましたが、今回もamazon再入荷を機にゲットです。ちょうどオンエアも終わり、リンクもすべて見えた記念ってこともありますし、お目当てはサントラ盤でもあります。BDになって添付するとも限らないし……と、まあそこら辺の理由もあってポチッとしたわけですが。

届いてまたビックリですよ! このブックレット!
なんと「ロケハンスチールブック」と称して、58Pのオールカラー解説書がついてるんですが、そのうち半分以上のページが外郭放水路のロケハン写真ですよ。
しかも広報資料かもしれませんが、内部図解とかシステム図などもあって、アニメ用に美術ボード化されたものも対比でついてます。

またやられた!

フィルムであれだけ驚かせておいて、商品もかよ!
確かに「あれはきちんとロケハンして調べてるとこが評価できるんですよね。だからダマされるわけなんですが」とは言いましたよ。だけど、ブックレットをそれで埋めますか!
このノーマーク作品に、われわれは、いったいどこまでヤラレるのでしょうか。
なんだか妙に楽しくなってきちゃいましたよ(笑)。

P.S.地上波は修正かかってて、AT-Xは無修正だったらしいんですが、切断・欠損系はニガテなので、そっちはあんまり楽しみじゃないです(苦笑)。

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2008年12月30日 (火)

コミックマーケット75、出展終了

おかげさまで冬のコミックマーケットも無事に出展終了することができました。寒い中、ブースに足を運んでいただいた方々、ありがとうございました。励みになるお言葉をかけていただいて、非常に感謝しております。
慌ただしい中、もしかしたらきちんとご挨拶をし損ねた方もいらっしゃるかもしれません。また、通例どおり14:30(おおむねこの辺で予定数の完売になる)を目処に引き上げましたので、以後に訪れた方もいらっしゃるかもしれません。申し訳ないですが、またぜひ来ていただければと思います。
初回(新刊)の数としても過去最高となりました。バックナンバーの方もVol.20、21ともに在庫切れとなりましたので、次回、もし受かればVol.22(08冬コミ本)+新刊(09夏コミ本)のみとなると思います。

今年も話題作が盛りだくさんの中、あっという間に過ぎていきましたが、来年も多くの出会いがあることと期待しております。不況など世情のこともありますので、悪いところを見ていけばキリのない年なのかもしれませんが、少しでも希望を広げていける活動ができればと思っております。
来年もよろしくお願いします。では、みなさんもよいお年をお迎えください。

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2008年12月28日 (日)

「アニメ文化通信」(文化放送)、動画つきに

うっかりして告知が遅れましたが、隔週レギュラーで出演しているデジタルラジオ番組「アニメ文化通信」が12/26更新分から動画がつくようになりました。
秒間10コマぐらいの動画です。

金曜日:20:00~21:00(隔週更新)
土曜日:10:00~11:00(リピート)

<視聴方法>
http://www.agqr.jp/
このサイトの左のバーから視聴できます。ストリーミングです(IE対応)。

番組によってはロゴ、あるいは外の映像ですが、「アニメ文化通信」では今回からスタジオ内部が流れることになりました。リピートは1/16-1/17まで続くはずです。
他の番組でも動画が流れ始めてますので、機会があればぜひお試しください。

映像が出ると言ってもテレビと同列というわけではなく、あくまでラジオ番組なんですよね。なので、どういう風に使っていくかは、スタッフともどもまだまだ模索中という感じです。
どうか暖かく見守ってください(笑)。

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2008年12月25日 (木)

08年冬のコミックマーケット、新刊

おかげさまで、新刊も本日、無事に刷り上がってきました。
あとは事故なく当日売るだけです。

なお、残念ながら一般向け通販などは行っていません。
バックナンバーはそのときどき見つかった在庫を販売するのみで、
今回は20号、21号の残部を些少持ちこむ予定です。

年末の大変な時期とは思いますが、ぜひとも起こしください。

よろしくお願いします。
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書名:ロトさんの本 Vol.22 「アニメとSFの親和性」
なぜアニメは面白いのか? その秘密に迫る
第47回日本SF大会「DAICON7」講演録より
      於:大阪府岸和田市浪切ホール
            2008年8月24日開催

販売日時・場所:12月30日(火)西 と-09a
サークル名:IRD工房
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『バビル2世』#37「謎のイプシロン星人」

本ブログ、直接紹介していない商品のamazon発注もときどきあります。ありがとうございます。それでなぜか『バビル2世』(東映動画版)のDVD-BOX発注がありまして、それをきっかけにふと思い出したのが表題です。
そういや1年ほど前に購入し、友人から教えてもらった第37話を観たら、なぜか『地球の静止する日』のパロディをやっていた上に、作画監督:荒木伸吾というゴージャス回で妙に盛り上がってしまったという(笑)。
このあたりは「北海道編」なので、「おお、サンボーオーイイ」な世界になっているんで、記憶に薄かったりしたんですが、ひさびさに観てコーフンしました。

全世界に空飛ぶ円盤が出現。中からイプシロン星人(自称)が出現するわけですが、それがまたどこが横山光輝キャラなのかさっぱり分からない、美しさ満載、生粋の荒木ビューティ! なわけですね。まるでノエル(ダンガードA)のような(笑)。しかも身体の線もろだしのボディスーツが悩ましい! トクサツだとラメのピカピカ衣装になりそうだけど、アニメはその点、いいですね。
で、戦車を破壊したり、壊れたタンカーとか補修してみせたりして、宇宙人の科学力を示しながら、世界の要人たちを抱き込んでいくわけですが。
もちろんバビル2世が怪しむ。その根拠は単なる妄想(笑)。
そして、イプシロン星人の声は小原乃梨子さん……。はかなげでノーブルなルビーナ声で結構ですなあ、なんていい調子で萌えてると、まあ見え見えなんで、モロにネタバレしますが、

然声が大塚周夫のヨミ様になる!

というわけで、美しいものに見とれていると、きっついトゲがあるというトラップ回なのでした(笑)。

まあしかし、あの方法で世界をあざむく技術があるならば、ヨミ様は事実上世界征服しているのでは? とか、いろいろとツッコミどころは満載ですが、すべてを作画とアクションと音楽によってさらりと流し、情感を盛り上げて楽しませてくれる。それはそれでパワフルなことなんだよなーと、妙に感心したりしました。

もちろんラストのしめくくりは、

♪じゃんじゃが じゃんじゃが じゃんじゃが じゃがじゃが
 じゃんじゃが じゃんじゃが じゃんじゃが じゃがじゃが
 じゃんじゃが じゃんじゃが じゃんじゃが じゃがじゃが
 じゃんっ!

 ……だ・だんっ!

と、これですべてを丸く収めてしまう。これぞ『バビル2世』の世界。
菊池俊輔氏のメロディーは、やっぱり素晴らしいですね。

それにしても「地球の静止する日」のパロディは、制作当時はホームビデオがありませんから、印象とかスチル写真だけで引用したんでしょうね。『ジャイアントロボ』経由で横山つながりと言えなくもないです(遠い)。

ということで、上記の感想は1年前に内輪向けに書いたもののリライトですが、そのときはまさか映画の新作で「地球が静止する日」をやったり、来年早々の仕事でGロボを再見することになったりするとは思わなかったなあ、という一種の予言的感慨にふけっているのでした。
改めてこのBOXは相当にお買い得ということで。全39話で16,000円くらいでしょ。みんなこれぐらいの廉価版で再発売してほしいものです。
(一部敬称略)

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2008年12月24日 (水)

J9シリーズ全部入りDVD-BOX!

amazonに「オススメ」をされて、思わずのけぞりました。
「J9シリーズ」、つまり「銀河旋風ブライガー」「銀河烈風バクシンガー」「銀河疾風サスライガー」の3作、全121話(!)が1つのBOXになって発売。19枚組、amazon限定だそうです。

「ブライガー」にはノースーパーのOP、EDが収録されていて、これは「BSアニメ夜話」の第1回目収録『銀河鉄道999』の金田伊功さん紹介時に使った映像と同じものです。
その他の121話を全部もう一度観るかと言われると正直、自分的には疑問なんですが、前から「カウボーイビバップ」のルーツじゃないかとか思っていたりするとこもある和製スペオペアニメの人気昨。キャラクターデザインは小松原一男さんでもあるので、気になる作品ではありますね。山本正之さんのロックもかっちょいいしなあ。でも「ブライガー」だけ持ってるしなあ(笑)。と、悩みはつきません。
それにしても、DVD-BOXも決算期っぽいのか、思わぬものがラインナップに乗るようになりましたね。3月期は要注意かもしれません。

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2008年12月18日 (木)

機動戦士Zガンダム メモリアルボックス Part.I

ブルーレイ版『機動戦士Zガンダム』。ようやく発売になります。
今回の解説書はオーソドックスなもので、メインは藤津亮太氏の構成。こちらはストーリー解説、コラムなどの分担です。
2001年のDVD、2005年の新訳劇場版と、『Zガンダム』についてはもろもろやってきたこともあり、今回、新規の取材は特にしていません。そのかわり初収録 のネタとして、

●安彦良和さんのキャラクター原案(ラフ稿)

がカラーで収録されています。マーカーで軽く着色されたカラー画稿で、前々からその存在は聞いていたのですが見たことはなく、興奮しました。ハマーン、シロッコまで初期段階に設定されていることも分かります。

映像や内容については、すでに店頭ではデモ映像が流れていますが、まずマスタリング技術の進歩で16mm原版にも関わらず、すさまじい高画質となっています。特に色味がセル画そのものになっているのに自分的には感激。
従来、ゼータと言えばなぜかくすんでいるという印象がありました。茶渋色、ベージュ色を上から軽く乗せたような色味で、黒の側の階調表現がシメられていたと思います。劇場版の旧作部もそんな感じでした。
ところが雑誌などに掲載されるセル画の色味って、ちょっと違うんです。もっともっと鮮やかなんです。特に機体のゼータガンダムの胸って群青色っぽいものではなく、けっこう抜けるような鮮やかな透明感のあるコバルトブルーです。
毎度毎度、ガンダムの胸の色の再現にばかりこだわってるようですが(苦笑)。まあそれがやはり自分のイメージどおりの色になってうれしかったんですよ。
歴代ガンダムは白にしても、それぞれ色味が違うんですが(RX-78はグリーンホワイトの一番明るい色とか)、その差も良くでていると思います。ゼータは少し紫っぽい。その絶妙な色合いになってます。

あとブルーレイの特徴として暗部の再現性が向上しているので、非常にいいです。ティターンズカラーのMK-IIとかサイコ・ガンダムとか、黒系のMSも「ここまで描きこんでたんだ」と良く見えます。設定上もゼータからMSの線が思いきり増えてるんですが、作画のアドリブで現場でもどんどん増やしているんですよね。それは模型雑誌とかの作例に負けまいとした当時の現場の空気なんでしょうね。
あとバーニアスラスターの細かい噴射による機体移動とか、さらに良く見えるようになりました。設定に線が増えた理由のひとつに、ノズルをきちんと配したことがあるわけで。それがより良く見える。
色味の気持ち良さ、ディテールは後半アイキャッチのコロニーの絶妙な緑色とか、エンディングでファが走り抜けると宇宙に鮮やかなガス色がついてるとか、初期オープニングでMk-IIが加速すると、背中のブラシの上に発光する粒子が青白い透過光で重なっているとか、「あれ?こんなんだったのか」という発見もいろいろあって楽しいです。

画質が変わっても内容的に変わるわけはないんですが、それでも妙に印象が変わって感じられる。特に前にTV版を見返した8年くらい前とのひとつ大きな違いは、やっぱり「新訳」が間にあったからでしょうね。
あれで見晴らしが良くなったというか。戦いの流れの中で誰が何を考えてどう動いているのか、今さらですがさらにまた見えるようになってきた。改めて「へえ」と思うところが多かったです。
もちろんこの作品なので、イヤな気分になるところか、「どうしてこうなっちゃうのかな……」的な気分が変わるわけではないんですけど、こちらのキャパシティ(容量)が変わったということなんでしょうね。
もうひとつ、この7~8年の間に、みんながゼータのことをどう思ってるかが良く分かりました(笑)。案外、当時オレが思ったことは異端じゃないじゃん、ということを了解しつつも、「なるほど、それでもそこがいいんだ」みたいな。受信アンテナに感度のたつとこが増えたという感じのことなのでしょう。
シャアが頭抱えちゃうとことか、前は「やめてくれー」だったんですが、今回、妙に許せちゃったりした。おそらくそのせいでしょうか(笑)。

まあ正直、23年も前のフィルムですから、鮮明になって「ありゃ」みたいなとこも少なくないですが(背景の折り目やセル傷が見えちゃうとか)。妙に感慨深く観られたという不思議な感じです。

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開田裕治作品集 UTOPIA

amazonでも予約中、上梓は来週早々だそうです。
秋にも銀座で個展を開いかれた開田さん、待望の画集になります。
怪獣、アニメ用のイラストに加えてオリジナルも多数収録。

収録作品は、全145点+表紙イラスト。

書影はこちらで。

http://home.att.ne.jp/green/kaida/

デジタル以前のものも画稿から取りこみ、場合によってはバージョンアップと気合いの入った画集になりそうです。また感想は手にとってから。とりあえず第一報ということで。

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2008年12月15日 (月)

地球の静止する日(ブルーレイ)

SF映画の古典です。
個人的には、

「DVDで買った」→「観ないうちに廉価版が出た」→「リマスター版が出た」

というヒサンな目にあった(笑)上に、今回さらにリメイク版に合わせてのブルーレイ化。
まあ、持ってるのでスルーしようかと思ったんですが、特典に「謎めく音色テルミン」というのがあって、さらに巨匠バーナード・ハーマンのミュージックトラックつきと書いてある。うー、原音どおりのサントラ、聞いてみたいな。それとモノクロのブルーレイがどんな感じなのか知りたかったので入手してみました。
結果はなかなか良かった。ハリウッドはすごいなと思ったのは、それこそ半世紀前に演奏に使ったテルミンが現存してるんですよ。購入は1930年代初頭というから、すごすぎ。真空管をどうやってメンテしてるのか謎ですが、新規に音楽家がライブパフォーマンスする映像も収録されてるんで、現役なんですよ。
テルミンは、ありとあらゆる電子楽器の先祖でして、SFとも密接な関係のあるものです。この映画が発端になって、一時期は「SF映画と言えばテルミン」になったくらいにもの。なんでも開発されたときの初演、第一次世界大戦のころですが、「精霊の声」だと思われて民衆がパニックになったということですね。確かに一種の声楽っぽい音でもあるし、未知の音、恐怖の音にも聞こえるということで、「宇宙の音」と言えばテルミン、ということになったわけです。
人体のもつ静電容量とアンテナとの距離のゆらぎを音に変える……という説明で合ってるのかな。つまり手を話したり近づけたり、ふらふらとさせると、「うぃうぃうぃ~~」と音階も変わるという。他の伝統的な楽器というのは、まず人体と楽器に物理的な接触があり、しかも楽器の方に機械、メカニズムがあるわけです。なので生理を音階に変えるというところに、なんてのか、ある種の限界があるというか、8音階に絞りこむコントロールみたいなものがある。そこで人工的になってしまう。
しかし、テルミンは身体の動きやらポーズやら、ある種の舞踏感覚みたいなものが、直接音になるというんで、非常に「ナマ」な感じ。演奏も全部スラーがついたかたちになるので、知ってる曲でも不思議な感じに聞こえるわけです。

というんで、奥の深い楽器としてSF大会でもよく演奏会をやってるし、開発の経緯とテルミンという人についても映画にもなってる。仕事仲間の腹巻猫さん(劇伴倶楽部)などは購入したくらいで、自分もちょっと興味津々でしたが、1年ぐらい前かな、「大人の科学」で付録にテルミンが!という話題が仲間うちであがったら、売り切れになってしばらく買えなかったですよ(笑)。まあ、入手後、忙しくて作ってませんが。と、amazon見たら製品版も売ってますね。うー、最初からこっちにすりゃ良かったのかな。

私もそう言えば、電話機のハードを設計してたとき、似たような現象に遭遇しましたね。ちょっとシールドが悪かったか何かで、人間の身体の何かを音として拾っちゃうんですよ。まあそれはエラーなんだけど、完全にコントロールされていない、「身体性のある音」というのは、ともかく印象深いです。それとSFを強く結びつけた1作ということで。キアヌ・リーブスのリメイク版でもテルミン使ってるのかなあ。

あと「白黒のブルーレイを確かめたい」と言った理由ですね。
かつてDVDの評価でですね、初期には「LDと比べて暗い方がよく見えない」というのがありました。特にホラー映画、怪獣映画もかな。再生ツールの問題もあり、最近のPC再生ソフトだとガンマ値までいじれるので、そんなにヒドイことにはならなくなってますが。
実を言うと、おそらくこれは白黒映画の方が厳しいと思うんです。というのは、RGBの24ビットデータというのは、16777216色(1千6百万色)なので非常に色数が多く表現力が豊かとされてます。だけどこれはRGBそれぞれを8ビットに割り当てたので、256×256×256という意味なんですよね。つまりアカからアカだけをとれば、階調はたった256しかない。
で、要するに白黒映画だと(0.0.0)(1.1.1)みたいなデータしかないので、暗いところから明るいところまで256階調しかないんですよ。で、カラー作品であれば足りない階調を色表現でなんとなく補完しちゃうんですが、白黒映画は本当に階調しかないんで、明暗だけが手がかりなんですよね。
ということで、ブルーレイは前から「解像度もだけど、真価を発揮するのは色数と階調、それに音」と言ってる流れ上、気になったということでした。結果はかなり満足。すごい質感が分かるというのは、階調表現が増したということでしょう。ただ暗部というかナイトシーンはもともとなのか、思ってたよりは黒っぽかったですね。全編通して観るのが楽しみです。 そういや原作小説も買って、どこかに置いたままだしなあ……。

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2008年12月10日 (水)

ウルトラシリーズDVD、1800円で続々リリース!

●ウルトラ1800
http://www.m-78.jp/ultra1800/

DVD時代のリマスターを先導していたデジタルウルトラプロジェクト。記事などでも何度も取りあげましたが、本当にすばらしい画質のパッケージが1800円の超廉価版でリリース!
DVDの初出からだいぶ時間が経過したので、新しい子どもたちもその分生まれているわけで。世代を超えてずっと継承されるという点でもうれしいです。
リリース方法は、ウルトラQを今月と来月に分けて全巻リリース。その後はまず「ウルトラマン」を2/18から「毎週水曜日」に発売し、それが終わったら5/13からは「ウルトラセブン」を「毎週水曜日」に出すという、これも画期的な方法ですね。
最近、ノートパソコン用の液晶とDVD再生ソフトがめざましく向上し、アップコンでもかなりきれいに観られるようになりました。そういうこともあって、ブルーレイ化だけがビデオグラムのトピックではないという点でも貴重ですね。いまでも仕事に疲れたときなど、引っ張り出してDVD観ますから。

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劇場映画「交響詩篇エウレカセブン」発表!

劇場映画「交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい」
2009年GW、公開決定!

http://www.eureka-prj.net/ 

ということで、来年にDVD-BOXとBD-BOXが出るので、なんとなく察していた方もいらっしゃるかもしれませんが、情報解禁となりました。
これで来年は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」「天元突破グレンラガン螺巌篇」「マクロスF」に加えて「エウレカセブン」と、ロボットアニメの劇場版が4本です。なかなか滅多にない年ですね。
TVシリーズ「エウレカセブン」はDVDブックレットの各話チェックポイントというところのお手伝いでした。個人的にも『ラーゼフォン多元変奏曲』以来、京田知己監督の映像は好きなので、いまから楽しみです。

しかし最初は「おっ、Blu-rayの方が安いじゃん」と思ったんですが、ハーフBOXでした(笑)。まあ、そりゃそうですよね。

P.S.TVアニメじゃないんでうっかり忘れてましたが、劇場版『装甲騎兵ボトムズ ペールゼンファイル』もありました。5本です!

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BSアニメ夜話 Vol.9 時をかける少女

NHK BS2「BSアニメ夜話」の書籍化もついに9冊目です。これはちょうど新作「サマーウォーズ」も発表になった細田守監督の「時をかける少女」の回で、四国は香川県の高松で収録。原作者の筒井康隆先生も出演という豪華なものになりました。加藤夏希さんとはこれが初だったのか、ちょっと緊張したような記憶があります。
この書籍化は番組でカットされたところが(ほぼ)完全再現されているのが大きな売りになっています。それで前の『鋼の錬金術師』のときもそうだったんですが、こういう公開収録のときって、スタジオのときよりかなり長く回してるんですね。現場で感動した筒井先生の「なぜカラオケのシーンを選んだか」という理由が再録されました。そこが必読です。

今回、あらためて見てみると「アニメマエストロ」の「影なし作画」の解説って、大前提の解説が放送だとすっぽり落ちてるんですよ(笑)。まあしょうがないんですが。テーブルの上に球が乗っているという前提で、アニメにおけるアウトライン(フォルム)とカゲ(マッス)がどういう関係にあるかを説明してます。いや「フォルムとマッス」という言葉は使ってませんが。実体がどう「線と塗り分け」で表現されているか、自分なりに整理したものです。
この図解は私が打ち合わせのときに、その場の思いつきでノートにラフを描き、スタッフに説明したものがベースになってます。教科書などの引き写しではありません。似たような絵があるかもしれないので、オリジナルと主張はしませんが、そういうわけでこれをそのまま引用すると、すぐ分かるという仕掛けになってます(笑)。いや、出典明記していただければ積極的に引用して欲しいくらいではあるのですが。

ともあれ、アニメーションの立体感とか質感とか、それが重層的になって実感に昇華していくということは、これはもう根幹ですから。どれだけ言葉を重ねて語っても、語り尽くせないものがあると思います。であるのに、いきなり「動きがいい」とか「作画がすばらしい」というとこに途中をぬいてすっ飛んでいったり、「カゲがないのは手抜きだ」とかいう激しい誤解があったり。やっぱり「語る言葉」が足りないんだと思うんですよね。ちなみにディズニーのフルアニメーションは基本的にカゲがありません。
まあ、そういうことに何か寄与できるといいかなあと。

番組で抜かした話としては、柔らかさの描写の説明に、「スカッシュ&ストレッチ」(ツブシとノバシ)の図があったかと思いますが、スペース的に入りませんでした。あと打ち合わせ時に気づいたんですが、自転車とかモップとかビーカーとか、カゲなし人物の触る「無生物で動くもの」にはカゲがあったりするんですよね。それと100%のカゲなしではなく、人物にも何カ所かカゲがついていたり、木漏れ日を表現したり、あるいは全体がカゲ(塗りの落とし)になったところもあります。気になった方はブルーレイででも研究してください(笑)。こないだあるリストを見たら、ブルーレイの年間売上げのベスト5か6に「時かけ」が入ってましたよ。私も切り出しフィルムがついているうちに、あわててゲットしました。

あとムック本の方では寄稿として「時かけ」とジュブナイルSFの関係について語ってます。
角川アニメの歴史という話もあったんですが、「幻魔大戦」とか往年の角川アニメとはちょっと違う気がしつつ、ただまったく違うわけでもないのはなぜだろう、みたいなことですね。作品論は論客がトークと追加取材でやってますし、自分でも何度か書いたから、そういう内容になりました。

まあこれで『時をかける少女』も一段落という気分です。とにもかくにも『サマーウォーズ』が楽しみです。

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2008年12月 8日 (月)

STUDIO VOICE 2009年 01月号『攻殻機動隊2.0』

寄稿題名:『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』「制約の向こう」を目ざす

ブルーレイ発売に合わせて押井守監督の話題作『攻殻2.0』について、その意味と位置づけをレビューしました。この作品はかなり縁の深くて、以下の仕事を今年してます。

 1)劇場パンフ原稿
  1.0の位置づけと2.0の挑戦みたいなお題でした。

 2)トルネードベース 押井監督インタビュー
  たった20分の取材でしたが、『スカイ・クロラ』、『攻殻2.0』ときて、そして「次は3Dかも」という挑発的な発言の真意を聞きだそうと試みました。

 3)Blu-ray用の解説書原稿
  「2.0を見てると1.0の方のすごさが改めて分かる」などとあちこちで言ってましたが、それが具体的に何かを説明してます。

 手描きアニメという「生身」に冷たいCGという「機械」を突っ込むこと、それ自体が「サイボーグ化」であって、義体と人間性について素子が劇中で言う言葉自体が「2.0的な話」の予言っぽく聞こえるということなんですが、これは2年前のSF大会で堺三保さんとやった企画「サイバーアニメ進化論」(個人誌「ロトさんの本」にも再録)で展開した話の延長になってます。
 「STUDIO VOICE」の原稿は、改めてその視座でこの一連の話を再構成したものです。見開き1ページですが、いま日本のアニメに何がすでに起きていて、これから何が起きようとしてるのか、気になってる方は目を通していただければと。

 商品は近々に発売。サントラもオーバーダビングし直して厚みを増したものを高音質の盤で出すそうです。それから『攻殻1.0』は前に出たDVDの同梱版と今回の初回限定版「1.0+2.0」BOXのみの収録で、単品で出るのは当面は『2.0』のみだそうです。あと、BOXの方につく添付の音盤は単品のサントラ音盤とは違うそうで、サントラの方にもBlu-rayがつくというややこしいことになってますが、サントラの方の映像はPVっぽいもので、要するにダブリはないと聞いてます。

 あと『攻殻2.0』の画質・音質については「ハイヴィ」の方でレビューしてます。17日発売の号じゃないかなと。

 余談ですが、STUDIO VOICのこの号は「いま遊びたいおもちゃ200」がメイン特集で、それもなかなか良かったです。ダイヤモンドゲーム、人生ゲームとか小学生のころよくやりました。あと90年代早々に知人と一時期、ボードゲームをやった時期があり、それも思い出します。写真見てるだけでいい気分ですね。

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2008年12月 7日 (日)

細田守監督最新作「サマーウォーズ」発表!

ついに発表になりました。2009年夏、夏と言えば細田守監督。
その名も「サマーウォーズ」! 

http://s-wars.jp/index.html

発表されたスタッフを見ても分かるとおり、キャラクターデザイン:貞本義行、脚本:奥寺佐渡子と『時をかける少女』のトリオふたたびです。原作はなく、完全オリジナル。

特報第1弾も今日から流れています。
「252-生存者あり-」で30秒間だそうです(劇場によるかもしれないので、やってなかったらすいません)。見せていただきましたが、「こ、これは!」ですよ(笑)。ラストのナレーションのことですが。暑い夏に熱い作品が!という期待感に今からドキドキですね。

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千年に1度の「009イヤー」

来年、2009年って『サイボーグ009』のイヤーなんだそうです。
言われるまで、正直まったく気づきませんでした(笑)。
杉並アニメーションミュージアムでも石ノ森章太郎先生の展示の中心が「サイボーグ009」であるほか、いろいろな催事があるかもしれません。
http://www.sam.or.jp/event.php
というわけで、年賀状のネタに困っている方はどうぞ「009」で。

『009』は最初の木村圭市郎作画、芹沢有吾演出の映画版について原稿執筆中です。子どものころリアルタイムで観たアニメ映画の1本です。あのアニメでしかできない(子どもにまねできない)「走り」にはあこがれました。一時期、廉価版になってましたが、終わっちゃったみたいですね。

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2008年12月 5日 (金)

隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS

樋口真嗣監督の最新作は時代劇。黒澤明監督の名作をリボーンした表題について、「特撮ニュータイプ」連載「特撮ディナーショー」で取りあげました。公開時にも話があったんですが、理由は忘れましたがかなわず、DVDのタイミングに合わせることができました。
この連載は特撮を扱う中でも、少しプロパー寄りとしてではなく、できればアニメや他の方向とも接点をと言われて始めたものなので、そういうニュアンスは今回出てるかと思います。
なお、この号から判型が変わりまして、「宇宙船」と同じA4サイズになりました。特別付録がついたほか、ちょっと価格設定が上がってます。紙面全体では来年の仮面ライダーの写真と情報、そして平成ライダーの10年がかなりのパートを占めてます。
「ケータイ捜査官7」の付録もちょっと嬉しい。あの作品、好きなんですよ。

「隠し砦の三悪人」はDVD特典映像も少し見せていただきましたが、オーディオコメンタリーではなくビジュアルコメンタリー、つまり主役2人と監督が画面を見て語る映像のコメンタリーがなかなか愉快でした。メイキングなども充実なので、発売が楽しみです。メインタイトルのCGが一種のネタバレになってるなんて、気づかなかったっすよ。オレの目も節穴ですねえ。

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2008年12月 4日 (木)

アニメージュオリジナル2号

3日に発売です。メイキング的記事を中心にしつつのアニメ雑誌。
連載「アニメを語る技術」のほか、1号では「亡年のザムド」のスタッフ対談の司会を担当(ライティングは別の方です)。2号では、この秋のイチオシということで「魍魎の匣」の監督・撮影監督・特殊効果の3方にお話をお聞きし、あの独特の雰囲気がどんな役割分担で仕上がっていくか、解析しました。今回は構成まで自分で担当しましたが、ひさびさにやりがいを感じました。

特に「小説の文体」に対置すべき「語り口」があるのだということ、この作品の場合は特にそこに「美意識」があって、それで成立するものがあるんだという、そうしたところに迫れたのは個人的にも良かったです。

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2008年12月 3日 (水)

『電脳コイル』日本SF大賞受賞!

第29回日本SF大賞
『新世界より』貴志祐介
『電脳コイル』(TVアニメ)磯光雄原作・監督
特別賞 野田昌宏

先ほど第一報が入ってきました。
候補として推薦した一人として、ファンの一人としてうれしいです。
おめでとうございます。

SFに関する賞は夏にSFファンの選ぶ「星雲賞」もとってますが、これでダブル受賞ですね。

つい先ごろ、「BSアニメ夜話」で扱ったばかりですが、「原作」に相当する企画書を見て、「これはやっぱりSFとして優れている」と思いを新たにしたばかりでした。小説ならともかく、制作に時間のかかるアニメで時代によりそうSFは難しいとずっと思っていたのですが、この作品のネットのとらえ方、それと子どもの関わり、人間とサイバースペースのあり方との関係性など、腑に落ちることばかりだし、理詰めでできた世界観構築を、すっとビジュアルに落とし込んでいるところが、まさにアニメでなければできないSF。
選考委員の総評は追って公開されると思いますが、同じ思いが伝わっているといいなと思います。そして、アニメ用のオリジナルでこうした事例が出ることそれ自体がうれしいです。

なお、出版された「企画書」は以下で、これまたものすごい読みごたえのある一冊です。設定的にも「そうだったのか」感も多い。最大のオドロキは「コイル」というキャラがいることですが。作品のファンは損のない一冊です。

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