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2008年4月10日 (木)

ヱヴァンゲリヲン新劇場版 : 序 全記録全集

 アマゾンでは「PCソフト」のところで受付が始まっています。
 ということで、実は先週末に氷川の作業は終わっています。正式な発売日などのアナウンスは公式ブログ公式HP等、そちらをご参照ください。

 問題の総文字数です。昨年秋のパンフレットが2万2千文字(400字原稿用紙55枚)ということで話題にしました。そのときの取材内容を母体にしつつも、「完全版」に迫るべく庵野秀明総監督含め、メインスタッフの大半にお話をうかがった結果の今回のインタビューの総量は、なんと30万文字を超えたと思います。原稿用紙換算で750枚、文庫本換算で600ページを超えているはずです。ちょっとアバウトな書き方になっているのは、脚注などの文字量を含んでいないからでして。それを入れると、もっとすごい数字になるはずですが、とても怖くてカウントできません(苦笑)。
 作業途中で概算を出したときには、よくこんな話をしてました。

 「原稿用紙600枚以上。この数字には聞き覚えがあります。福井晴敏さんの半生をインタビューしたとき、乱歩賞応募作『川の深さは』が550枚と聞いたので、あれより分厚いわけですよ。ははは(乾いた笑い)」

 この本は出版社の企画ではなく、制作スタジオ自らが記録に残すという独自企画で、それは書名に現れているわけですが、内容もそれに応じたものになっていったということですね。で、監督助手にしてカラーの編集長・轟木さんの「これは面白い、もっと読みたい」というお言葉に甘えて、とにかく自分が面白い、意味があると思ったことはほとんど入れると。基本的にどんな取材仕事でも「ああ、これはカットしなきゃいけないのか」という部分を残すものですが、この本に限ってはそういう手加減した部分はほとんどないです。その結果、以前アナウンスされた総ページ数よりはるかに多くなっているはずです。
 単に多いというだけでなくて、校正時に読み返していたら、驚き・納得・笑い・涙などなど、さまざまな感情がこみあげてきて、何ともいえない気分になりました。「ああ、俺はアニメが好きなんだ、好きでアニメをつくってる人も好きなんだ」みたいな、ちょっと純な気持ちというか。結局、この映画は「エヴァだからすごい」わけじゃなくて、「すごい人たちがすごく努力したから、さらにすごい作品ができた」ということなんですよね。私にしても別にエヴァだからって付き合ってたわけじゃないですからね。すごいアニメが誕生する瞬間だから立ち会いたかったということで。
 そういうわけで「読み応え」という言葉もスケール的になんだか似つかわしくないような、モンスター級の本になっています。「アニメが好き」とか「アニメをつくるって何だろう」とか、一瞬でも考えたことのある方、特に若い方にはなんとしてでも読んでいただきたいなと。
 さらに次の『破』でまた新たな、さらに高いハードルに向かおうとしている「心意気」に関しても強く焼きついてますので、アニメによらず、何かしら「ものづくり」をしてる人には、心の栄養剤にもなるのではないでしょうか。

 それで、これと平行してDVD用ブックレットの仕事もさせていただきました。映像特典の解説が主ですが、この特典がまた壮絶な内容なんですよね。

 ・Rebuild of EVANGELION:1.01

 いわゆる「メイキング映像」なんですが、人間はいっさい映ってません。また、「言葉の説明」もいっさいありません。でも、メイキングなんです。観てるだけでも、本気で感動します。「ああ、これがこうなってああなるのか。だからか」みたいな納得感満載です。
 それで、どうしても言葉の補足が必要な場合、パンフないし全記録全集の取材を読んでいただければ、「あっ、これがそのプロセス映像だったのか」と腑に落ちる仕掛けです。取材とこの映像は特に連動はとっていないんですが、当事者の私が驚くようなシンクロ率です。最初に見たときは震えが来ました。編集やマルチ画面で見せる技術もすばらしいです。

・Explanation of EVANGELION:1.01

 これは公式ブログに書いてのとおりの内容で、映画内で初めて登場してくる場所、人名、役職、兵器型式などの字幕を全尺にわたってつけたものなんですが。完成したのを見ると、これがまた何とも言えない感興がわいてくるという。「え?そういうこと」みたいな驚きもけっこうあるはずですし、一部ツッコミたくなるような、笑いを誘うようなものもあります。あんまり詳しく言うとつまらなくなるので、お楽しみにということで。
 この映像についても、「全記録全集」と連動していると言えば言えると思います。自分で照合したわけじゃないですが、テロップでメカやアイテムの名前を確認して、本のほうで「どんな形状してるのかな」と探せば、ほとんど分かるはずです。設定パートは、最初の構成時に少し意見出しただけで取材パートに注力してたので、自分でも楽しみです。

 というわけで、今回参加して思ったことです。
 映画は映画館で非常に楽しかったわけですが、パッケージになったときには、「まだまだここまで楽しめる」ということなんですよね。それは「エヴァ」で重要なキーワード「サービス精神」の発露だと思うんです。究極のアフターサービス、アフターケアだと思います。
 それは今回の「新劇場版」が自主製作、自社スタジオ、自社配給などなど、すべて「アニメをつくる側でやる」ということに連動してるし、一環してるという風にとらえています。逆に言えば、これまでなぜここまでのレベルのサービスなり商品なりができてなかったかと、そういうこともちょっと考えさせられました。
 そういうわけで、参加させていただいて、(正直、壮絶なパワーが必要でしたが)楽しくも、ありがたい仕事でした。ぜひみなさんも、お楽しみいただければと。

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