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2008年3月

2008年3月29日 (土)

R3 1/100 ウォーカーギャリア

●R3 1/100 ウォーカーギャリア(戦闘メカ ザブングル)
 バンダイのプラモデル用解説書を担当させていただきました。
 4月12日の発売予定です。
 2002~2003年ぐらいではないかと思いますが、前に一連のプラモデル解説書を担当してから、ひさびさにお声かけがあって嬉しかったです。あさのまさひこさんのご指名らしく、感謝です。
 前のプラモのインストは無記名原稿で、作品解説とシチュエーションの説明みたいな感じでしたが、今回はメカ、キャラ解説に加えて署名原稿でと言われて、少し驚きながらも書くべきことを書いたという感じです。やっぱりプラモを作っておしまい、ではなく、プラモを通じて作品にも再び一種の精神的な「回路」を接続して欲しいなあと思うわけで。あさのさんサイドで予定されていたという題名が後でハマったら、何かそれ見て書いたような原稿になってたので、ゲラを読んで思わず笑いました(ゲラを読んでゲラゲラ笑うというのは筒井康隆の「乱丁文学大事典」だね)。まあ、呼吸が合ってたということで、ありがたいことです。
 1/100ギャリアは2号メカのハシリですが、年々新しい作品がラインとして目白押しだった時代の宿命というかで、当時、出ないまま次の作品(ダンバイン)に行っちゃったんですね。そのリベンジってことがあるようで、以下のブログにその熱い経緯が記されています。実を言うと、割と軽い気持ちで引き受けた後でブログの存在に気がついて、改めて気合いを入れなおした次第です。
http://bandai-hobby.net/hobbyblog/gallia/

 これも無記名なのであまり知られてないかもしれませんが、『戦闘メカ ザブングル』はオンエア中の音楽集アルバムの構成、タイトリングを担当させていただきまして、まあそういう点でも格別の思い入れはあります。ズバリ「ウォーカーギャリア」と名づけた曲もあったんじゃないかなあ。また四半世紀以上が過ぎて、関わることができてありがたいです。
 ひさびさに見返してみて、作品も非常に面白かったです。こういう勢いのある作品が、模型という形でその当時の情熱を何十年も伝えているということ、それ自体が奇跡的にも感じます。その熱気は、また必要とされているということなんでしょうね。

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2008年3月21日 (金)

天元突破グレンラガン [最終発掘完了編]

●天元突破グレンラガン [基礎工事編]
●天元突破グレンラガン [最終発掘完了編] FINAL DRILL


 アンダーセル大塚ギチ氏のくり出す熱血パンチというか、作品が熱ければムックも熱いぜ、この値段でこの厚い本! みたいな後編が届きました。ってんで、前編後編合わせてご紹介。いやまあ、前編があると知らずに買った方とかいらっしゃるようなので。
 小生は「基礎工事編」では巻頭言っぽいものを、あと両方とも何話分か作品解説を書かせていただきました。最終回は全レビュアーの総登場という構成が良かったです。
 巻頭言については、もうそのとき感じたありのままを。普通の文章の書き方を捨ててます。あと肩書きも捨てた。そういうこともあるわけです。まず形から入るのも大事ですが、それがすべてではないってことです。
 あとは同業者としてこの本に思うことは「無茶するなー」ということでして、2000円行っていないのに、このカラーページ数、この図版数、この取材数、この文字数と、いやあの世の中にはコスト計算ってのが一応ありましてね……という気持ちが、お題が『グレンラガン』なんで妙に浮いてくるという、そういう不思議な本です(笑)。
 それにしても、この『グレンラガン』という作品、俺が面白いと思うのはそりゃ当たり前だけど、あとは世間ときちんとリンクしてヒットするかというあたり、まるで読めませんでした。ですが、見事に売れてほっとするやら何やらで。しかも、こういう副読本もあって、まだまだ楽しめそうです。

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2008年3月17日 (月)

『BSアニメ夜話』は今週です

氷川は水、木の「アニメマエストロコーナー」に出演します。火曜日は「今日からマ王」です。

※追記注:深夜のため、ここで言う「火曜日=月曜の深夜」です。

非常に思い入れの深い2作品でした。どちらも収録時には「トーク側に来たかったんじゃないの」と、出演者の方(別々)から図星を指されました(笑)。

3月19日(水) 午前0:00~0:55(18日深夜)
第2夜『トップをねらえ!』

【出演】岡田斗司夫,田中公平,佐藤大,アメリカザリガニ,氷川竜介

3月20日(木) 午前0:00~0:55(19日深夜)
第3夜『伝説巨神イデオン』

~新潟市民芸術文化会館で録画~
【出演】岡田斗司夫,福井晴敏,麻上洋子,湖川友謙,松崎健一,氷川竜介

●番組ホームページ
http://www.nhk.or.jp/animeyawa/

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2008年3月13日 (木)

3/19は川井憲次祭り

映画音楽にはたまらない愛着のある自分ですが、サントラ盤を集めまくる作曲家の一人が川井憲次さん。先頃のコンサートがDVD化され、そしてベスト盤が3枚組み新セレクション+リマスター+SACDのハイブリッドということで、いよいよ発売が迫ってきました。押井守監督の新作「スカイ・クロラ」の先行DVDも同じ発売日。まとめて届くのが今から楽しみです。

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2008年3月12日 (水)

3/14「おもいッきりイイテレビ」出演

14日の金曜日に「おもいッきりイイテレビ」の「今日は何の日」コーナーにVTR出演します。収録は先週済んでます。たぶん、ほんの一瞬だと思いますが、見られる方、よろしくお願いします。

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2008年3月 6日 (木)

「『アニメック』を生んだ時代」後編

http://www.dot-anime.com/tb/animec_sp/latter.html

 トルネードベースの座談会企画「『アニメック』を生んだ時代」の後編が掲載されました。小牧雅伸さん(当時の編集長)、出渕裕さん(デザイナー、監督)との座談会です。っていうか、このメンツだと『宇宙戦艦ヤマト』ファンクラブの同窓会なんですよね。

 構成は藤津亮太氏。まあ飲み屋話ではあるのですが、思い出話に終始しないよう、あくまでも「いまから未来へどうするか」という視点は気をつけたつもりです。

 30周年の一環ではあるんですが、結局、別に評論家という仕事があるからその職に就いたわけじゃなくて、「アニメの仕事」でやり足りていない部分がまだまだあって、それをやる適切な手段として文章書きがあるのではないかと、そういう関係にあるわけです。そのための分類が、いま落とし込むのだとしたら、たまたま評論と呼ばれるのかもしれないなという程度の意識です。それは往事の話を思い出してて、もともとそうだったということを改めて確認しました。

 「アニメック」という雑誌には、実はそんなに参加していないんですが、あれが評論誌と言われがちなのに、誌面を見ると案外、真っ正面からの評論というのは意外に少なめに思いました(主観だから違ってたらすいません)。結局、キャプションとかリードとかに編集子の主観がガンガン入っていたから、そういう印象を残したのだろうかと、そんな話も象徴的でした。

 そこら辺とも自分の「いまやってること」と意識と価値観はずっと底でつながっているわけですし、それはちょっと嬉しかったなあ。まあ、そういう部分はこの年になったからには、死ぬまで同じだろうと思います。それはもう、Way of Lifeなのですから。

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2008年3月 4日 (火)

今 敏監督展覧会と「パーフェクトブルー」

 数日間ぶっ倒れてて(レトリックじゃなく本当に高熱で伏せってて)紹介が遅れました。

寄稿題名:アニメーションだけが可能とする逆転のトリックの正体

 今 敏監督には『千年女優』のときからご縁があり、以後『東京ゴッドファーザーズ』、『パプリカ』と3作続けてプレスand/orパンフ、そしてDVD特典の絵コンテ本と担当させていただきました。「アニメーションとは何か」ということについて、根源的に掘り下げて考えている方がどれくらいいらっしゃるか分からないんですが、そこに興味ある自分としては、必ずお付き合いするたびに刺激的なある手がかりをいただけるので、非常に貴重です。
 そもそも監督の作品に興味をもつきっかけにもなったのが、監督第1作の『パーフェクトブルー』なわけで、これは渋谷の単館で見てものすごく興奮したのをよく覚えてます。確かその年の総括を文章化するときに、「アニメーションの自分探しではないか」というようなコメントもつけて特別視した気もします。
 で、この作品だけはすでに商品化済みでもあって、絵コンテは一部が「パーフェクトブルー戦記」(KON’S TONE―「千年女優」への道 に収録)と商品に掲載されてるだけ。「ああ、読んでみたいなあ、絵コンテ本に参加できてりゃコンプリートだなあ」、なんて大変に失礼な(ごめんなさいね)コトを思っていたわけです。ちょうど一昨年の『パプリカ』に合わせて全監督作品の解説をプラスマッドハウス 1 (1) (キネ旬ムック) でやるという機会もあって、よけいそんなことを思ってました。
 ところが良くしたもんで、そういう願望を強く放っていれば、なぜかそういう仕事が降ってくるわけですね。というわけでリマスターされ、BD版も同時発売、初回限定版には絵コンテつきの『パーフェクトブルー』が出ました。

 それで引き受けてすぐに気がついたんですが、あっ、これは「あのこと」を書ける二度とないかもしれないチャンスだと。この作品、出血量がすごいので決して万人向けではないんですが、一方で非常にプッシュしがいもあるわけですよ。ところが、それが「なぜなのか」を説明すると、いわゆるネタバレになるという困ったところがあるわけです。
 「あのこと」ってのはつまり「実写でいいじゃん」という意見に対するカウンターとなる仕掛けのことですね。初出からずいぶん経ってるのでもう構わないという意見もあるんですが、いつぞや「アニメ夜話」でどうかという話が出たときも、作品の質・内容としては取り上げるべきだけど「あのこと」にどう触れるのか、まあ作品知らない人が見る番組じゃないですけど(笑)、それでも気にするわけですよ。あの「やられた!」感を覚えた人間としては。
 って、まあここに書いてあることだけで充分ネタバレっぽいわけですが、そういうわけで「DVDに同梱されていることで意味のある論」としての解説を書きました。
 最初(前世紀ね)は、それでもクライマックスを彩るテクニックぐらいに考えてたわけですよ。ところが以後の数作品を重ねてみると、最初から自分は「そこ」に驚いてたわけじゃんと。そして他の作品の「手続き」とも照合してみると、アニメーションってやっぱりそういうことだよな、と。けっこう自分が何考えてるか再確認もできて、ありがたかったです。あとは外していないといいなあと願うだけです。
 ちなみにこの「手続き」は、論中では「プロトコル」という概念で説明してます。このことは、いずれじっくりと再考するつもりです。

 今 敏監督はただいま新宿で個展を開催中ということで、ご案内もいただいております。最後にご案内を転記させていただきます。ひっくり返っている間に始まってしまったので、ちょっと焦ってます。ごめんなさい。

●パーフェクトブルー(Blu-Ray) 【初回限定版】

●パーフェクトブルー(DVD) 【初回限定版】

※ジャケット写真が載ってませんが、これがまたちょっとしたトリックの仕掛けられたジャケットだったりして……。もしかしたら、そのためかもしれません。説明しにくいんで、手にとって驚いてください。

《イベント情報》
今 敏監督展覧会「十年の土産」

3.1(土)~3.12(水)
12:00~20:00
※初日は18時まで
※3.8(土)~3.12(水)はトークイベントあり【19時スタート】
新宿眼科画廊 http://www.gankagarou.com/
〒160-0022
東京都新宿区新宿5-18-11
TEL 03-5285-8822
新宿東口から徒歩10分

※詳報はウェブサイト(http://konstone.s-kon.net/)で随時更新予定。
※会期中、同ギャラリーにおいて『パーフェクトブルー』リニューアル版始め、過去タイトルのDVDや今 敏関連書籍、展示物の一部の販売も行います。お買い上げいただいた方には、ご希望があれば今 敏直筆サインをお入れする他、一部商品にはこの会場だけの「特典」を進呈いたします(「特典」はなくなり次第終了)。

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