asahi.com アニマゲ丼
●asahi.com 小原篤のアニマゲ丼
さらば読売オタク記者仲間
http://www.asahi.com/culture/animagedon/TKY200711290151.html
なぜか? 氷川の名前が出てる記事です。
補足すると、朝日新聞の小原さんと読売新聞の福田さんと言えば、すでにそれぞれオタク記者として有名だったので、てっきり互いに知り合いだと思いこんでたんですね。
「今度の○○監督の新作、読売さんには負けませんよ!」
「何いってんですか、朝日さん。スクープならこっちのもんですよ!」
なんていう、60年代的なマスコミ記者クラブ的な関係になっているものかと(笑)。
意外にも知り合いではないってコトで、僭越ながらご紹介……みたいな局面でした。本当に「たまたま」の意識なんですけど、ちょうどこの記事にも登場する小川びいさんがお近くにいて目撃されてしまい、「ああっ!歴史的瞬間がっ!」みたいな反応があったように思うんですが、内心では「それってどうなのよ……」みたいな(苦笑)。
ちなみに小原さんは私の単行本でもネタにさせていただいた、1998年だったか朝日新聞(夕刊・名古屋)の一面に私の名前を載せていただいた方なんですが、あのときの取材ではてっきり文化欄だと思いこんでたので、「大悪事でもしない限り、二度とここに出ることはあるまい」と汗をかいたものでした。その時点ですさまじい「ご縁」が始まったわけですが、人生は不思議なものです。
んで、このasahi.comの記事に戻りますと、まだ不思議なご縁があるんですね。この『プラネテス』の試写会にお招きいただいたのが、NHKのUプロデューサーというのが、やっぱり何かの「縁のもの」だと思うんです。当時はNHKエンタープライズ所属だったのかな。NHK、朝日新聞、読売新聞のグランドクロス的な局面ってのが、自分的にちょっとすごい瞬間だったのかな、みたいな。
ちょうどこのころだったと思うんですが、あんまり詳しく説明はできないですけど、「きっと氷川さんも数年後に、ああこれがあのときの成果かと思うに違いないですよ」なんてUさんに言われた仕事をさせていただいた年じゃないかと思うんですよ。もちろんその言葉は真に受けて一所懸命やりつつ、もちろん話半分に聞いてたわけですが(笑)。すんません、だいたいいつもそういうスタンスなんで。
ところが、それはそれで4年経ってまさかの「ホントのこと」になるわけです。直接の関係はなくても、まさにあのとき思い描いたような、いや、思い描いたのとは違うけど、もっともっとある種の理想的なかたちで。あれだけの犠牲を払った価値はあったと。ともかく、仕事ってのは自分のとこに来ただけで「縁」がある。それをやれるときに一個一個やるしかないんだっていうことは身にしみました。今年、『精霊の守り人』や『電脳コイル』では大いに泣かせていただきましたが、やっぱりそれは密やかなる自分へのご褒美だなとオレ的には思うわけですよ。ええ、誇りに思いますよ、実際に。
そういう経験を積んでいるので、すべて自分に関係があるんだという点でも、作品との距離はやっぱり本来的には、既成概念的な「評論家」、突き放したようなものとはちょいと違うんですよね。名前を売ることだけが目的じゃないわけですから、まあそんな名前の出ない(だけどとても重要な)仕事もやってるわけです。
まあ、そんなこんなで、アニメに関係していなければ一生涯絶対に「ありえない」ような「ご縁」があるわけですが、「ありがたい(有り難い)」という言葉の重みが、歳とともに臓腑に落ちるような思いとともに、この日のことは私にも記憶されております。
福田さん、送別会には行けませんでしたが、新天地でのご活躍をお祈りいたしております。そして、よろしければ「ご縁」の継続を……。
| 固定リンク