« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »

2007年8月

2007年8月29日 (水)

ラジオ出演9/1「アニスパ! ヱヴァンゲリヲン新劇場版特集」

9月1日(土)は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の初日です。
その熱気をそのままに、当日21時から文化放送の生放送ラジオ番組「A&G!アニスパ」では新劇場版の特集を。メインゲストは碇シンジ役の緒方恵美さん。氷川もゲスト出演します。
以前この番組には季節レギュラー(?)みたいに、春夏秋冬・新番組時にコメンテイターとして出てたんですが、アニメ新番組といってもCSやU局展開など多彩になり過ぎで、共時性がなくなってきたということで、だいぶ前に「お休み」という連絡をいただき、今日に至ってます。
久しぶりの出演になりますね。受信可能な方、興味があれば聞いてください。

http://www.agqr.jp/modules/news2/article.php?storyid=173

あと、文化放送関係ではデジタルラジオ放送用の新番組出現の話が進んでおり、これも近々収録予定です。こちらも予定が分かり次第、お知らせしたいと思います。

| | トラックバック (1)

2007年8月27日 (月)

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版1.0:序』初号完成!

 いよいよ公開が9月1日に迫ってきました。
 本日、都内某所で初号完成のスタッフ試写会がありました。
 この映画ではチラシ、プレス、パンフなどをお手伝いし、「宣伝協力」としてクレジットもされてますので、一足お先に拝見することができました。
 大丈夫です、完成してます。もちろんフィルムを流用した総集編ではありません。
 REBUILDとは、事実上の《完全新作》です

 映画の内容は圧巻でした。
 これは仕事をもっている「大人」と、これから世に出るすべての「少年」の両方に観てほしい映画です。思わず涙がにじみました。
 映画体験で最高のものは、外に出たときに「見慣れた風景が違って見える」というのが持論ですが、ひさびさにそれが実感できました。近くにそびえる高層マンション群も、建設用クレーンも、街頭の光も、河面にきらめく光も……。
 そしてこの映画は、まさに「序」。なぜだか理由は言えませんが、最後の最後まで席を立たなかった方とは、その気持ちが必ず共有できることと思います。

 「完全新作」の「完全」という定義の厳密性を突っこまれると、「序」に関しては物語の骨格、作画やレイアウトの多くは確かにテレビシリーズを継承してはいるのですが……。ファーストカットから観て驚け、というか、ともかく何によらず別ものに見えるわけです。手を入れていないカットは存在せず、その印象があまりにも違うという点だけでも、「完全新作」と言って良いと思ってます(注:あくまで個人的見解)。
 しかし、言葉とは不充分なものだな……と思うのは、「完全に新作であっては意味がない」。実はそういう作りにもなってるんですね。ともかく最後の最後まで、驚きがギッシリ。構造論的にも「完全新作」でいいんじゃないの、これなら? と、思っている次第です。間違いなく2007年の最新アニメです。

 という具合に、是非を含めての論議を必ず呼ぶであろう「REBUILD」。
 いったい何がどうなってるのか? どうやったのか?
 その「謎解き」を、この夏、全勢力を傾けてやりました。私の方の、この映画に関するミッション、劇場売りのパンフレットも、ひと足お先に作業完しています。スタッフのべ14名の取材により立体構成。つまり「○○パートは○○さんにお話をうかがいました」という形式ではなく、全体を一連のドキュメンタリー仕立てにしてます。途中何度も「映画の編集してるみたいだなー」と思いました。
 総文字数も、なんと2万2千文字(400文字づめ換算55枚)。ちょっとした短編小説並みです。技術的にも思想的にも、経緯的にも、かなり突っこんで話をうかがってます。過去の事例からしても、ここまで「副読本」として成立するパンフも珍しいはずで、やりがいのある大仕事になりました。

 映画を鑑賞し終わって何か琴線に触れるものを感じられた方は、ぜひ目を通してください。そして若い読者に「アニメって、いいなあ」と思っていただけたら。さらに、その中のほんの数%でもいいので、将来の作り手になっていただけたら、これにまさる喜びはありません。
 ちょうど良かったです、まさしくそういう「継承のための仕事」をしたいと思ってたところなので……。関係各位に多大なる感謝を捧げます。

P.S.発売中の「コンティニューvol.35」(太田出版)にも『エヴァンゲリオン』関係の記事を書いてます。「『エヴァ』の映像のルールに潜む「本当の謎」」という題名で、主としてTVシリーズの話ですが、実はパンフと同時期の仕事なので相互関連もつけています。つまりこれを念頭においてパンフを見ると、もうひとつベールがめくれるみたいな。ご興味のある向きは、ぜひとも。

| | トラックバック (13)

2007年8月17日 (金)

夏のコミケ本「30年目の氷川竜介」

 無事に刷り上がってます。あとは搬入を待つばかりです。

07comik_sum・19日(日) 東ポ32a サークル名「IRD工房」
 (評論のコーナーです)

・新刊「ロトさんの本19 30年目の氷川竜介」 500円
 内容は、SFオンラインで取材を受けたものの再録のほか、
 「評論活動をすること」それ自体について考察し、述べた
 mixiやネット上の発言を再編集したものです。
 全体として節目に際しての決意表明になるよう編纂してます。



【バックナンバー販売について】
 お問い合わせが何件かあったので、対応について述べておきます。
 これから倉庫を探し、もし見つかれば持っていくという感じなので、詳細は未定です。厳密な在庫管理はしていないので、申し訳ないです。前々回の17(サイバーアニメ進化論:800円)は多めに刷ったので、まだあったはずです。が、こないだのロフトでも売ってしまったので、そんなに潤沢にはないでしょう。前回の18は完売に近かったので、多分ないはずです。というか、うっかり売り過ぎて青くなったような記憶が。あっても微量ですね。16以前はほとんどないはずですが、もし見つかったら持っていきます。
 数年前までは在庫が少しずつ繰り延べになって、妙に品数が多かったり、ほぼ全部入りセット販売などもできたんですが、最近は新刊を刷れるだけ刷って売り切ってそこでおしまい、運が良ければ次回以後も出てくるという感じです。
 何しろ零細というか、50部単位で発注できないので、+100部すると多すぎて余らせてしまう程度の部数ですし、記念行事的&近況報告的にやっているので、基本は「お祭りのその場のもの」という認識です。そういう趣旨もあって、申し訳ありませんが通信販売などの対応はやってません。たまにイベント等で売ることもありますが、確実に手に入れる方法は、恐縮ですが来ていただいて新刊として購入していただくということになります。

 大変に暑くなっておりますので、熱中症などお気をつけてお越しください。

| | トラックバック (0)

2007年8月11日 (土)

「とことん押井守」アニメ夜話 生放送出演

アニメギガSP「とことん押井守」アニメ夜話 生放送

 今夜のことになってしまいましたが、以下の生放送に出演します。
 (★のついた部分、合計3箇所)
 深夜から未明の放送ではありますが、よろしかったら夏休みの余興に?
 ぜひご覧ください。
 「アニメマエストロ」のコーナーではなく、視聴者感想を交えての
 ゆったりしたトークに参加、という雰囲気になると思います。

 「うる星2」直前のトークは、割りと秘話が飛び出しそうです。
 個人的にも楽しみ(西村純二氏は当時の現場の演出)

 なお、生放送なので時間枠や内容に突然の変更があった際は
 ご容赦を……。

☆生放送で『アニメ夜話』
 22:00 - 23:00
 『ビューティフル・ドリーマー』を約1時間語りつくしたあと、
  本編を放送。
 司会:里匠アナウンサー・加藤夏希
 ゲスト:宮崎哲哉・アメリカザリガニ・岡田斗司夫
 SPゲスト:平野文・西村純二

○『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』
 23:00 - 00:36

★生放送!アニメ夜話『延長戦』1
 00:36 - 00:55
 ゲスト:平野文・岡田斗司夫・氷川竜介

○『アヴァロン』
 00:55 - 02:41

○『押井監督、自作を語る』
 02:41 - 02:51

★生放送!アニメ夜話『延長戦』2
 02:51 - 03:00
 ゲスト:岡田斗司夫・氷川竜介

○『イノセンス』
 03:00 - 04:39

○『押井監督、自作を語る』
 04:39 - 04:49

★生放送!アニメ夜話 エンディング
 04:49 - 05:00
 ゲスト:岡田斗司夫・氷川竜介

| | トラックバック (0)

2007年8月 8日 (水)

ご来場感謝! 氷川竜介30周年記念トーク

 5日(日)に新宿ロフトプラスワンで行いました「氷川竜介30周年記念トーク」に多数のご来場いただき、まことにありがとうございました。あまり深く考えずに日時設定してしまったんですが(申し訳ないです)、日曜夜でコミケ直前ということにも関わらず、120名を超える来場数に感激しました。
 以下、多くの方々に感謝いたします。
 司会の小林治さん、メインゲストの出渕裕さん、証言者として壇上にあがっていただいたCONTINUEの林編集長、ペッパーショップ古賀学さん、アニメ評論家・藤津亮太さん、一瞬で会場から資料をもってきていただいた伊藤秀明さん、あとドクトルFさんもでしょうか。それから記録映像収録していただいたエモーションの桑島さん、撮影クルーのアンダーセル菊崎さん、野口さん、綺麗なお花を贈っていただいたスカイパーフェク TV!ガイド編集部の舘林さん、「ドラえもん祝電」(ぬいぐるみつき)という粋なものをいただいた矢的さん……。そして、イベントを多方面から支えていただいた、ロフトプラスワンのさいとうさん。
 みなさん、本当にありがとうございました。
 30名程度がマイミクさんだったはずで、来場リストを作っててお名前を列挙してたら著名な方が多くて目眩しましたが、「お忍び」だと思うのでいちいち実名上げません。が、お忙しい中、付き合っていただいてありがとうございます。
 すいません、アガっていたのか若干記憶が曖昧で、お名前落ちていたら恐縮です。他意はありませんので、メールなどでこっそり教えていただければ改訂します。

 内容は、まあ来ていただいた方のものなので、詳述はしません。っていうか、よく覚えてないんですね(苦笑)。もともと30年を3時間(実際には4時間)という無理は承知でしたが、肝心のところは伝えられたのかなあと思ってます。会場側から手応えのある瞬間がありまして、ご来場者には本当に感謝です。

 奇しくもこのイベントの直前に、実は世の中には私ごときまだまだ未完成で未熟な人間に対しても、悪意だか敵意だかを抱いているということを公言してはばからない、そんな人がいるんだという事件を体験しました(「サイゾー」の記事のことです)。
 あれあれ、アニメに関する言論ってそんなに整備されて成熟していたんですか、まだまだ量的にも質的にも発展途上だったと思うのですが……と、怒るとかそういうことよりも先に、主に戸惑いと哀しみ、一種の虚脱感を感じました。

 まあそんなこともあったので、壇上でいろいろ話して検証しているうちに「なんだ30年前もいまも、やりたいことの根はまったく同じなんだ」と自分で非常に得心がいきました。まるでブレがない。あの時代だったからあの方法論、今の時代だからこの方法論。我ながら驚きました。怖くなるほどに。
 そして、「あの時代の方法論」はいつしか業界のルーチンになってしまった。だから、それに乗っかっているだけの仕事は、メシの種だから否定はしないけど、自分のまいた種でもあるから、どこかしらに嫌悪感が潜んでいる。だからこそ、いま別の方法論を模索してる日々だということです。それは「仕事」としては面倒になるものですが、でもだからこそやらなければいけない気持ちも強い。
 別に「ひょーろん」が書きたいわけじゃないんだってことですわね。大目的があったのを、ちょっと自分でも忘れかけてました。

 大目的とは実に単純です。

 ・自分が観たいアニメをまた観るために、
  いまできる最良のことをする

 たったそれだけのことです。
 ただし、これはものすごく時間のかかることです。一例をあげれば、「20年目のザンボット3」が出版されなかったら、その10年後の『天元突破グレンラガン』はおそらくあのスタイルの作風にならなかったはずです。いえ、「あの本のおかげだぞ」と言いたいわけではないんです。それはスタッフに失礼だし、もっともっと他のいろんな要素が入ってきてますから、あくまでも「触媒」に過ぎません。でも触媒なりの嬉しさがあるという話。
 あの本で言いたかった価値観が汲み取られて作品化され、さらに先の目線が感じられる。その得も言われぬ発展的な「価値観の連鎖」がもたらす感動。またやめられなくなっちゃいました。そして、そういう幸福感の連鎖があるからこそ、いまの自分の「売文業」が成立しているんだとも、改めて確信を得ました。

 ですので、私は先の大目的のためなら、「宣伝協力」だって「オフィシャルライター」だって何だってやります。うまく使ってもらわれる中で、その関係性をこちらが使い、また好きな類のアニメを観られるように働く。
 今年の春から秋にかけて、「なんだってこれほどオレ好みの作品が多いんだ?」とか不審に思っていたわけですが、ひょっとして自分の放った価値観の万分の一かもしれない「もどり」かなと考えると、幸せでたまらなくなりました。この仕事を続けて、良かったです。
 本当にイベント翌日から気合い入りました。日程的にはヤバイこともありましたが、やった甲斐があったので、支えてくださったみなさんに、あらためて感謝します。

 イベントでも話しましたが、事実誤認関係の訂正だけ。
 藤津亮太さんに関して氷川の「後継者」というのは明らかな間違いです。
 自分にとって藤津さんの初対面時は「よく出来る週刊誌編集者」という、むしろ「業界の先輩」(氷川に長い休眠期間があるため)でした。藤津さんの「アニメ関係の記事も書きたい」という発言にワルノリしてアニメ方面に引きずりこんだのは確かに氷川ですが、藤津さんのブログに書かれているように、連名仕事が多かったのは「ニコイチ」というか「バロム・1」(ナカグロがあるんだよー(笑))みたいな合体パーツというか、上品に言えば「イーブン・パートナー」な時期があったのでした。
 私から何か教えたことはまったくなくて、最初から「出来上がっていた」のです。失礼な話「あー、こりゃ便利で楽」と思ったことも数知れず。先方もそう考えてるらしいので、その点でも「イーブン」です。
 ただ、この対等性はまことに得難いものでもあると実感もしているので、末永くよろしくお願いします。

●藤津亮太の「只今徐行運転中」

 ということで、長々とすいませんでした。

| | トラックバック (1)

2007年8月 4日 (土)

「デビュー30周年トーク」は日曜日

気がついたら、明日に迫っておりました。お時間のある方、ぜひよろしくお願いします。詳細情報は以下でお願いします。

http://hikawa.cocolog-nifty.com/data/2007/07/30_4da0.html

| | トラックバック (0)

2007年8月 3日 (金)

「ヱヴァンゲリヲン:序」予告編2、週末から

 いわゆる「本予告」と呼ばれる2番目の予告編が完成、試写で拝見しました。宇多田ヒカルの曲も刷新、予告1とほとんど重ならないかたちで新たなカットが満載でした。その美麗さに、完成がますます楽しみに。コンセプト的にはシンジくんの心情寄りなのかも? そして1カットだけ「あの人」も登場します。なんでこんな構図になっているのかなあ? 見逃さないように。
 かなり「大人」な感じが映像に漂っていて、これはやはり「成長したエヴァ」として世に問われるのだ、という確信を得ました。ただし、本編はもっとガツン!と来ると思いますよ。静かな予兆を楽しんでいただきたい、というところでしょうか。
 実はほぼ完成に近い最初の20分やら、現時点での全長も拝見しましたが、圧巻で打ちのめされてしまいました。これはもう大変なことになってます。25年ぶりくらいに、「1日中、映画館にいて、この光と音を浴びていたいな」と思いました。今は入れ替え制になってるのが悔しいです(笑)。「どうせTVのフィルムなんでしょ」とか今週もある人に言われてけっこうあわてましたが、事実上の「完全新作」ですよ。確かに原画レベルでは同じカットも(特に最初は)多いのですが、えらく手が加えられているうえに、おっとビックリなことがあまりに多くて目が離せません。
 ちなみに予告2、早いところは今週末からの上映だそうですが、予告編の場合は上映館によって始まりが違うらしいので、可能であれば事前に映画館へ問い合わせるのが良いだろうとのことでした。ネットでの公開は、公式ホームページをご参照ください。

| | トラックバック (0)

« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »