細田守監督9時間インタビュー
●フリースタイル vol.7
特集 細田守―特集 細田守-『時をかける少女』を作った男
見本誌は前に届いていたんですが、ようやくアマゾンに掲載されましたので、ご紹介。
おそらく現時点で細田守さんの経歴について、もっとも詳しいのではないかという取材記事です。なんとインタビューは「9時間」! 午後2時から始めて終わりが見えたのが11時……あれ? 9時間以上か。細田さん、本当にお疲れさまでした。付き合っていただいた関係者の方々、ありがとうございます。まあ、小生の物書き生活の中でも空前(たぶん絶後)です。
編集さんとの打ち合わせで、子ども時代にアニメにどういう興味があったのかと、そこから聞いていったわけで、まあ結果論で言えば9時間にもなるよねということではありますが。細田監督の演出スタイルと同様で、回想にしても緻密なディテールの積みかさねなんですね。
『時をかける少女』それ自体に対する言及が少ないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、まあそこはそれ、他にすでに露出が多いので、重なっても仕方ないと分量を減らしたということもあるんですが、“『時をかける少女』を作った男"というタイトルに偽りはないです。
なんと言っても「事物・事象への興味・着目の持ち方」とか「時間の過ごし方」とか、そこで「何を大事に思うか」という「価値観」、あとはそうですね……「対象への距離感」みたいなものですか、そうした言動や行動歴それ自体が、実に『時かけ』っぽい。そうした「演出家の視線」というあたりを(長すぎて読むのも大変と思いますが)、監督の半生とともに存分にお楽しみいただけるのではないかと思います。
アニメーション制作は集団作業で、「個人のものではない」という細田監督の考え方自体、インタビューに現れています。それは肝に銘じないといけないと常々思う一方、やっぱり「こういう人柄だからこそ、このような作品になる」ということも確実にあるわけで、その微妙なバランスというかニュアンスは、少し伝えられたのではないかなと。
あと細かいところでは、「親しいご友人」の遡玉洩穂(そだまもるほ)さんの『るろうに剣心』や橋本カツヨさんの『少女革命ウテナ』に関する言及、それと「うわっ、聞いちゃいけなかったのかな」的作品(すいません……でも、買いました)の話とか、けっこうディープな情報も貴重でしょうか。
個人的には「ジャンボマシンダーを立体トレスした」と「映画館のドアを開けると、そこには必ず友永(和秀)作画が」と「風景が好きで写生をしたが、写真を撮ったら観てるものと違うので、やっぱり風景画に」と、この辺の話がツボでしたね。
今回、取材まとめは別の方で小生はインタビューアーに徹しましたが、起こすのも大変だったと思います。データともども、お疲れさまでした。また、細田監督ご自身でもかなり手を入れられておられ、それもまたきちんとしたお人柄の現れで、感服しました。
ともかくチェック用原稿と校正読むだけでもかなり大変だったので(笑)、読者も大変だと思いますが、お楽しみいただければ幸いです。
P.S.よく考えたら、今夜のBS-2「BSアニメ夜話」は、細田守監督『時をかける少女』のオンエアでした。なんというシンクロ! 原作者の筒井康隆先生、渡邊隆史プロデューサーが出演です。「アニメマエストロ」コーナーもあります。
《追記》
インタビュー中に出てくる主な細田守関連作品を列記しました。順不同で、すいません。
・鬼太郎の劇場版BOXには細田演出のCGアニメと細田作画の「大海獣」が入ってます
・ヴギィ’ズ・エンジェルにはOPとしてパイロット版が収録
・「アッコちゃん」は#14の入っているもの。データ原口さんによる細田さんのロングインタビューと、レイアウト等の資料も掲載されています。
・「ウテナ」は#29の入っているもの。
・「るろうに」は#43の入っているもの。
・「ナージャ」は#26の入っているもの。
・「どれみ」は#40の入っているもの。
・「この支配~」はGA.ニメの1本目ですが、これは現在の画ニメとは別シリーズだそうです。
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