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2007年6月

2007年6月27日 (水)

細田守監督9時間インタビュー

フリースタイル vol.7
特集 細田守―特集 細田守-『時をかける少女』を作った男

 見本誌は前に届いていたんですが、ようやくアマゾンに掲載されましたので、ご紹介。
 おそらく現時点で細田守さんの経歴について、もっとも詳しいのではないかという取材記事です。なんとインタビューは「9時間」! 午後2時から始めて終わりが見えたのが11時……あれ? 9時間以上か。細田さん、本当にお疲れさまでした。付き合っていただいた関係者の方々、ありがとうございます。まあ、小生の物書き生活の中でも空前(たぶん絶後)です。
 編集さんとの打ち合わせで、子ども時代にアニメにどういう興味があったのかと、そこから聞いていったわけで、まあ結果論で言えば9時間にもなるよねということではありますが。細田監督の演出スタイルと同様で、回想にしても緻密なディテールの積みかさねなんですね。
 『時をかける少女』それ自体に対する言及が少ないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、まあそこはそれ、他にすでに露出が多いので、重なっても仕方ないと分量を減らしたということもあるんですが、“『時をかける少女』を作った男"というタイトルに偽りはないです。
 なんと言っても「事物・事象への興味・着目の持ち方」とか「時間の過ごし方」とか、そこで「何を大事に思うか」という「価値観」、あとはそうですね……「対象への距離感」みたいなものですか、そうした言動や行動歴それ自体が、実に『時かけ』っぽい。そうした「演出家の視線」というあたりを(長すぎて読むのも大変と思いますが)、監督の半生とともに存分にお楽しみいただけるのではないかと思います。
 アニメーション制作は集団作業で、「個人のものではない」という細田監督の考え方自体、インタビューに現れています。それは肝に銘じないといけないと常々思う一方、やっぱり「こういう人柄だからこそ、このような作品になる」ということも確実にあるわけで、その微妙なバランスというかニュアンスは、少し伝えられたのではないかなと。

 あと細かいところでは、「親しいご友人」の遡玉洩穂(そだまもるほ)さんの『るろうに剣心』や橋本カツヨさんの『少女革命ウテナ』に関する言及、それと「うわっ、聞いちゃいけなかったのかな」的作品(すいません……でも、買いました)の話とか、けっこうディープな情報も貴重でしょうか。
 個人的には「ジャンボマシンダーを立体トレスした」と「映画館のドアを開けると、そこには必ず友永(和秀)作画が」と「風景が好きで写生をしたが、写真を撮ったら観てるものと違うので、やっぱり風景画に」と、この辺の話がツボでしたね。

 今回、取材まとめは別の方で小生はインタビューアーに徹しましたが、起こすのも大変だったと思います。データともども、お疲れさまでした。また、細田監督ご自身でもかなり手を入れられておられ、それもまたきちんとしたお人柄の現れで、感服しました。
 ともかくチェック用原稿と校正読むだけでもかなり大変だったので(笑)、読者も大変だと思いますが、お楽しみいただければ幸いです。

P.S.よく考えたら、今夜のBS-2「BSアニメ夜話」は、細田守監督『時をかける少女』のオンエアでした。なんというシンクロ! 原作者の筒井康隆先生、渡邊隆史プロデューサーが出演です。「アニメマエストロ」コーナーもあります。

《追記》

 インタビュー中に出てくる主な細田守関連作品を列記しました。順不同で、すいません。

・鬼太郎の劇場版BOXには細田演出のCGアニメと細田作画の「大海獣」が入ってます
・ヴギィ’ズ・エンジェルにはOPとしてパイロット版が収録
・「アッコちゃん」は#14の入っているもの。データ原口さんによる細田さんのロングインタビューと、レイアウト等の資料も掲載されています。
・「ウテナ」は#29の入っているもの。
・「るろうに」は#43の入っているもの。
・「ナージャ」は#26の入っているもの。
・「どれみ」は#40の入っているもの。
・「この支配~」はGA.ニメの1本目ですが、これは現在の画ニメとは別シリーズだそうです。

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2007年6月26日 (火)

「アニメ検定公式問題集」出版記念イベント

 今週末の6/30(土)秋葉原でパネルディスカッションの司会を行います。

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●「アニメ検定公式問題集」出版記念トークライブ

http://aniken.jp/talklive.html
開催日 : 2007年6月30日(土)14:00~16:00(13時30分開場)
状況によって受付開始を早める場合もありますのでご了承願います。
会 場 : 東京アニメセンターアキバ3Dシアター
〒101-0021 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX 4F
入場料 : 無 料
入場定員 : 当日先着100名

第一部 パネルディスカッション
  「アニメ愛は国境を越えるか?」
広く世界で愛される日本のアニメ。世界各国に日本のアニメのファンが多く存在する今。
国境を越えてファン同士の交流はいかに・・・。アニメ各界の第一人者がその可能性を探る。

●出演者
□モデレータ
  氷川竜介(アニメーション評論家)   
□パネリスト   
  岡田斗司夫(ノンフィクション作家)
喜多村英梨(声優)
数土直志(アニメアニメジャパン社長)
高橋良輔(アニメーション監督 代表作「装甲騎兵ボトムズ」) 
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※氷川はモデレーターとしての出演で、「アニメ検定」とこのイベント全体については、特に関係はありません。

 パネルは頭の小一時間ぐらいのブロックです。お時間のある方はのぞいてください。イベント全体は「アニメ検定」関係になっていて、第2部ではもっとお笑い系にいくとも聞いてます。

 以下は個人的な思いです。いろんな形態で作品が海外に輸出されてファンが増えつつある昨今、それぞれの国でアニメへの「愛」が育っていると思います。しかし、意外に「アニメを通じて国際的に交流した」という話はそれほど多くないのではないでしょうか。それはこれからの可能性のことなのか、あるいは何かそれぞれの愛が国境内に閉じてしまう理由があるのか。ちょっとその辺を識者の意見聞いてみたいなということで、「日本のアニメと海外」というテーマを拡げてみました。

 ということで、お時間のある方はぜひのぞいてみてください。 

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「BSアニメ夜話」について

 昨夜から今期の放送が始まりました。『母をたずねて三千里』では藤津亮太氏の「アニペディア」が流れたので、「アニメマエストロ」コーナーが終わったと思われた方がいらっしゃったようですが、そういうわけではありません。今夜の『装甲騎兵ボトムズ』と明日の『時をかける少女』には、「アニメマエストロ」が流れます。
 今期から若干のリニューアルということで、コーナーも変更という風に聞いてます。また、4夜目にはオンエア中の『精霊の守り人』を取りあげるそうです。これもトークではなくインタビュー中心の構成だそうで、コーナーはどちらもありません。
 おかげさまで通算30回近くの長寿となったので、いろんな変化があるということで、それは「アニメを語る」ということが認められてきたという意味になりますから、発展的で非常に良いことだと思います。そういうわけで、今後とも「BSアニメ夜話」をよろしくお願いいたします。

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星山博之のアニメシナリオ教室

 去年、今年と亡くなられる方が多くて落ちこむばかりですが、『機動戦士ガンダム』『銀河漂流バイファム』などの脚本家で知られる故・星山博之さんの単行本が雷鳥社から刊行されました。亡くなる直前まで作業をされていたそうで、これが遺稿にあたると思います。

●星山博之のアニメシナリオ教室

 帯にいわく。

アニメに求められているのは、
案外「普遍性」なのだ

 この言葉がすべてを語っている気がします。商業アニメにはずっと「特殊性」が求められてきました。米国の「トーキング・アニマル」(しゃべる動物)の文化がその象徴ですが、現実ではあり得ないことを誇張して描くことに特質があると。
 それは否定されるべきものではないし、この先もずっと続いていくと思いますが、その一方でアニメであることの異化効果を活用して「人を描く」「共感を得る」というスタイル、映画としてのアニメもあり得るということが、この30数年くらい追及されてきたわけで、『機動戦士ガンダム』もその中の重要なマイルストーンだったと考えています。
 そうした秘密の一端が、全7日間を想定した脚本を書くためのレクチャーの中から浮かびあがってくるという点が貴重です。
 本書はシンプルに「脚本家志望者のための指南書」としても読めますし、『ガンダム』や『バイファム』などの創作の内に秘められたものの解説としても読めます。そして、これから向こう10年ぐらいは、かなりプライベートな心情を描いた個人・少人数制作のアニメが急速に普及すると思っていますが、そうしたとき「普遍的で」「卑近な」《物語》をどう構築するか、指針になるのではないでしょうか。

 本書で特徴的なことは、他に2点。
 1つは、寄稿の充実です。
 伊藤恒久、安彦良和、藤原良二、大河内一楼(敬称略)といった方々が星山さんとその仕事について語っていること。
 もう1つは、参考資料の貴重さです。
 『銀河漂流バイファム』の企画書に加えて、『機動戦士ガンダム』の第13話「再会、母よ」の完成稿シナリオと、絵コンテで演出の加わった後の録音台本(完成フィルムに限りなく近いもの)の対比が掲載されているのです。私の知る限りでは、『機動戦士ガンダム』のシナリオが公開されたのは、史上初だと思います。ましてや台本と対比するという掲載形態自体も、ほとんど例をみないことです。
 星山さんの言葉が、こうした実作で裏づけられるという点でも、非常に重要な一冊だと言えます。ぜひご覧になってください。

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【訃報】桶谷顕さん(脚本家)

 訃報が続いて恐縮です。アニメ脚本家の桶谷顕さんが6月24日、膵臓がんで亡くなりました。享年48歳。私とちょうど1つ違いなので、非常に衝撃的でした。
 シンエイ動画の文芸部出身で、藤子不二雄F原作作品が初期に多いですが、その後は『Vガンダム』などロボットものも手がけられています。『こどものおもちゃ』や『ぶぶチャチャ』など生活もの方面が得意という印象があり、特に『コメットさん☆』は作中で流れる時間やメテオさんのキャラ描写に独特のものがあって、よく徹夜明けに感動しながら観てたのを思い出します。
 桶谷さんは今年単行本「ボクがもらった幸せ」(おけや あきら名義)で末期がんであることを明かしており、mixiの日記でもその闘病を記されていたそうです。残念ながら取材の機会などは得られませんでしたが、ご冥福をお祈りします。

【主な作品】
・ドラえもん
・パーマン
・エスパー魔美
・あしたへフリーキック
・機動戦士Vガンダム
・機動武闘伝Gガンダム
・こどものおもちゃ
・聖ルミナス女学院
・ぶぶチャチャ
・女神候補生
・コメットさん☆
・超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説
・かいけつゾロリ
・奥さまは魔法少女
・ゼーガペイン
・デルトラクエスト

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2007年6月24日 (日)

「月の風」配本始まる

6/19の時点ではまだアマゾンのデータになかった『ターンエーガンダム月の風』(安田朗著)がようやく配本になっているようです。実際には月曜日からの出荷らしいですが。他にも数点、アマゾンの登録待ちの書籍があります。DVDはけっこう早いんですが、出版物はわりとギリギリまで出ませんね……。

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朝日ソノラマ コンピレーション

 「朝日ソノラマ」の音源は何度かCD化されているのですが、おおむね廃盤になっております。現在、もっとも多く入手できるのはコレだというのをご指摘いただきましたので、ご紹介。先日のコンピレーション4枚からメジャーどころを厳選100曲としたというコンセプトのようです。それにしても、「ようやく出た」と思ったら廃盤になるまでが早いはやい。

●アニソン100

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2007年6月22日 (金)

朝日ソノラマ、会社解散

 アニメ特撮ファンにはムック「ファンタスティックコレクション」、雑誌「宇宙船」などで有名な朝日ソノラマが、この9月いっぱいで営業を停止、解散すると6/21に発表がありました。あまりにも残念です。
●ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0706/21/news101.html

●同社の「店じまい」発表
http://www.asahisonorama.co.jp/hp/whatsnew/readers.html

 同社の創立は1959年で、私とほぼ同い年です。まだアニメと特撮が「テレビまんが」と呼ばれていた時代に、ソノシートというメディアで主題歌制作を多数行い、また口絵やカードによる怪獣図鑑にもオリジナルのドラマと主題歌のソノシートを添付するなど、今では当たり前のように使われているメディアミックス的な手法の先駆けの会社でした。
 いま放送中の『地球へ…』も同社の月刊誌「マンガ少年」に掲載されたものです。この誌名自体がテレビアニメ業界に入った最初の世代、つまり出崎統さんや荒木伸吾さん、石黒昇さんら、貸本漫画家としても活躍していた人たちがあこがれて投稿していた雑誌「漫画少年」のリフレインなんです。
 だから、その「マンガ少年」の別冊として「素晴らしきテレビアニメの世界」というアニメ雑誌の先がけみたいなものが出たり、1977年に「ガッチャマン」と「ウルトラマン」からリバイバル的なムックを出して、アニメブームへの道をつけたり。
 『宇宙戦艦ヤマト』にしても、放送中に「ヤマト大図鑑」というスタジオぬえを中心にしたイラスト図鑑+ソノシートを発行。他に石津嵐による小説版、ひおあきらによるコミック版と、ラストがまったく異なるパラレル版を多数発行し、1977年の映画時にもオフィシャル小説やブループリントなどいくつも特徴ある出版物を刊行。『機動戦士ガンダム』も、最初の富野由悠季による小説版はソノラマ文庫ですし、それは『クラッシャージョウ』で高千穂遙文+安彦良和イラストが売れたからですから……。
 もうなんというか……この会社が存在しなかったら、いかにテレビや映画で感動しても、その受け皿になる出版物さえなくて、感動のリサイクルみたいなものもなかったわけで、いまみなさんがご覧になってるアニメも特撮も、とっくに絶滅してたわけですよ。「深夜アニメが多すぎだね」「特撮もイケメンばっかだね」なんて、呑気な文句なんて言ってられない。その土台になるものがないんだから……。
 とはいえ、一方では1980年創刊の雑誌「宇宙船」には創刊号と2号でアニメの記事を担当させていただき、そのとき「アニメの記事なんて載せるな」という大ブーイングがあったそうで(苦笑)。えーと、宇宙船の創刊○周年だったかの記事で、まったくそこら辺無視されて、コメントの声もかからなかったし、アニメが載ってたことさえ切り捨てられてましたね。まあ、そんなこんなで、コラム書くようになるまでご縁もなかったりもした会社でもあるわけで……。
 思いかえせば、あの80年代初頭ぐらいから、特撮もアニメも作品単位で情報が潤沢に回り初めて、自分が当たり前だと思っていたような全方位的な路線というのは、「緩慢な死」に向かっていったのでしょう。なので、残念というよりは、そうした30数年ぐらいのタイムスパンが閉じた感があり、このところ感じる「節目」感が強まります。
 本当に残念ですが、まあその世情を真摯に受け止めながら、この先、自分が何をすべきか、何ができるのかを真剣に考えていきたいと思います。

●宇宙船編集部の解散が示唆されている最後の特撮ムック

●宇宙船の誌名が冠された最後のイヤーブックになるか?

●朝日ソノラマ音盤の黄金期に出た主題歌コンピレーション

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2007年6月19日 (火)

∀ガンダムまつり

 続々と『∀ガンダム』関係のサンプルが届きます。
 まずDVD-BOXもめでたく完結。2巻目は1巻目の続きで安田朗さんと福井晴敏さんの対談を担当しています。ブックレットの表紙も安田さんで、きれいです。

●∀ガンダム MEMORIAL BOX 2

 この対談はガンダムエースと分割掲載みたいな感じになったわけですが、その後出かけた「夜の部」で、福井さんともども「どうして『月の風』を単行本化しないの?」と安田さんに迫りまして。スケジュール的なことや、前の作品を出すことに対する複雑な想いとかお持ちだったようですが、なんとか説得成功。
 もちろん責任払いで、福井さんも氷川も解説を書かせていただきました。その単行本も、さっき到着。

●∀ガンダム 月の風 あきまん(安田朗)著 角川書店発行

 と、このようにして盛り上がりきった『∀ガンダム』まつりですが、この2アイテムの発行でそろそろ一区切りでしょうか。よく言われる「ガンダムを名作アニメみたいにした」ということは厳密ではなく、「ガンダム的なるものの名作アニメ風表現」だったのではないか、というのがこの一連のリバイバルの確認だったわけですが、お楽しみいただけれたなら幸いというとこです。
 無料で視聴するのであれば、以下に氷川のセレクション&解説で配信中です。第45話「裏切りのグエン」が上位に来てたので、嬉しくなっちゃいました。

●バンダイチャンネル無料配信
 重要エピソードセレクション
 http://www.b-ch.com/contents/feat_gundam/sp_turna/index.html

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2007年6月18日 (月)

スペクトルマン DVD-BOX

●スペクトルマン カスタム・コンポジット・ボックス

 『宇宙猿人ゴリ』『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』『スペクトルマン』と何度も題名が変わった1971年のピープロ特撮。『仮面ライダー』や『帰ってきたウルトラマン』に三ヶ月先がけて、第二次怪獣ブームを呼び起こした伝説の作品が帰ってきました。待ってました! 直接仕事はしてませんが、『風雲ライオン丸』のBOXを手伝った関係で、サンプルいただいたので、ご紹介。
 これ、2002年にはスペクトルマンの「生首」とも呼ばれたマスクを象った大型BOXで発売されてまして、作品はすっごく欲しかったものの、なんせ人気番組で全63話もある上に、マスクの尖端がおっかない(苦笑)。棚の上から落ちたらケガするんじゃないかという恐怖で見送ってるうちに歳月が過ぎてしまったという。
 今回のBOXの宣伝にも「もはや、購入をためらうものは何もない!」みたいな惹句が書かれてますんで、まあ私だけじゃなかったんでしょう(笑)。
 驚くべき廉価版で、しかもスリムケースに収められてるせいで、BOXが非常に小さいんです。作品内容も、もはや二度と作られることはないであろう、ダーティでグロで、いろんなナマな感情が赤裸々に映っていて、たまりません。
 『日本沈没』や『快傑ライオン丸』など一連のBOXはみんなそうですが、メニューが凝ってまして。怪獣図鑑では高山良策さん造型の怪獣写真とデータが見られる。好きだったんですよ、ゴリの怪獣。すごく個性的だし。その他、解説からジャンプして本編映像が出現。みどころの「スペクトルチャプター」や、その名もズバリ「スペクトル・ファイト!」と特撮シーンだけ抜いて観られるのがいいです。中でも素敵なメニューが「ゴー!ゴー!ゴリ博士」で、あの遠矢孝信の素晴らしいハンドアクションやしびれる名セリフの数々が、メニューから串団子方式で連続視聴できるという。いきなり本題に入る「ゴー!」の感覚がたまりません。

 あと、ピープロと言えばパイロット版。エレメントマンという赤い衣装のヒーローだったころのフィルムは何度かビデオグラム化されていますが、ラッシュというかアウトテイクが収録されてんですね。珍しい。渡辺喜夫のマットアートの撮影台とか見られますよ。しかも「ライオン丸」の蒲生穣太郎の回まで収録ですよ。至れり尽くせりですね。

 ブックレットは簡単なものですが、ディスク自体がてんこ盛りなので、等分遊べそうです。あー、ピープロ特撮はいいなあ。ちょっと幸せ。そうそう、フジテレビのCSでも「ピープロ特集」をやるんだそうで、こないだ呼ばれてコメントをしてきましたよ。CGに飽きたら、いきなり光線撃つと絵になって止まってしまうピープロ特撮。それを思い出す時代なんですよ(笑)。

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2007年6月 4日 (月)

【訃報】羽田健太郎さん

 6月2日、ハネケンの愛称で知られるピアニスト・作曲家の羽田健太郎さんが亡くなりました。肝細胞癌、享年58歳だそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070604-00000054-jij-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070604-00000010-oric-enthttp://headlines

.●主なリリース作品(オリコン)
http://contents.oricon.co.jp/artists/h/194032/

 なんとも衝撃的です。個人的にとてもとても好きな音楽家でした。
 まず、作曲家である前にそのピアノ演奏が素敵でした。軽やかに舞うようなタッチで、本当に聴いていて楽しくさせていただきました。アニメ音楽でも『交響組曲キャプテンハーロック』を始めとする名演奏は数々あります。『宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち』の自動惑星ゴルバなどハネケンのピアノ演奏を前提に書かれた曲も多く、『交響組曲サイボーグ009』や『伝説巨神イデオン』の、すぎやまこういち先生の曲ではハネケンのアドリブパートを前提に書かれている場合さえあります。

 作曲家としては、まず『宝島』。これは1991年ごろにNiftyの会議室メンバーでBGMと挿入歌を可能な限り入れたCDを構成させていただき、思い出に残るアルバムとなりました。一般には『超時空要塞マクロス』が先に名前が挙がりますが、ロボットアニメでは『宇宙戦士バルディオス』が、チャージアップの合体曲など実に印象深いです。
 『宇宙戦艦ヤマト』では「完結編」が宮川泰先生との共作になっていて、これも水惑星アクエリアスと対峙する最終クライマックスがピアノコンチェルトになっていて、音楽ありきのシーン設計になっており、メロディを思い出すだけで鳥肌ものでした。その流れで『オーディーン 光子帆船スターライト』も共作になっているのですが、これは未CD化です。
 何度も何度もくり返し聴いたサントラは『夏への扉』。今度、DVDでも出ますが、これもハネケンの音楽ありきのようなアニメで、思春期の甘酸っぱさをよく表現したサントラでした(追記:評論集に作品論を掲示しました)。

 特撮ヒーローものは『爆竜戦隊アバレンジャー』。これは共作でもあるため、実にバリエーションが豊かでしたね。特撮では『さよならジュピター』も担当していますが、CDの黎明期にアルバムが出たため永らく入手難になっています。

 とにかく「作曲:羽田健太郎」と書いてありさえすれば買ってしまうという感じなので、家には何枚あるか分かりません。ゲームでも『ウィザードリィ』は何度も聴きましたね。ものすごく格調高いゲームになった感さえありました。

 実は体調が良くなく入院されたという話は、かなり前に一度聞いておりまして、すごく心配したのですが、その後復調されて「題名のない音楽会21」の司会をされたり、CMに出演されたりしていたので、「ああ、すっかり良くなられたんだ」と思いこんでおりました。本当に残念でなりません。謹んでご冥福をお祈りします。

《主なアルバム》
●非常によくできたベスト盤

●宝島(構成させていただいたアルバムは右)

●宇宙戦艦ヤマト完結編(右のにはクライマックス曲は未収録かも)

●宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち

●「交響曲宇宙戦艦ヤマト」は「交響組曲」と異なり、ハネケンが作曲を担当。演奏はN響。アルバムは品切れだが、割りと最近出たDVD版(右)が、監督は実相寺昭雄だし、ハネケン演奏の姿も見られるのでお得

●わずか1200円で手に入る名盤の数々

●超時空要塞マクロスはコンプリートがお勧め(バラをまとめたもの)交響組曲は5(2枚組)の片方だが、やや印象が薄い

●ウィザードリィは電子音のアルバムと組曲とがある。一部プレミアつき

●この辺も押さえておきたいところだが、この異常なプレミアは?

●スペースコブラはなぜか1200円盤にプレミアつき。2枚組(左)の方がかえってお得

●独特のピアノ名演奏が堪能できるアルバム

●アバレンジャーは何枚もアルバムが出ているが、この辺が音楽集のはず

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2007年6月 2日 (土)

速報『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』

本日の『地球へ…』終了後、スポットでお披露目になりました。公式HPもオープンしています。 アクセス集中で、ストリーミングはちょっと動かないようですが。戦争へ介入するガンダム……なかなか面白くなりそうです。

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