昨日、書店に並んでるのを見かけましたが、アマゾンにはまだ書名も書影もないようですね。題材は劇場版『超時空要塞マクロス 愛おぼえていますか』の回です。キネマ旬報から発売中のはずです。
今回は以下の2件を寄稿しています。
●アニメマエストロ+「宮武一貴 プロダクション・デザインの役割」
●小論「劇場版『超時空要塞マクロス』に至る時代の流れ」
前者は放送時にどうしても流れを簡単にまとめるために略した部分をだいぶもとに戻しています。後者は作品の上映された1984年というのがどういうタイミングだったのか、前後を再確認して位置づけるための小論です。もう少し前後を追った方が見通しが良くなるかなと思いましたが、まあ、ページも限られていますので。
宮武さんのデザイン画稿は追加でいくつか入手して、その緻密さに改めて恐れ入りました。そもそも「世界(世界観)をデザインする」という考え方自体が、アニメの歴史の発展と同時に出てきたものだと思うのですが、ゲームでの流行を経て、いつの間にか世の中全体がそういう風になってますね。なぜそうなっていったかは、非常に感心の深い部分です。
いや、映像文化史でも「途中から出てきたもの」であることには間違いはないんですよ。これはあちこちで言ってることですが、『ウルトラマン』には世界観はないとは言えませんが、希薄なんです。科学特捜隊という職業とウルトラマンというヒーローがいるだけ。ところが『ウルトラセブン』には、割と各個とした世界観ができてくるわけですね。近未来、宇宙からさかんに侵略を受けている地球という。
同じようなことは『サンダーバード』と『謎の円盤UFO』を比較しても言えると思いますが。というようなあたりを考えるきっかけにでもなってもらえればと思います。こんなに時間が経過しても、研究されていないことはいっぱい残ってますんで。