« 2007年1月 | トップページ | 2007年3月 »

2007年2月

2007年2月18日 (日)

デストロイ オール ヒューマンズ!

 サンプル盤が届きました。間もなく発売ですね。
 宇宙人グレイになって乱暴狼藉の限りをつくすゲームで、お楽しみどころは宇宙人を演じる山口勝平&大塚芳忠の関西弁とコテコテのギャグ(笑)。無駄に豪華な声優陣が、対象年齢35歳以上のネタをしゃべくりまくるというあたりでしょうか。クライマックスの田中敦子さんと青野武さんの応酬は、それこそメガトン級の爆笑パワーでありました。パッケージの開田裕治さんのイラストも美麗で、いい感じで牛が空を飛んでます。
 それにしても謎なのはアマゾンさんのおすすめ。

●あわせて買いたい
この商品と「時をかける少女 限定版 DVD」 筒井康隆 をあわせて買う

……って、こんなところまでネタなの?(笑)

 現在はこのありえないセットでレコメンドされていたので、ずっこけました。クリックして変わっていたらすいません。そういやトラックバックの情報によると、公式HPも海賊版にジャックされてるようだし、このゲームからの侵略が始まっているのかもしれません。気をつけましょう。あなたの横にいる人も、知らないうちに宇宙人にすりかわっているかもしれませんよ……。

| | トラックバック (1)

2007年2月10日 (土)

誤記修正のお詫び

1つ前の日記で星山博之さんが亡くなった日を2月8日と書きましたが、7日が正確な命日だそうです。謹んでお詫びとともに訂正いたします(誤記修正済み)。

| | トラックバック (0)

2007年2月 9日 (金)

訃報:星山博之さん(脚本家)

 アニメ脚本家として数々の作品に参加されてきた星山博之さんが2月7日に亡くなったそうです。享年62歳。
 虫プロの文芸部で『ムーミン』など活躍後、サンライズで『無敵超人ザンボット3』から連なる数々の作品に参加。もっとも有名なのは、やはり富野由悠季監督との『機動戦士ガンダム』のお仕事でしょう。

 ちょうど三越でやっている講演の2期の第1回目では、星山さんの書かれた『ガンダム』の第1話を例示に使わせていただきました。それは昔、そのシナリオを読んだときには、完成作品との違いの方が気になったが、今あらためて読み直すとシナリオどおりになっているというような説明をさせていただきました。
 違いというのは、たとえば冒頭はムサイ艦の中から宇宙世紀の時計が動いているところから始まっている部分、シャアのラストの「認めたくないものだな……」という台詞がないところなど(これは記録全集で星山さんご自身が唐突だと語っておられた記憶があります)。
 ところが改めて読み直すと、驚くべきことが判るんです。その冒頭を例の年代記のナレーションに置き換えただけで、起きる事件の展開、構成はまったく同じなんですね。それはこの20数年の間に、自分なりにシナリオの読み方を覚えたということもあります。
 つまり、柱として書かれている舞台の変化を追っていく。「同じ→同じ→ここで変わる」とか、同じ舞台が拡大していくとか、そういう読み方です。その中での人の出入りや絡みを追うということをやってみると、違っているのはディテールで構造・構成は同じだということが分かったわけです。
 演出段階で要件が変わるとはどういうことか。それは、フラウ・ボゥの家族が死ぬシーンがシナリオだと結果だけだったのが、絵コンテ段階ではアムロも直視して、かつフラウ・ボゥを励ますシーンが長回しで入ってるんです。それは「シナリオをビジュアライズする」という時に出てきた要件なんでしょうね。
 ともかく「脚本家がお話を書く」「演出家はそれを映像化する」と単純化できない、さまざまなプロセスがそこにはあるということです。

 という感じで、「これは研究のしがいがあるなあ、お話を聞いてみたいなあ」などと思っていた矢先に……というのは、まったく実相寺監督と同じパターンで、ひどく落ちこみました。
 ちなみに星山さんがガンダムの1話でよく語られていたことは、アムロの「男の子の生理現象」を書いたということ。ガンダムの「生っぽさ」は星山さん発のことも多いのではないかというのは、つとに言われていたことで、まだまだ考えていかねばならないことが多いのです。

 つい『ガンダム』の話ばかりしてしまいましたが、『銀河漂流バイファム』や『無敵ロボ トライダーG7』、『太陽の牙ダグラム』などサンライズ作品に見える「ヒューマンな味」も星山さんによるところ大だと思ってます。それはいまや伝統として受け継がれているとも。

 そうした惜別の念もこめつつ、心からご冥福をお祈りいたします。

※命日に誤記がありました。8日→7日に修正しました。

| | トラックバック (11)

2007年2月 8日 (木)

永遠のガンダム語録(PHP文庫)

 レッカ社さんというゲーム関係の本を多く出している出版社さんからの依頼で共同執筆した単行本が文庫化されました。氷川の文章の含有率は……どれくらいだろう? 7%以下じゃないかなあ。
 この依頼が少し変わっていて、ガンダムの名セリフを挙げながらも劇中の解説をするのではなく、自分の経験に引き寄せて語れという話だったように記憶してます(かなり前のことなのでこちらの解釈が入ってるかも)。というオーダーの理解がライターでそれぞれ違ってるあたりが隠れた楽しみどころではないでしょうか(笑)。
 この仕事をしていても小説家ではないし、文庫化ということ自体が珍しい。ましてや共著というケースはなかなかレアで、まだ2回目ですね。
 レッカ社さん、他には小口が真っ赤な「語ろうシャア!」という単行本を出しています。

| | トラックバック (0)

2007年2月 3日 (土)

Newtype THE LIVE 2007年 03月号

特撮ディナーショー第29回
《追悼》実相寺昭雄監督とその映像言語

追悼コラム 作曲家・宮内國郎

 「特撮ニュータイプ」の最新号です。
 これはもう、とにかく読んでくださいとしか言えません。
 実相寺監督の物故に際し、現実にお付き合いのあった方の追悼文や、作品に影響を受けた方の想いのたけは、かなり出るに違いないと予想しました。現実に同誌にも多数掲載されており、そのひとつひとつの言葉にこめられた想いの深さは非常に大事なものだと思います。
 しかし……。絶対にそこでは「作品そのもの」が空洞化するだろうことも予想しました。
 いえ、作品を悼むといったときでさえも「物語やテーマ」に行くだろう、映像などに関しても監督自身の言葉や資料に行ってしまうだろうと。

 それじゃあ……と、考えたのですが。観客として映像を楽しんでいたわれわれの想いは、いったいどこに行ってしまうのでしょうか? 映像作家が亡くなったのに、「映像そのもの」が語られることなく、まるでなかったかのようになってしまう事態は、妙ですよね?
 それは「映像を語る行為」が常態ではなく、また「語る言葉」が貧困であるという、突きつめれば自分の働きが足りないということにつながるわけですよ。
 これくらい無念なことはないです。しかし、その無念の大きさそれ自体がすなわち「悼む重さ」なのだと、そういう考えで書きました。分量的にもいつもの倍ぐらい書いてます。
 さらに宮内國郎さんの追悼までしなければならなかったのは、正直精神的にはきつかったですが、今はやっておいて良かったと思っています。

| | トラックバック (0)

スカイパーフェク TV ! ガイド 2007年 02月号

氷川竜介のアニメ総合研究所 第6回
実相寺昭雄監督『ウルトラマン』の
鋭い映像に潜む不滅の魅力とは?

 今月は編集さんとの話し合いのうえで、特別に特撮を扱っています。実相寺昭雄監督の物故による喪失感はそれぐらい大きいということで……。
 『ウルトラマン』における実相寺作品は、特徴ある映像だったり、スカイドンのイメージが強いせいかギャグが中心に語られることが多いです。それは間違ってないんですが、実際にはまだまだ語られていない魅力が多いということを改めていろいろ考えてます。
 この原稿では、科特隊のメンバーに「人間性」の厚みを与え始めたのが、実相寺監督回からだったのではないかというようなことを書いてます。もちろん他の監督回でもそうした描写はあるのですが、細かく分解していくと「職業」とか「キャラクター性」に還元されるようでもあり。「一個の人間としてどうか」という点で掘りさげ始めたのは、実相寺回がきっかけではないかと思うのです。
 「そんなの今では当たり前」みたいなことにも、案外ルーツというのはあるんじゃないかなと、そんなことも最近ではよく思います。

| | トラックバック (0)

ガンダムエース 2007年 03月号

ガンダムの時代 第53回 機動戦士ガンダムTV版再入門
「怪獣映画、ロボットアニメからガンダムへの継承性」

 ファーストガンダムTVシリーズのDVD-BOXも無事に発売され、応援特集もそろそろ終わり。ということで、モビルスーツの位置づけ、特に映像の中で占める「巨大な異物」みたいなところに絡めた話を展開してみました。
 すでに生まれたときからモビルスーツがあったという人の方が多いかもしれない現在、それが怪獣映画の文脈にあるということも知られていなくて当然とは言えるでしょう。しかし、デジタルの俎上でアニメも特撮もCGも同質化することも多い現在、もう一度そうした流れを確認することには意味があると思うのです。

 なお、2/26発売号は編集部事由にて休載となりました。

| | トラックバック (0)

2007年2月 2日 (金)

OPEN! 本多猪四郎監督オフィシャルサイト

 『ゴジラ』など東宝の怪獣映画、SF映画で知られる故・本多猪四郎監督のオフィシャルサイトがOPENしました!

http://www.ishirohonda.com/

 スチル写真、メイキング写真やコンテなどの資料も充実、また本多監督の映画全般に関する解説や、関係された俳優さんたちのコメントなどなど、映画監督のサイトとしては非常に充実したものとなっています。
 円谷英二特技監督とタッグを組んだ数々の名作。本多監督は非常に誠実かつ現実に根ざした感覚で、その驚異の映像を信じ込ませてくれました。そうした感慨が、写真を見ているだけでもわいてきます。
 小生もちょっぴりお手伝いさせていただいてます。また、今後ともサイトを充実させていきたいので、ぜひともご覧になってください!

| | トラックバック (0)

« 2007年1月 | トップページ | 2007年3月 »