『メトロポリス』フリッツ・ラング監督
国内版がやっと出ました。劇場映画『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』でもキャラクターとして登場するフリッツ・ラング監督の代表作。1926年当時、世界随一だったドイツ映画の総力を結集してつくりあげた超大作で、後年のSF映画に与えた影響は計り知れません。
ジャケットにもなっている女性型アンドロイドのマリアは、直接的には『スター・ウォーズ』のC3-P0の影響してますが、いま見てもぎょっとするほどの完成度。物語的にも支配者層に搾取される労働者との対立を描いた上に、ともかく映像に力があるので、唖然とします。
散逸してしまったプリントは何度となく復元が試みられてますが、今回はデジタル技術の成果で相当なレベルで修復され、サイレントながら音楽も復刻ということで、かなりのものになってます。映画というのは「科学の申し子」のような芸術様式なのですが、いろんな側面でそれを感じさせる作品でもありますね。
すでに海外版を輸入していたんですが、ちょっと悩ましいですね。紀伊国屋書店の発売なので、ハリウッド・プライスとかにはならないだろうし……。
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