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2006年11月

2006年11月30日 (木)

宮内国郎さん、逝く

 『ウルトラQ』『ウルトラマン』の作曲家として知られる宮内国郎さんが亡くなりました。
 かつてキングレコードから『ウルトラQ』のBGM集が出たとき、バルンガのあの音が音楽だと知って、脳天に衝撃が走りました。ウルトラQのアイキャッチ曲も、生涯忘れられないです。実相寺昭雄監督用にスペシャル曲も作られており、個人的にはハープシコードが奏でるシーボーズのテーマ曲が好きです。すべての音源が発見できていないのが残念です(現在はMEと再演奏で聞けます)。
 あとは科特隊のテーマ。最初の数小節でキャラが立ってしまう。これぞ劇伴というイメージです。アルバムとしては、アニメ版『ザ・ウルトラマン』の交響曲が大好きで、何度もくり返し聞いていました。
 1日に2件もの相互関連の強い訃報は正直キツいです……。ご冥福をお祈りします。

http://www.asahi.com/obituaries/update/1130/007.html

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実相寺昭雄監督、逝く

 5~6時間ほど前から友人関係のmixiが騒然となり、誤報であってほしいと願ってましたが、事実となりました。

http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200611290434.html

 29日の夜11時台の死去、お通夜は1日のようです。
 ここでお知らせしたように、先週土曜日に法政大学で16mm上映会があり、その作品を深く掘りさげて発表後に実作をスクリーンで再確認する機会を得たばかりでした。何をどう考えて映像を撮っているのか、われわれの観ているものは実は何なのか。深く考えれば考えるほど、味があることを確認したのです。なので、よけいに切ないです。
 なんと言っても、「映像それ自体が語る」ということについて、われわれの世代が関心をもつ入り口は、「まず実相寺監督作品から」という方が多かったのではないでしょうか。『ウルトラマン』『ウルトラセブン』『怪奇大作戦』と、必ず違ったテイストの映像と物語がある、「あれが全部、実相寺監督だよ」と言えば、誰もが納得する、そうした監督の作家性にも気づかせてくださった方だとも思います。
 そうしたかけがえのない経験と素晴らしい作品を、本当にありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

 遺作は映画『シルバー假面(かめん)』で、12/23からの公開ということです。必ず観に行こうと思います。

《実相寺昭雄監督作品(ごく一部)》
●ウルトラマン(1966)
第14話「真珠貝防衛指令」汐吹き怪獣ガマクジラ 登場
第15話「恐怖の宇宙線」二次元怪獣ガヴァドン 登場
第22話「地上破壊工作」地底怪獣テレスドン 登場
第23話「故郷は地球」棲星怪獣ジャミラ 登場
第34話「空の贈り物」メガトン怪獣スカイドン 登場
第35話「怪獣墓場」亡霊怪獣シーボーズ 登場

●ウルトラセブン(1967)
第8話「狙われた街」幻覚宇宙人メトロン星人 登場
第12話「遊星より愛をこめて」(現在欠番)
第43話「第四惑星の悪夢」第四惑星アンドロイド 登場
第45話「円盤が来た」サイケ宇宙人ペロリンガ星人 登場

●怪奇大作戦(1968)
第4話「恐怖の電話」
第5話「死神の子守歌」
第23話「呪いの壺」
第25話「京都買います」

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2006年11月28日 (火)

ガンダムエース 2007年1月号

寄稿題名:ガンダムの時代 第51回「TV版の中落ちに感じる美味しさ」
『機動戦士ガンダム ユニコーン』福井晴敏インタビュー

 今月の記事は2件。ひとつは年末売りの号から連載開始される福井晴敏さんの新作小説に関する巻頭インタビューです。安彦良和さんのキャラクタースケッチもカラーで添えられて、期待をそそります。取材した内容だけでもけっこう燃えましたが、「あんなことやこんなこと」も、ついでに聞いてしまいました。もちろんまだ言えない。キャラにもメカにも、いろいろと「あっ!」という仕掛けがあるので、かなり楽しめそうです。

 もうひとつはレギュラー「ガンダムの時代」。この数回やっている「機動戦士ガンダムTV版再入門」ですが、今月は前半のハイライトっぽいものを写真構成中心でやらせていただきました。劇場版やその後でカットされたり、なかったことにされたようなTV版特有の写真を並べてみると、「ああ、これがガンダムだったんだな」という感慨が出てくるということで。

 「ジ・オリジン」は待望のミハル編に入りました。私の好きなゴッグ(TV版はゴック)が登場したので、ほっとしたりして。あれ? カラハが乗ってるのか……というアレンジ含め、どうまとめていくのか楽しみです。

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2006年11月26日 (日)

オーディオコメンタリーの日米格差

 昨日の茶飲み話ですこし出た話題です。

 『007シリーズ』がアルティメット・エディションで発売。ボンドといえば若山弦蔵の世代ですから初の日本語版収録が興味津々で、『ゴールドフィンガー』をまず買ってみようかなと思ったわけです。同じコト考えた人が多かったらしく、若山版の初期作だけが在庫僅少になってて焦ったこともあったりして。
 で、さっそくチラリと試写をしたわけですが、若山音声で字幕はコレかなと当てずっぽうでやったらコメンタリーの字幕が出てきて、「日本語音声に解説字幕」という本来ではない組み合わせがなかなか良かったんですね。
 ボンドが真剣な声でエージェントと打ち合わせかなんかしてると、「主役がなかなかブッキングできなくて、この撮影は苦労したんだ」とか「ホテルで役者が1ドル札を落として、親切な人が声をかけたけど無視されて怒ったんだよ。立ち止まるとリテイクになるから」なんて裏話が出るのは、まあ初見の映画なら問題あるけど、再三観たのだとなかなか新鮮だったというわけで。

 それで、日本のDVDもなんでこういう風にならないのかなーと思ったわけですね。いや、提案したこともあったんですよ。字幕解説をオーバーレイできるようなものを。何の作品だったか、なぜダメになったか忘れましたが。また、これだけ製品があるので、やってる作品もあるとは思いますが。
 実現したのは『プラネテス』で、これは結局は解説字幕の方にジャンプするという仕様になったので、ちょっと違うんです。『踊る大捜査線』のものもちょっと参考にしたんだったか。

 で、いろいろ思い出してきたんですが、日米(007は英国?)での格差があるのは、コメンタリーの役割が根底からちょっと違うんですよね。米国のコメンタリーはクライテリオンという会社のレーザーディスクが発端のはずです。これは研究者や映画学校の学生向けの資料提供という目的なんだそうです。
 ですから、監督の他にも撮影監督や美術スタッフなどが呼ばれ、明らかに話の内容も仕込んできて非常に専門的なことを言うんです。『エイリアン』ではリドリー・スコットが卵の割れる瞬間までの段取りで、精肉店で新鮮な肉を買ったとか、ここは上下逆転で自分の手が入っているとか、レーザー光で煙を水平に切ったような効果を出しているとか、すさまじい密度でメイキングを語ってました。
 監督でなくても、みんな必ず専門的なことを語るんですね。『ホロウマン』じゃねえや邦題『インビジブル』ではジェリー・ゴールドスミスの音楽トラックを聴くつもりが、素になってるところに「ハロー、ジェリー・ゴールドスミスです」って本人の声が入っていて度肝を抜かれましたが(たいていの商品は素になったまま)、「ここはバーホーベンのこういう神話的な意図があって、こんな曲想で書いたんだ」とか語る語る。
 ジョージ・パル版の『宇宙戦争』ではジョー・ダンテ監督の司会で、評論家2名が当時の映画的な背景やセットのサイズ、スタッフの陣容とか、細かいことを語りっぱなし。
 いやホントになかなかじっくり聞ける時間が足りないのが悔しいくらい、必ず聞いただけの価値はあるというくらい充実してるんですよ、米盤は。それは、向こうは「映画の国」であって産業として厚みがあるので、そういう内容を入れてもリテラシーが高いから、活用するユーザーがいっぱいいるという証左なんだと気づいて、強烈に問題意識も高まったわけです。

 まあ日本の場合は、だいたいは「賑やかし」なんです。アニメのことをマジメに語っても仕方がないじゃんというか。そもそも言語化できないのかもしれないから、まあ、それはそれでいいし、中には「この監督と酒場で呑んだとして、どうせ聞く一方なら、そのバーチャル飲み代と思えばいいか」というくらい、楽しい雰囲気のもあるんですが。

 でも、なんか圧倒的な国力というか彼我戦力差というか、「映像を支える底力」なんてのを感じちゃうのも事実。まあ、それだけ「これからの仕事がある」という前向きな見方もできるんですけどね。何にせよ、「リテラシーを高めて映画、アニメを観ると面白いんだ」ということの普及が先なのかなあ……。

※『エイリアン』『インビジブル』は種類がありすぎで、どれかわからなくなりました。店頭でコメンタリー、音楽トラックの有無をご確認ください。

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2006年11月24日 (金)

実相寺ウルトラ上映会は無料

 先日告知した実相寺監督のウルトラマン、セブン上映会の件(主催:法政大学映画団体協議会)、いよいよ明日ですが、入場無料とのことです。お時間のある方は、ぜひいらしてください。場所はこちらで。よろしくお願いします。

【実相寺昭雄監督プロフィール】
1937年3月29日東京生。映画監督(演出家、小説家)。1959年早稲田大学第二文学部卒業後、TBSに入社し演出部へ。65年に映画部へ転属し、円谷プロに出向、ウルトラシリーズの監督を手がける。69年『宵闇せまれば』で映画監督デビュー。70年にTBSを退社し、ATG長編映画『無常』でロカルノ映画祭グランプリ受賞。以後、独特の映像感覚とエロティシズムで映画、テレビ、舞台、文筆など幅広く活躍。東京藝術大学名誉教授。

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2006年11月23日 (木)

ウィッチブレイド Vol.5

 後手に回ってしまいましたが、レギュラーで担当しているTVシリーズ『ウィッチブレイド』(GONZO)のDVDです。毎巻、惹句+ストーリー(表4)、キャラ&設定紹介、インタビュー(ライナー)を担当しています。
 今回は、「設定考証・コンセプトデザイン、メカ作画監督」と幅広い活躍をされた小倉信也さんに取材しました。『プラネテス』以来、何度かプライベートでもお会いしてますが、実に多才な方です。ショッカー怪人に相当する怪物エクスコンなどに関するメイキングは、大橋監督、小林靖子さんの取材ともリンクしていて、話をうかがっていてもなかなか面白かったです。
 物語的にもこの5巻は第13話「別」から第15話「絆」で雅音と玲奈との母親ドラマがクライマックス。後半への転機になるところですね。例によって、TV版から盛大に脱いでますので(笑)、再見のしがいがあります。作画も盛大に修正されているのですが、ペイントを肌色にするだけでこんなに印象が変わるというのは、ちょっとした発明かもと感心してます。

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スカイパーフェク TV ! ガイド

寄稿題名:氷川竜介のアニメ総合研究所(連載)

 今月は第1作目の『機動戦士ガンダム』について、「人気キャラ アムロとシャアの魅力の核心に迫れ!」というお題で書いてます。2人の関係についてはいろいろと語られてますが、文字数が少ないので本質的なところを狙って書いてみました。こないだのカルチャーサロンでも触れましたが、「お話づくり」の核心に迫るようなところがあるんですよね。
 コラムでは指定があったのをうっかりして(苦笑)、「TV版もよろしく」みたいな原稿を書いてしまい、自分でボツにしました。もったいないので下に貼っておきます。DVD化もあと1月を割りました。

<TVシリーズ『機動戦士ガンダム』>
現在、『機動戦士ガンダム』として参照されることの多いテキストは、1981年に三部作として公開された劇場版である。非常に手際よく物語の中核をまとめきった映画だが、原点はあくまで1979年に放送されたTVシリーズである。戦争というあまりに巨視的なものや、活き活きとした人間たちの関係の機微など、機会あればぜひそのビビッドな大河ドラマに触れて欲しい。

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16mm上映:実相寺監督ウルトラ

 直前の告知で失礼します。実相寺昭雄監督に関するトークをすることになりました。「主催:法政大学映画団体協議会」からいただいた告知用資料を以下に掲示します。
 一般入場も可だそうです。有料・無料の別は問い合わせ中です。フィルムで観られるチャンスはなかなかないので、お時間のある方は、ぜひいらしてください。
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 実相寺昭雄監督作品である「ウルトラマン」「ウルトラセブン」を16mmにより上映します。

日時  11月25日(土)  11:00~16:30
会場  法政大学市ヶ谷キャンパス55年館 1階 511教室
プログラム  11:00 / 14:30 「故郷は地球」
       11:30 / 15:00 「空の贈り物」
       12:00 / 15:30 「狙われた街」
       12:30 / 16:00 「第4惑星の悪夢」
       13:10~14:10   氷川竜介講演会
「我々はどのような眼で実相寺昭雄監督作品を見るか?」

入場無料。主催:法政大学映画団体協議会

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2006年11月22日 (水)

舞-乙HiME Zwei (1)

 人気TVアニメ『舞-乙HiME』の続編OVAです。
 題名では分かりにくいのですが、『乙』の字を『Ζ(ゼータ)』にリスペクトしてあったのと同様、今度は『ΖΖ(ダブルゼータ)』にちなんだロゴです。
 冒頭、16:9とゴージャスなワイドになった画面にオトメたちが勢ぞろい。何をするかと思ったら、「隕石落としの阻止」です。おいおい、1個先へ進んでるぞとのっけからツッコミ誘発。内容は「新たな敵!」「ダブル主役!」と「まんがまつり感覚」が横溢していて、なんだか楽しかったです。「つづく」になっちゃうのは、ちょっと残念。
 それにしても、ガンダム的なメカ少女がアクションという作品は他にもありますが、少女そのものがガンダム的スーパーアクション(でもメカじゃない)というのは似て非なるもので、これはこれで嬉しいというのが再発見できました。ファンなら必見の作品でしょう。

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2006年11月21日 (火)

FLAG Vol.3

寄稿題名:志が心に染みるアニメ――『FLAG』

 原作・総監督:高橋良輔(『装甲騎兵ボトムズ』)の最新アニメ『FLAG』の第3巻に寄稿しました。最初は「変わったコトするなー」ぐらいだったのですが、見続けるうちにどこかで「カチン!」とスイッチ入って、ものすごくのめり込んでしまいました。
 リアル感、没入感という点では、間違いなくアニメ最先端の地平を行ってます。宮武一貴氏のデザインしたロボットも出てはきますが、戦闘のリアリティがすさまじい。この3巻に入っている制圧行動のプロセスを観てると、「リアルロボットアニメ」とかいう既存の単語が意味なくなったとまで思ってしまいます。
 DVDは音響監督・百瀬慶一氏の5.1chサウンドになってるはずなので、その点でも再見が楽しみです。
 原稿の一部はこんな感じ(最後に掲載)。作風をくみとっていただければと思います。
 なお、この6話でいったん間をあけ、7~13話で完結に向かいます。すでに最終回の予兆とか出ているので、その点でもドキドキものの3巻ですね。

 他にも『FLAG』では、MXテレビの紹介番組で高橋良輔監督と対談をさせていただく予定です。硬派な方では、もっとも注目している作品ですね。

(抜粋)
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 斬新なカメラ視点、迫真の映像素材、ドキュメンタリータッチの編集。本作は、デジタル技術で新展開を迎えるアニメシーンに大きな意義を刻みこんだ。その映像が見せるものとは?
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(略)画面は驚異の映像を次々に展開し始める。戦場のスチルや動画と生活感あふれる日本のスチルが交錯し、シャッター音がカットを刻む。永劫の時空を漂流するかの音楽に乗せ、男性が渋い独白を続ける。やがてゲージや表示のついたカメラ画面はフレームを揺るがせながら移動し、対象を捉え始める。結局、カメラを操作する語り部はなかなか写らない……。
 これは、誰かが事物を見つめて解釈をしている語り口。「人称」を明らかにしながら、その地平で人肌を求めてドラマを展開させる新しい作法なのだ。
 このようにして既存のアニメ映像の文法をはるかに超越した表現が、「何か特別な感じ」をフィルム全体に賦与する。そして、物語の主舞台が現実と地続きのリアリティあふれる紛争地域だとわかり始めると、そのフィーリングはテロが身近という現実の恐怖感に直結し、主人公・白州冴子とともに観客をその地へと誘い、没入させてくれる。(略)
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 では、現行の他のアニメ作品と『FLAG』の映像テイストは、何がどう違うのだろうか? その核を凝縮すれば、「緊張の連続が醸し出す臨場感」ということになる。それを底支えするのが、「誰がどんな機材でどのような状況下で撮影したのか」をクリアに伝える「カメラの人称表現」だと言える。
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単行本「BSアニメ夜話」 (3)パトレイバー

 店頭にも出回り始めてますが、TV番組「BSアニメ夜話」を単行本化するキネ旬のムック『機動警察パトレイバー』(劇場版1、2)の巻が発売されました。
 今回は、以下の原稿を書いています。

・アニメマエストロ+
 小倉宏昌美術監督「背景美術」の役割

 今回は番組再録をベースに、話自体をわかりやすくすることに徹しました。

・パトレイバーのたどった道筋と変遷

 劇場版だけがポツリとある作品ではないんで、全貌がわかるように整理
 してみました。

 ムック全体では恒例ですが、番組でカットされた部分も再録し、出演者に追加インタビューを行ってアフターケアもしています。

 番組オンエア 2004年10月25日(月)
 「機動警察パトレイバー(劇場版)1、2」(監督: 押井 守)
 特別ゲスト: 出渕裕(企画・原作&メカデザイン)
 ゲスト論客: 大森望(SF評論家) 国生さゆり(女優) 宮台真司(社会学者)

 なお、諸事情により、オンエアされた全番組が単行本化されるわけではないようです。こちらとしては、電波は消えてしまうことが基本なので、流しっぱなしでなく、活字化のフォローをしてもらえるだけでありがたいです。希望作品があれば、ぜひ版元にリクエストをお願いします。

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2006年11月19日 (日)

三越カルチャーサロン第1回と評論集

 おかげさまで第1回(第2シーズン)を終えました。「脚本・演出」を「観客の立場から語る」というお題でした。長時間になりましたが、参加者が楽しんでいただけたら幸いです。
 第2回以後の予定はこちらへ。第2回目は余力があれば美術の話もするつもりです。

http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/culture/lesson_oneday3.html

 評論集の方も平均1日1件を目標に登録しています。三越で語ったことと関連して、評論というものの書き方について、ひとつ思いをこめて書いた原稿を登録しました。ちょっと文芸的に書いてみたらどうなるのかなという感じで。読み返したら、案外自分にも筆力がありそうな気がして、少し安心しました(笑)。『茄子 アンダルシアの夏』に関するもので、当時マスコミの方にほめられて、ちょっと嬉しかったです。

http://hikawa.cocolog-nifty.com/hyoron/2006/11/post_a19d.html

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2006年11月16日 (木)

追悼:石川賢さん

 すでに訃報が流れていますが、昨日、漫画家の石川賢さんが亡くなりました。

http://www.asahi.com/obituaries/update/1116/002.html

 最初の出会いは少年サンデー掲載の『ウルトラマンタロウ』だったでしょうか。当初からエネルギッシュな漫画で、度肝を抜いてくれた記憶があります。もちろんコミック版『ゲッターロボ』のムサシの最後も。マンガ少年で桂真佐喜(辻真先)と組んだ「聖魔伝」とか、すいませんちと古めの作品が先に出ます。
 近年の「ゲッター・サーガ」の、いったいどこに行くのかわからない破天荒ぶりも注目してました。ダイナミックプロの友人経由でゲッターの特集マンガ誌にいただいたサインが家宝です。

 ご冥福をお祈りします……。

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ケツネコロッケのお銀(押井守監督)

 さらに検索していたら、「えー?」というアイテムがヒット。

●女立喰師列伝 ケツネコロッケのお銀-パレスチナ死闘篇-

 発売予定日は2006/12/22。「収録時間: 23分」ということなので、これは新生「リュウ」の創刊号付録とほぼ同じもの?
 リュウのやつは、「いきなり知り合いのよく知った顔が大写しになって驚く」という点は本家のままでした。内容は……まあ動かしてしまうと、逆効果かなあ、というのが正直なところでした。一応、amazon張っておきます。世評などよく確認してからご覧になることをオススメします。

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東京静脈(押井守監修)

 別件で検索していたら、たまたま引っかかりました。六本木ヒルズができたとき、知人でランチ仲間のディレクター野田真外氏が撮った作品です。解説書を依頼されて文章を書きました。
 劇場版『パトレイバー』のロケハンと同じ水路を通るため、関連グッズとも言えますね(笑)。展示時はマルチスクリーン上映でしたが、それを画面分割で再現しています。いずれHD機器が普及した暁には、もっときちんと再現されるのでしょうか。
 まだ通販しているようです。川井憲次さんの音楽に乗せた環境ビデオとしてもいいかも。

http://www.granaten.co.jp/dvd.html

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2006年11月15日 (水)

テレビマガジン 2006年 12月号

 さすがにずいぶん前から児童テレビ誌は購読してないのですが、今月は35周年記念の付録が魅力的だったので買ってみました。

●超ヒーロースーパー年代記

 「超」と「スーパー」がかぶってるのはご愛敬。1971年の仮面ライダー2号からミラーマンREFLEX(!)まで、全68Pで編年体にてアニメ・特撮問わずヒーローの写真中心に構成。
 仮面特撮ヒーローが主ですが、ロボットアニメも入っているし、たまに「魔法陣グルグル」なんかも入ってます(笑)。「サンダーバード」が1980年になってるのは再放送のときのテレマガ特集のためですね。そんな風にテレマガ掲載のみと、2色なのは仕方ないですが、流れがわかる資料としてはいいのかなと。
 表2に「テレビマガジンは世界初のヒーロー専門誌だ!」とか「創刊の時は、仮面ライダー旧2号が登場して5か月」とかいうキャッチやリードが踊っているのが、ちょっとマニアックです。構成は岩畠寿明氏(エープロダクション)。
 あっ、いま気がついたけど、この表紙の「いきまーす」ガンダムは、私が劇場版のときのテレマガムック用にセル撮に立ち合った写真だなあ。本文の方の写真も自分ゆかりのやつだし。遺産(?)が残っていて嬉しいような。
 表4には珍しいデビルマンの当時の版権セル画が再録とか重箱隅的でマニアックな楽しみ方もできます(笑)。
 本誌の方でも「全仮面ライダー特集」とかやってて、児童誌ながらも歴史に手厚いのは良いことですね。

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2006年11月13日 (月)

サンダーバード他のメカ画集(洋書)

 少し前にサンダーバード研究家で知られる伊藤秀明さんから見せてもらった画集が日本のamazonでも予約可能になりました。

●The Future Was F.a.b.: The Art of Mike Trim

 ペーパーバックと書いてありますが、横開き総アート紙の立派な本です。『サンダーバード』『キャプテンスカーレット』『謎の円盤UFO』などのMike Trimのデザイン画を中心に、他にも戦争映画やレコードジャケットも掲載という豪華版。ウェルズの『宇宙戦争』の有名なマーシャン・ウォーマシンのイラストも掲載されていて、嬉しくなってしまいました。

 ある時代を代表するセンスが充満しています。英語版ですが、SFメカに興味のある方は必携でしょう。

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2006年11月12日 (日)

プライベート・ライアン

 この数年、5.1chサラウンド関係の取材のたびに引き合いに出されていたのが表題の映画です。有名すぎるので内容は割愛。dts版で視聴しました。現在廉価版でも観られますが、そちらはドルビーデジタル。
 dtsとドルビーデジタルは世間的には圧縮率の低いdtsの方が良いと思われてますが、実は一長一短というか、どちらが良いとも言えない部分があると言います。ただ、こうした低域の音圧重視のものとなると、dts版は音のパンチがまるで違うように感じました。
 引き合いに出されるのは冒頭Dデイのノルマンディー上陸ですが、改めてなるほどなと思いました。

 ・上陸用舟艇で待機中に周囲の爆音が低く、しかし壁越しに聞こえる
 ・水没したときの一瞬、現世が遠くなっちゃうような感じ
 ・至近距離で爆破が起きて耳が聞こえなくなり、世界がコマ落としに見える

 弾着の金属音や移動中の兵士のチェーンの音もいいんですが、上記のような死生を分かつような臨場感といったところに音響が凄まじい活躍をしています。さすがスカイウォーカー・サウンドというのを改めてdtsの威力とともに知りました。
 全体の構成もよく考えられてるなと思いました。冒頭あれだけカマしてあるので、中盤はなんでもない音や動きに緊張するようになるわけですよ。もちろんそれを経たクライマックスの戦車戦も、一回沈み込んだ分だけいい感じに音が染みるわけです。DD版持ってるのにどーしよーと思いましたが、買い直して良かったです。

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2006年11月11日 (土)

機動戦士ガンダム CD-BOX

 ようやくamazonにジャケット写真(安彦良和氏描きおろし)が掲載されました。ということで、この夏~秋にDVD化と平行して携わっていた大プロジェクトをご紹介。

★「機動戦士ガンダム CD-BOX」(価格:¥29,800税込)
(キングレコードから12月21日に発売)

 全14タイトル、総計18枚に及ぶ壮大な復刻プロジェクトです。
 1979年~1984年にかけて発売された全アルバムを紙ジャケットCD(デジタルリマスター)で完全ミニチュア復刻! ダブルジャケットの再現や、折り込みになっていたカラー解説書などもそのまま。
 ジャケットアート、ポスターも30センチサイズで美麗に画集化。当時のアルバムスタッフの座談会を始め、貴重な証言満載のブックレット添付(つまり2冊ついてる)。
 ミニチュア化で文字が読みにくいものは、ブックレット掲載と、拡大表示可能なCD-Rを添付。現在考えられる限りの粋をつくし、「ここまでやって完全復刻(というよりは完全ミニチュア化)と言える」というものを目ざしてます。
 これらをギッシリと30センチLPサイズの箱に収めました。
 総音楽集は別途出ていますが、構成は新規に網羅的なものとしてますので、「アルバムとして」当時の曲順で聞けるのはこちら。以前のCDより音質もかなり向上しています。

 氷川も次の機会はないという覚悟で、全タイトルについて記憶してる限りのことを記してます。各アルバム1600w以上書きました。裏話やメイキング秘話、それぞれのアルバムの意味づけ、またその時々の時代の流れと、そこを出発点に何がこの5年間に起きたか、一種のドキュメンタリーとしても読めるはずです。
 NGになった画稿やポスターの別バージョン、販促物やカセットテープに至るまで、ありとあらゆる当時のアイテムを結集した画集は、けっこう見応えがあります。
 『機動戦士ガンダム』究極の音盤と言えるかなと思います。

※劇場版「ドラマ編」はオリジナル音声ですが、アルバム復刻という趣旨から1作目と2作目は一部カットされています。「めぐりあい宇宙編」はノーカットです。

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2006年11月 9日 (木)

映画『デスノート』

 映画『デスノート』(金子修介監督)を観ました。

 特に原作の熱心なファンというわけではないこともあって、これはこれで良いんではないかと感じ、またいろいろなことを考えさせられました。
 名前を書いただけで他人を死なせる、殺害の罪悪感なしに人を処分できるデスノートのパワーを得たものは、正しい行為だという信念を持ちつつも、その正しさを根拠にした害意を芽生えさせる。そんな物語です。いや、芽生えるというと、無から有ができるようにも聞こえる可能性が残りますね。害意は「個人を基準にした正しさ」を種にして肥大するという風に描かれているわけで、最初からそれは人の中にある「個の正しさ」と同じものなんだよという構造をもつお話なわけです。
 その「オレ的正しさ」が、普通は他者や、他者の集積である社会とぶつかり、どこかでパワーの均衡が取れるわけなんですが、そのバランスが崩れたらどうなるかというお話でもある……。
 まあ、フィクションなので「ああ、あいつはバカだね」で終わってもいいんですが、あんまり他人事ではない、今の社会につながってる感じがつきまとうので、映画が終わっても残るものがあります。たとえば「パワーを持つ」ということに関して言えば、匿名でネットに気ままに放言するということなども、本質的にはデスノートと同じパワーがあるわけです。
 何度か匿名で誰かに「死」を掲示板で宣告することが問題になってますが、デスノートと違うのは「確実かそうでないか」という点だけでしょう。その言葉が他者に何らかの害や死につながる負の作用をもたらすという点では、本質は同じなんですよ。むしろ不確実だからということを隠れ蓑にして、「だから、そういう悪意を他者にぶつけてもいいんだ」という発想を招く分だけ、タチが悪いとも言える。実際、映画中のマスコミ(TV局)も、そうしたタチの悪さに隠れて公正中立を忘れてキラに加担したりしてるわけで。
 人間は個としては愚かだし、だから衆としての叡智をもとうとしているのだと思います。でも、愚かな個の口にネットというスピーカーが装着されることもあり、携帯という個に寄りすぎのツールで個が肥大しすぎる時代、どうやって適正なバランスを取り戻すのかという、そんな寓話としても観られるのかなと。

 前編は見逃していたのですが、割と短い時間差で前編・後編と続けて観ることができて、かえって良かった感じです。千円興行というからめ手にもヤラれてしまいました(笑)。頭の良い掟破りの作品だけに、上映中に一部をTVオンエアする、直前に前編をオンエアする、小屋にも廉価でかける、ともかく「あの手この手」で製作側が知恵を絞っているところに好感がもてました。
 「デスノートという優良コンテンツがございまして」ではなく、「今はこれを観てほしい!」という熱意が感じられるのは良いことだし、結局そういうことから始めるしかない。さっき言ったような寓意と底がつながった熱意でもあるなら、なおのこと漫画よりも多くの人が観られる映画という媒体になることには意味があるのではないでしょうか。
 何にせよ、「個としての正しさが拡大した害意」に対抗できるものは、「衆としての叡智」だけなのですから……。

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2006年11月 8日 (水)

村田耕一さん逝く

 オープロダクション代表取締役、アニメーター・作画監督の村田耕一さんが亡くなったとのことです。
 今年、小松原一男さんをしのぶ会でお近くの席となって面識をいただき、2次会でもお近くだったので、改めていろんなお話をうかがいたいなと思ってた矢先の訃報で正直ショックです。
 謹んでご冥福をお祈りします。

 なお葬儀・告別式等の情報は以下で……。
http://www.oh-pro.co.jp/index3.html

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賢者のプロペラ/平沢進

 映画『千年女優』つながりでご紹介。この映画のサントラに曲を提供しているのは平沢進さんですが、今 敏監督に大きな影響を与えたのがこのCD。
 こないだ書いた原稿の一部を引用すると、こんな感じです。

 今 敏監督は「物語や発想は氏の影響に負うところが大きい」と、インタビューで答えている。それは音楽に「フラクタル理論」が応用されたことを指している。自然界に存在する山の稜線や雲、波、植物の発生などの形は、複雑な小さい図形が積み重なりつつ反復して大きな図形の複雑さとなる構造を備えている。それがフラクタルで、平沢進はそうした構造を生成させるプログラムを作曲に応用しているという。『千年女優』の映像も、まさにそういう小さな激しさが繰りかえされ、反復されて大きな「うねり」を招来するように組み立てられている。

 というわけで、このCDはまさにそんな感じ。というか、『千年女優』の場合は、メインテーマを含む主要な曲は、このアルバムに収録された楽曲をもとに作られているんですね。『妄想代理人』と新作『パプリカ』の音楽も平沢進氏ですが、というわけでルーツを聴きたい方にはオススメの一枚。
 さっきも聴いてて、何だか気持ち良くなってしまいました(笑)。さすがにDVDの方までは持ってませんが、ちょっと気になります。

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2006年11月 7日 (火)

評論集追加「千年女優」

 今 敏監督の最新作『パプリカ』公開迫る! ということで、『千年女優』のときに書いた原稿をまとめて掲載しました。

●プレスシート
http://hikawa.cocolog-nifty.com/hyoron/2006/11/post_4714.html
●パンフレット
http://hikawa.cocolog-nifty.com/hyoron/2006/11/post_5b5d.html
●ムック
http://hikawa.cocolog-nifty.com/hyoron/2006/11/post_f5f7.html

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パプリカ

 いよいよ11/25(土)から公開となりました。筒井康隆×今 敏監督という夢のタッグ、長編アニメーション映画『パプリカ』です。パンフレット用に評論を書かせていただきました。
 公式サイトもなかなか凝っています。

http://www.sonypictures.jp/movies/paprika/site/home.html

 今 敏監督作品については、『千年女王』ではプレス、パンフレット、DVD、『東京ゴッドファーザーズ』ではプレス、ムック、DVDとリアルタイムでお付き合いさせていただきました。今回の映画合わせで出る予定のムックにも、全作品の評を書いてます(決定次第、後報)。
 今回はまさに監督の集大成であり、アニメーション的な面白さで虚実のひっくり返し技がギッシリと詰まってます。現実の足もとが大きく揺れるような感覚が楽しみどころ。主演に林原めぐみ、古谷徹とベテラン声優があたっているのも聴きどころです。
 原作とはだいぶ構成や表現を変えているのですが、しかし肝心な核は外していないというあたりも、良い感じでした。あと、他作品含めて「筒井ネタ」も満載なので、長年のファンとしては嬉しいです。

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週刊アスキー 11/21号

 このブログでは資料に買ってるものも紹介しています。
 ナニゲにアニメの記事が載るので油断のならない「週刊アスキー」ですが、いま書店に並んでいるものには「ティム・バートン×水島精二」という豪華な監督対談が4頁にわたって掲載されています。『鋼の錬金術師』は米国で着実な人気を得つつあるということもあり、水島監督の露出は嬉しい限りです。
 『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス3D』のための対談ですが、けっこう興味深い内容で感心しました。
 この映画は144fpsという高レートの上映で3Dにするものですが、かつて作られた人形アニメのフィルムに右目用の映像をILMが追加で加えることで3D化するという……要するにそれって映画まるまる1本をCGでリメイク、その上に視差情報をつけ加えたってことですか? という気の遠くなるような話なのです。
 よくわからないのは、オリジナルの人形をスキャンし直したという発言のあることで、だからと言って位置決めまで全部同じに3Dで置けるものなのか? なんとも凄まじいテクノロジーという感じです。で、これは紛れもなくILMにとっては、既報の「スター・ウォーズ」の3D化の前哨戦であるわけでして、すでにそこまでできてるなら、30年近く前に撮った映画の3Dもできるんじゃないの? という気分になったところが最重要。
 バートン監督は自身で監督しなかったことについて、「監督のヘンリー・セリックはアートスクールに通っていたときからの知り合いで」と語ってますが、これはたぶん「カルアーツ」のことですね。バートン、ジョン・ラセター、ブラッド・バードはカルアーツの仲間で、この大学はディズニーが出資して作ったものなんですよ。彼らの作ったものには妙にシンパシーを感じるのも、そこら辺なのかなとか思ったり。
 ともあれ、最先端の3Dを観に行かなくては……。 『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス3D』の公式サイトは以下です。公開中。

http://www.movies.co.jp/nightmare/

 ちなみに旧作も毎年なのか、クリスマスどきにリリースされてるようですね。ロングセラーになりました。

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DIME22号(小学館)

記事題名:日本アニメの大人気維持と発展は2.5Dにあり!?

 取材を受けてコメントをしました。2Dと3Dの差はなかなか難しい問題とはいえ、こうした一般トレンド誌で話題になること自体、ありがたいです。シニア世代がいずれインディーズアニメを作るであろう話も記者さんにしましたので、それが話題になってるのも嬉しいことです。

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評論集追加「ダーティペア」

 DVD-BOX化を記念して(?)、『ダーティペア』の紹介記事の再録です。BOXはTVシリーズでVAPからの発売ですが、連動企画としてバンダイビジュアルからOVA版のDVD化もあります。前に出た劇場版も収容可能なBOXがついてるようです。

http://hikawa.cocolog-nifty.com/hyoron/2006/11/post_c205.html

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2006年11月 6日 (月)

評論集追加「∀ガンダム」

 月刊アニメージュ付録用の原稿です。厳密には評論ではないですが、読み返したら自分で笑ってしまったので、再掲します。このころ(2000年ごろ)は脳の回転がいまと少し違っていたのかもしれません。
 「∀ガンダム」は知人がいまハマってるとこだったりもして、永く愛される作品になったのは嬉しい限りです。

http://hikawa.cocolog-nifty.com/hyoron/2006/11/post_c88b.html

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『メトロポリス』フリッツ・ラング監督

 国内版がやっと出ました。劇場映画『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』でもキャラクターとして登場するフリッツ・ラング監督の代表作。1926年当時、世界随一だったドイツ映画の総力を結集してつくりあげた超大作で、後年のSF映画に与えた影響は計り知れません。
 ジャケットにもなっている女性型アンドロイドのマリアは、直接的には『スター・ウォーズ』のC3-P0の影響してますが、いま見てもぎょっとするほどの完成度。物語的にも支配者層に搾取される労働者との対立を描いた上に、ともかく映像に力があるので、唖然とします。
 散逸してしまったプリントは何度となく復元が試みられてますが、今回はデジタル技術の成果で相当なレベルで修復され、サイレントながら音楽も復刻ということで、かなりのものになってます。映画というのは「科学の申し子」のような芸術様式なのですが、いろんな側面でそれを感じさせる作品でもありますね。
 すでに海外版を輸入していたんですが、ちょっと悩ましいですね。紀伊国屋書店の発売なので、ハリウッド・プライスとかにはならないだろうし……。

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2006年11月 5日 (日)

評論集追加「出崎統監督の印象」

 月刊アニメージュへのコラム寄稿です。『ガンバの冒険』や『エースをねらえ!』でおなじみ出崎統監督について、クリエイターや関係者が語る中に混ぜていただいた原稿です。

http://hikawa.cocolog-nifty.com/hyoron/2006/11/post_faaa.html

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2006年11月 4日 (土)

評論集追加「おいら宇宙の探鉱夫」

 表題を掲載しました。
 月刊アニメージュ(徳間書店)での初連載「新世紀王道秘伝書」の最終回にあたる原稿です。

http://hikawa.cocolog-nifty.com/hyoron/2006/11/post_839f.html

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『リーンの翼』無料配信!(日曜限定)

 バンダイチャンネルさんから以下の情報をいただきました。
 ご覧になっていない方、興味のある方、ぜひこの機会にチェックしてみてください。

原作者にして総監督である富野由悠季の誕生日(11月5日)を記念して、24時間限定で
『リーンの翼』全6話を一挙無料で配信いたします。
是非この機会に最新の“バイストン・ウェル”サーガをお楽しみください。
      開催期間
2006年11月5日(日)12:00~
2006年11月6日(月)12:00まで

      視聴ページ

視聴方法
1.開催期間中に上記視聴ページにアクセス
2.「視聴ボタン」(500Kまたは1M)をクリック
 ※開催期間内は何度でも視聴可能です。

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『リーンの翼』解説

寄稿題名:越境する物語「リーンの翼」

http://www.b-ch.com/rean/hikawa.html

 富野由悠季監督の最新作『リーンの翼』完結記念ということで、総論を書きました。初のブロードバンド先行作品ということで、媒体はWebです。

 あと、この「必見ポイント」も氷川が書きました。ご参考に。

http://www.b-ch.com/contents/feat_y_tomino/index.html

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2006年11月 3日 (金)

『大空魔竜ガイキング』DVD-BOX

寄稿題名:レトロとオカルトと科学を散りばめた万華鏡的な作品

 非常に好きな作品です。先ごろまで放送していたリメイク版はキッズ的になってましたが、オリジナルは金田伊功氏の名前を刻みつけた点も記念碑的でしたし、ゲスト回のドラマが傑出しています。解説を書かせてもらって嬉しかったです。前に作品の魅力を記した原稿も発見したので、別途、評論ブログに上げておきます。

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 ブログ「氷川竜介評論集」を更新しました。

●『巨人の星』紹介記事

●長浜忠夫監督論

 旧原稿は随時発掘中です。「巨人の星つながり」になったのは、偶然です。「長浜監督論」は10年も前の原稿だったので、ちょっとビックリ。ただ、書いたころと状況が変わっていて、作品を観ることがもっと容易になっているし、書いたときよりもさらに『ガンダム』がメジャーになっているので、ナナメ読みして感慨深かったです。

 なお、基本的に紙で赤を入れる校正前のテキストなので、掲載されたものと一部異なる場合があります。また、表記や文字遣いなども不統一があると思います。もし何か誤りがあれば、古い原稿でもあるので、お手柔らかにご指摘をお願いします。

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2006年11月 2日 (木)

評論集のブログを作りました

 旧原稿で今読んでも面白そうなものを発掘中ですが、長文が多いので、ブログを分けることにしました。
 サイドバーにもリンクがありますが、以下のURLです。更新は随時。

http://hikawa.cocolog-nifty.com/hyoron/

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「おいら宇宙の探鉱夫」DVD化!

 前にアニメージュで「王道秘伝書」という連載をしていたとき、第4部以後はOVAを取りあげました。これからきっとDVDやネット配信の時代だからと、何度もかかって欲しい作品、なかなか知られていないけどスゴイ作品を中心にしたのです。いつかDVD化希望という願いもこめて。そのトリを前後編でとった「おいら宇宙の探鉱夫」がついにDVD化ですよ!
 監督は飯田馬之介、キャラクターデザインと作画監督は川元利浩。小惑星を生きる環境として自然に受け止めている少年と、それを取りまく人びとが苦難に立ち向かうという、これぞジュブナイルSFにして、まさに王道中の王道を行く作品。宇宙空間における無重量描写から生活圏の成り立ちから、そこで生計をたてている人たちのメンタリティまで、まるごとSF的にスキなく構築できた作品は、いま現在でもたぶんこれだけ……というと明らかに言い過ぎなんですが、思わず言いたくなるような密度と世界観にして、なおかつワクワクドキドキ感とキャラの魅力もあるという。
 惜しむらくは第2話の引いたところで中断していることで、今のところ未完なことですね……。
 そういや川元利浩さんの画集をお手伝いして打ち上げのときにも、せがんでフキ(本作のヒロイン)をサインしてもらいました。へっへっへ。1巻の方に収録。2巻はフェイをお願いしました。というわけで、舞いあがっております。今までは「ともかく観てよ」と言っても難しかったわけなので、ひたすら嬉しいです。


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2006年11月 1日 (水)

スネーク・フライト

 映画の日なので川崎チネチッタで観てきました。妙に混んでました。サミュエル・L・ジャクソンのあのCMの名台詞を聞いたら、そりゃ来るよな(笑)。
 試写状が何度か来てて、そのときから「すげー企画だ(笑)」と大喜びしてたんです。行き損なったら、あのCMですよ。だって、映画って日本で言えば「見せ物小屋のヘビ娘」とか「六尺の大イタチ」の子孫なので。深い映画もいいが、下世話な映画はもっと好き。
 ちなみに、この手の映画ジャンルは何と言うでしょうか? SF? ファンタジー? サスペンス? ホラー? 動物もの? パニック? 最後はちょっと近い。正解は「アニマル・パニック」と言います。ちょっと所用があって、自分では絶対に観ないタイプの映画『アナコンダ』のDVDを、「どこだ?どこだ?」と棚を捜しまわったときに先のタグを全部回って発見できず、隅っこで見つけたときにはポン!と膝を打ちましたよ。
 で、そのジャンルの映画ですと言えば、説明完了。ストーリー的な予想は裏切っても期待はまったく裏切らない。やるべきことは全部やってくれる。たとえば「戒律を犯す者」のたどる運命などホラー映画的で実に教科書どおりだけど、それもまた良し。さらに突っ込みどころもいくつか用意しているような、サービス精神行き届いた映画です。「数千匹は多すぎだろう!」とかね。
 まあ、マニアなツッコミを入れておくと、エイリアン4的なヘビ主観映像はどうなのよとか、本編中で機内大騒ぎの最中に「へー、あのCMは明度や口パクのタイミングをデジタルでいじってあったのかな」と妙に冷静なことを考えたりとか、そういうとこはあります。頭の片隅で『名探偵コナン』の劇場映画を思い出したり。飛行機パニック映画的文脈もアリアリです。
 あ、ってことは「機内上映禁止」ですね。前に『イレイザー』を機内上映(確かハイエイトだった)で観たとき、シュワルツネッガーが小型飛行機の内部で大暴れしてエンジン破壊して脱出するところが妙にカットされてて、何度も巻き戻したのを思い出しちゃいました。
 どんどん話がそれていきますが、サミュエル・L・ジャクソン、実は来日したときの某パーティーで至近距離にてご尊顔を拝見したことがあります。さすがに話しかけられませんでしたが。ドレスコードは和装でした。妙にそのときのことも回想が浮かんだりして。

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