少年ドラマシリーズ「タイム・トラベラー」CD
ひとつ前のCDと同時に届きました。同じシリーズ?で9月21日発売。
長生きしていると年に数回「え!今になってこんなものが」という『腰ぬけ級』のアイテムが出るものですが、これも間違いなくそれです。
1972年から本作でスタートしたNHKの少年ドラマシリーズは、全国同時放送ということもあって、おそらくある世代の「SF好き」志向を強めたものだと思います。原作は筒井康隆の「時をかける少女」。そう、今年の『時かけ』ブームも、このドラマ化がなければあり得なかったもので。長年の捜索の末にテープが発見されたものだそうですから、映画化に合わせたわけではないと思いますが、こうやってシンクロすることに非常に感慨深いものを感じます。やっぱり作品自体が「時をかける」ものなのでしょうか。
「タイム・トラベラー」と「続タイム・トラベラー」の作曲は、『鉄腕アトム』の高井達雄氏。オリジナルのテープは現存せず、どうやらプライベートに保管されていたコピーらしく、もしかすると出始めのカセットテープかも? 懐かしいモガモガ音質で、さすがに高域などまったく出ないものですが、それでも貴重で涙します。巻末に、ビクターから発売の予定されていた再演奏版が収録されています。あと、他のCDにはもう少しクリアなテーマ曲が入っていたはずですが、それが入っていないのがちょっと残念。インタビューは高井達雄氏に行っていて、チェンバロを使ったのは子どもではなく中高生向けを意識して、という発言が目を引きました。案外そういうものって、強く伝わるものなんだなあと。
なお「タイム・トラベラー」自体は数年前にDVDで最終回だけが発売され、その他のエピソードも音声だけは同時に収録されています。多面的にタイムトラベルを実現している希有な作品になりました。
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