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2006年10月

2006年10月31日 (火)

CG WORLD 2006年 12月号

 アニメやCG映画、特撮の技術的情報が掲載されたときには買うようにしてますが、今月はお買い得感が高かったです。『パプリカ』絵コンテを使った今 敏監督のCG技法の取材(4P)、『攻殻機動隊SSS』神山健治監督のインタビュー(2P)、あとメカデザイナーの福地仁氏による連載メカデザイン講座(4P)も始まりました。先端映像メイキングに興味のある方向けです。

CG WORLD (シージー ワールド) 2006年 12月号 [雑誌]

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マスターグレード『パトレイバー』再発売

 『機動警察パトレイバー』のプラモデル(マスターグレード)が再発売されているようですね。ちょうど『BSアニメ夜話』単行本のパトレイバー仕事をしたばかりなので、箱が山積みされていて嬉しかったです。ちょっと不思議なシンクロです。
 実は数年前、バンダイさんのプラモデルのインスト内解説のお仕事をいくつか手がけさせていただきました。ラーゼフォン、ライディーン、オリジナルオージェなどを担当し、『パトレイバー』でもグリフォン(フライトタイプ)とイングラム(リアクティブアーマー)は、私が担当させていただきました。確かグリフォンは、開発過程のイラストのラフまで描いた気がします。
 無記名でこうした仕事もけっこうたくさんやってます。このプラモデル、非常にできが良くて特にグリフォンの艶とか良い感じです。

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2006年10月30日 (月)

ガンダムエース 2006年 12月号

寄稿題名:ガンダムの時代 第50回「マ・クベの生きざまに組織人の悲哀を見る」

 50回とは自分でも少々驚きです。そんなに書いたのかー。
 今回は、『機動戦士ガンダム』TVシリーズ、DVD発売の応援も兼ねて、最近見返してもっともおもしろかった人物、マ・クベ司令について突っこんで書いてます。この人、昔は「ヘビみたいな嫌なおっさん」だったんですが、改めて観察すると本当に面白い。しかも、最後の最後まで人の生きざまとしては一貫しているんですよ。
 自分の年齢なりの面白さが発見できるというのが、ある意味、優れた作品の要件なのかなとも思いますが、そんなこんなをつらつらと綴っております。
 今月は「ジ・オリジン」が再録であるかわりに、福井晴敏さんのガンダム小説が発表になっています。かなり濃密な内容と聞いてますので、かなり楽しみです。

GUNDAM A (ガンダムエース) 2006年 12月号 [雑誌]

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スカイパーフェク TV ! ガイド

寄稿題名:氷川竜介のアニメ総合研究所(連載)

 今月は公開間近の『パプリカ』に合わせて今 敏監督の劇場アニメデビュー作『パーフェクト ブルー』を取りあげています。大変怖いお話ですが、なぜ怖いかとか、どうしてアニメでないといけないのか説明しようとすると、犯人に関するネタを割らなければいけないという、大変に困ったところもある作品です。

スカイパーフェク TV (ティービー) ! ガイド 2006年 11月号 [雑誌]

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2006年10月28日 (土)

イミダス2007(集英社)

 昨年版に続いて、アニメの欄をひと見開き担当させていただきました。『ゲド戦記』などの夏の大作、『涼宮ハルヒの憂鬱』のヒット、『フロッグマンショー』の快挙などなどについて書きました。

 蛙男商会さんにお会いしたときこの話をしたら、編集さんから一報入ったときにスタッフ一同すごく士気があがったと聞いて、良かったなあと思いました。1年前にはそういうことを記すことになろうとは予想もつかなかったわけで、今年から来年にかけても、アニメーションの世界は次々に変化していく感じで、見逃せないことが増えていくでしょう。動向を見守り続けていけたらなあと思ってます。

イミダス2007

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新SOS大東京探検隊

 27日(金)六本木ヒルズで『新SOS大東京探検隊』の完成上映を拝見しました。

新SOS大東京探検隊
監督:高木真司
声の出演:小林沙苗/矢島晶子
Story/かつて東京の地下迷宮を探検した明泰小学校の4人組。あの大冒険から数十年の歳月を経た21世紀。残された地図を頼りに、再び地下迷宮を目指す少年たちが現れる。果たして彼らの行く手には何が待ち受けているのか―。(上映情報より引用)

 高木真司(監督)、小原秀一(作画監督)、百瀬慶一(音響監督)、池頼広(音楽)各氏の舞台挨拶つき。大友克洋の短編を約40分のアニメーションにしたものですが、『スチームボーイ』を経たスタッフたちの本作での挑戦は、全編をフル3DCGで制作したという点です。すでに『アップルシード』などの前例がありますが、子どもらしく頬に赤い質感を加え、また基本的に手づけで演技をさせたという点で、だいぶ手ざわりが違う映像が楽しめます。

 マンホールの中を探検して宝探しをするという、子ども時代の夢。地底の中には本当に驚くべきものが詰まっているという雑多な感じが良かったです。ちょっとしたことが積み重なって、だんだんカタストロフへ向かうあたり、大友さんのテイストも良く出てました。

 一般公開や発売の予定はこれからだそうです。日曜日にはメイキングの講演もあるので、またレポートします。原作単行本は以下。

SOS大東京探検隊

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2006年10月26日 (木)

本日の買い物

月刊 アフタヌーン 2006年 12月号 [雑誌]

 付録フィギュア(海洋堂)がひさびさについてます。「げんしけん」大野加奈子ぷるぷるフィギュア。2年ほど前に「天上天下」のガシャポンで実現したスプリングによる「乳ゆらし」のギミックを応用したものですね。これってインクジェットプリンタの上に置いておくと、ヘッドが動くたびに微妙な振動をして笑えます。つい買ってしまった……。

Model Graphix (モデルグラフィックス) 2006年 12月号 [雑誌]

 えー、なんでまた『空軍大戦略』の特集を? いや、たまたまこの数日間、ちまちまとDVDを見返していたのでありますよ。これは第二次世界大戦の「バトル・オブ・ブリテン」を描いたスペクタクル映画でして、劇場版『宇宙戦艦ヤマト』のプレスシートにもTVシリーズの作画参考に上映したと書かれているほど、日本のアニメの空戦シーンにも影響大の作品です。空の彼方に小さな機影がいくつもうごめいて、その翼が反射光でキラリ!とか、被弾した翼から煙をひきながら機体が落下中に耐えられずに爆発! なんてのは、『ヤマト』の友永秀和さんの作画でおなじみ(あ、逆だ)。『紅の豚』あたりにも似たシーンがあったかな。

 それにしても、イラストレーター諸氏が「制服ガーター」ヒロインに言及しているあたり、こちらも数日前にちょうどそのシーンに差しかかって「うわっ!」とか言ってたので、笑いました。なお題名の名づけ親である水野晴郎氏も登場しています。

 私も持ってるDVDはコレ。画質が非常に良いです。この時期の映画って、色も構図もすごく力を感じますよね。

空軍大戦略 アルティメット・コレクション

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三越カルチャースクール 第2弾

 1ヶ月を割りましたので、告知します。
 前回に続いて第2回目。受け手の視点で楽しむ上で、アニメの何をどう味わっていけばいいのか、語る上での言葉を探っていきたいと思っています。

 よろしくお願いします。
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●氷川竜介が語る、アニメの楽しみ方

NHK「BS アニメ夜話(アニメ・マエストロ)」や各メディア・雑誌で活躍中のアニメ評論家氷川竜介の特別講座です。劇場公開や深夜枠の拡大でアニメが氾濫する現代、アニメの本当の面白さ、観所、聴き所を通(ツウ)の視点から解説します。
日時: (1)11月19日(日)「アニメの骨子を作り込む~脚本・演出と監督~」
(2)1月21日(日)「アニメを躍動させる力と技~作画と特殊効果~」
(3)2月25日(日)「アニメに命を吹き込む~音響演出、音楽、声優~」
各日14時30分~16時30分

講師:氷川 竜介(アニメ評論家)
参加費:各回2,310円
http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/culture/lesson_oneday3.html

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2006年10月25日 (水)

ココセレブに登録されました

本日から登録されたそうです。
http://celeb.cocolog-nifty.com/news/cat6576527/index.html

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週刊アスキーに大野雄二さん

 昨日発売の週刊アスキー、「進藤晶子のえ、それってどういうこと?」に『ルパン三世』で知られる作曲家・大野雄二さんがゲストに登場しています。このコーナー、過去にも富野由悠季さん、樋口真嗣さん、前田真宏さんなどアニメ・特撮関係者が登場することがあるので、見逃せないですね。

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2006年10月24日 (火)

フィギュア王105号東映アニメ

 ん? と、表紙に並ぶキャラをじーと見て、接近して何だかわかったとたん、飛び上がりそうになりました。

 「東映アニメーション半世紀の軌跡をたどる」という文字の上に並んでいるのは、そう東映動画(現:東映アニメーション)歴代のクレイモデル! 作画参考用に作られたもののお蔵だしです。配置がけっこう凝っていて、視線が行きがちな右端にはヒルダ(太陽の王子ホルスの大冒険)とローザ姫(長靴をはいた猫)が並んでいるし、その横は「海底三万マイル」と「空とぶゆうれい船」ですよ。ロビンもガリガリ博士もチッチとポッポもクシナダ姫も「ガリバーの宇宙旅行」のロボノイド(違うって)も……あー、キリがない。

 本文の方には「キングコング」まで掲載されておりました。いやー、なんかこう並べられると、ここにも明らかな「魂の故郷」があるって感じですね。これ、3Dスキャナなどを駆使して完全ミニチュア再現とかして欲しいなー。写真見てるだけで涙ボロボロですよ。

 で、amazonには10/24時点でなぜか書影がないけど、念のため。

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2006年10月22日 (日)

少年ドラマシリーズ「タイム・トラベラー」CD

 ひとつ前のCDと同時に届きました。同じシリーズ?で9月21日発売。

 長生きしていると年に数回「え!今になってこんなものが」という『腰ぬけ級』のアイテムが出るものですが、これも間違いなくそれです。

 1972年から本作でスタートしたNHKの少年ドラマシリーズは、全国同時放送ということもあって、おそらくある世代の「SF好き」志向を強めたものだと思います。原作は筒井康隆の「時をかける少女」。そう、今年の『時かけ』ブームも、このドラマ化がなければあり得なかったもので。長年の捜索の末にテープが発見されたものだそうですから、映画化に合わせたわけではないと思いますが、こうやってシンクロすることに非常に感慨深いものを感じます。やっぱり作品自体が「時をかける」ものなのでしょうか。

 「タイム・トラベラー」と「続タイム・トラベラー」の作曲は、『鉄腕アトム』の高井達雄氏。オリジナルのテープは現存せず、どうやらプライベートに保管されていたコピーらしく、もしかすると出始めのカセットテープかも? 懐かしいモガモガ音質で、さすがに高域などまったく出ないものですが、それでも貴重で涙します。巻末に、ビクターから発売の予定されていた再演奏版が収録されています。あと、他のCDにはもう少しクリアなテーマ曲が入っていたはずですが、それが入っていないのがちょっと残念。インタビューは高井達雄氏に行っていて、チェンバロを使ったのは子どもではなく中高生向けを意識して、という発言が目を引きました。案外そういうものって、強く伝わるものなんだなあと。

 なお「タイム・トラベラー」自体は数年前にDVDで最終回だけが発売され、その他のエピソードも音声だけは同時に収録されています。多面的にタイムトラベルを実現している希有な作品になりました。

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ヤマタケハードボイルド

 これもついさっきアマゾンから届きました。発売は9月21日。

 山下毅雄氏は昨年物故した作曲家で、アニメでは「スーパージェッター」「冒険ガボテン島」「ガンバの冒険」、実写でも「悪魔くん」「ジャイアントロボ」など数々の名作を手がけ、「7000曲を作った男」とも異名をとる名作曲家。口笛の名手でもあり、スキャットのパヤパヤ系の曲が印象的。そのジャズ系の即興性の高い音楽は近年になって盛んに再評価され、トリビュートアルバムなどが多数作られ、CDも多数復刻されて、いちファンとしてありがたいなと思ってました。

 自分の仕事ではガンダム放映中にキングレコードで担当させてもらった『佐武と市捕物控』が印象的で、完全ではないんですが、BGMテープも奇跡的にその時点までは存在してました。いつか何らかの形で完全版が出てほしいですが。

 その前に、あれだけ有名でありながら、世に一度もオリジナルBGMが出ていない代表作中の代表作が、『ルパン三世』。厳密に言うと、『佐武市』からの尺八の流用曲(五右衛門関係で使用)はちゃっかり先述のアルバムに入れてるわけで皆無ではないんですが、もう36年の間見つかっていないので、「再演奏版」「MEミックスからの復元」「再々演奏版」と何度も出てるわけですよ。

 で……話はようやくこのアルバムにつながるわけですが(迂遠ですいません)。

 まずこのアルバムのコンセプトは「ハードボイルド」とありますが、もっと暴力的な感じの東映の劇場映画を中心にしています。「人斬り観音唄」「日本暴力団 殺しの盃」「博徒外人部隊」「カポネの舎弟 やまと魂」「現代やくざ血桜三兄弟」という、すいません私も観たことがありません、でも題名でお腹いっぱいみたいな。で、あえてここで扱う理由はですね、収録年代にあるわけです。はい、すべて「1970~1972年」の録音なんですね。

 勘のいい人ならもうお分かりと思いますが、そうなんです。即興性の高いヤマタケ音楽だけに、「ついにルパン三世の音楽が発見されたよ!」と言ってブラインドテストをしてもわからないような曲がいくつも含まれてるわけですね(笑)。「ルパン」は1971年だから、ちょうどはさんでいる形なのできっとそうだろうなあと、またもギャンブルをしてみると、案の定アタリの曲がいくつもあって喜んで聞いてるわけです。

 まあ、これは正直、かなりヨコシマな購入動機なわけです。だって、ホントのことを言えば、こうしたヤクザ、和製ハードボイルド、暗黒街(ノワール)系の「オトナな感じ」の一連の仕事があって、その中に『ルパン三世』が含まれるわけなので。つまり、ルパンの方がサブセットなんですよ。と、アルバム全体を通して聞くと、そういうこともシミジミわかって、また山下毅雄氏の音楽が好きになれる。というようなアルバムです。

 あと余録としては、ヤマタケサウンドは仕事中に薄くBGMとして流しておくと、よくはかどるんですよ(笑)。「大岡越前」4枚をプレイリスト化したやつとか実にいいですよね。頭にシャカシャカ、キンキン引っかからないところがいいんでしょうね。ともあれ、よくぞ出してくれました。ありがたや、ありがたや。

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マジンガーエンジェル公式ファンブック

 さっきアマゾンから届きました。

 雑誌「マガジンZ」のその名にふさわしい企画「マジンガーエンジェル」。ダイナミック系のロボット作品「マジンガーZ」「グレートマジンガー」「UFOロボ グレンダイザー」に登場するヒロインとヒロインロボを主役にした作品です。個人的には、ひかるさんがなぜか「眼鏡っ子」になっている(笑)新作そのものよりは、余録でマリアちゃんことグレース・マリア・フリードのフィギュアが出る(あまつさえキリカまで立体化!)ことが嬉しかったりするオールドファンなわけですが。

 検索していたら「荒木伸吾・姫野美智描きおろし」という文字が。最近は立ち読みもできないので、ギャンブルですな。見ずてんで発注しましたよ。そしたら……。

 アタリ!

 巻頭カラーで描きおろしでマリアちゃんでした。ちょっと頭が大きめですが、2006年版のオリジナル・マリアちゃんが見られたことだけ、もうOKです。眼福眼福。ひとときの安らぎですね。

 で……。

 その右横イラストは、永井豪先生の甲児とさやか。まあ、これもオリジナルでOK。

 でも。マリアちゃんのページをめくってみたら。

 うるし原智志さんの描きおろしイラストが見開きでドバーンと!(笑)

 うるし原さんと言えば美乳作家で知られる方ですが……そうです。右面には「早乙女ミチル」の制服姿が。はい、誰でも思ったことですが、あの「胸のボタン」はやっぱりそう見えますよね。という事実が、これほどまでに適格にイラストで示されようとは(笑)。例によっての湯上がり風の上気した処理も輝いてます。

 で、左面にも、牧場ひかるが同じような処理で描かれているんですが……あれ? しっかり胸にボタンが(笑)。ああ……あるのね、ボタン。で、バックにはやはりマリアちゃんが……ミュシャ風の処理でこれはこれで美麗なんですけど、やはり胸が……(笑)。まったく悩殺ですね、ちょっと意味が違うケド。

 そういう確認をしてトビラを見ると、超合金魂で出ているアフロダイAとかビューナスAとかの写真がイラスト周囲に小さく散りばめられてるんですが、「胸(オッパイミサイル)」「尻」「股間」そんなんばっかりで、おいおいと。もう長生きしていると、いろんなことがあるんですね。あ、でもミネルバXはちょっと欲しいかも。

 まあ、そういうわけで現役キャラとして認知されてるおかげで、マリアちゃんが敬愛するウエストケンジさんからフィギュア化ですよ。こっちもついでにポチっとしちゃいました。ミネルバXもオリジナルとエンジェル版と2つ出てるんですな。うーむ、深い。

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2006年10月21日 (土)

バンダイチャンネルの特集

 だいぶ前からブロードバンド配信のバンダイチャンネルでメールマガジン、新着の「みどころ」紹介を担当しています。最近では「みどころ」がランダムに出るようになったようですね。

 必要に応じてWeb上で「特集」のページを担当しています。基本的に無記名ですし、随時改版や追加などもあるので流動的ですが、最近作成したり改版したりしたものを、以下に列挙します。

 ここのところ、かなり作品が充実してきています。『涼宮ハルヒの憂鬱』を作った京都アニメーションの自主作品『MUNTO』や『フルメタル・パニック!TSR』などが簡単に観られるのは、ネット時代の良いところだと思います。

● ≪総力特集≫サイバー時代の最先端アニメ
「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」
http://www.b-ch.com/contents/feat_koukaku_sac/index.html

●鬼才漫画家・士郎正宗 そのアニメ化作品を徹底特集!
http://www.b-ch.com/contents/feat_m_shirou/

●特集『時代劇&日本刀アクション』
http://www.b-ch.com/contents/feat_katana/index.html
(川田鉄男氏と共同)

●京都アニメーション特集
http://www.b-ch.com/contents/feat_kyoani/index.html

●フルメタル・パニック!特集
http://www.b-ch.com/contents/fullmeta_sp/index.html

●ガイナックス特集
http://www.b-ch.com/contents/feat_gainax/index.html

●スタジオファンタジア特集
http://www.b-ch.com/contents/feat_fantasia/

●XEBECアニメ特集
http://www.b-ch.com/contents/feat_xebec/index.html
(川田鉄男氏と共同)

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ウルトラシリーズ 樋口真嗣セレクション

 ウルトラQ/ウルトラマン/ウルトラセブンの「ウルトラ」初期シリーズから、『ローレライ』の樋口真嗣監督がベスト作品をト1本ずつを選定するという趣向のUMDです(PSP専用)。この商品、案外好きです。一時期はずっと持ち歩いてました。さて、何が選ばれたかですが……

『ウルトラQ』 「地底超特急西へ」 人工生命M1号登場

『ウルトラマン』 「禁じられた言葉」 メフィラス星人、巨大フジ隊員他登場

『ウルトラセブン』 「第4惑星の悪夢」 ロボット長官登場

というわけでした。メフィラス星人の電飾がPSPの液晶映えして美しいんですよね。

 樋口真嗣インタビュー映像にて選定理由が紹介されますが、フジ隊員のエロスにも言及があったりして。

 特筆すべきは、「ウルトラQ」のプロモ的再編集映像がついていることで、これが出色。全編からピークになる映像をピックアップして物語にしているのがスゴイ。セリフの断片がつながったりするんです。最後には渦巻きタイトルが逆転するし。紛れもなく樋口監督の手による構成・編集と思われますが、クレジットがないので「あれ?」と。どこかに書いてあって見落としているかもしれませんが。

 PSP上でズームしてワイドにしてみても、これがけっこういい感じで映画のように見えるんです。もとの構図がしっかりしているからでしょうね。

 類似のベスト盤には、「DVDウルトラシリーズ トライアルエディション」と「同 バトルエディション」があるわけですが。

 前者は「ウルトラQ」ケムール人、「ウルトラマン」バルタン星人、「ウルトラセブン」メトロン星人、「帰ってきたウルトラマン」アーストロン となってます。コレはちょっと個人的には不満がありまして、だって「Q」と「マン」は「怪獣の世界」なのに、なんでまた飯島敏宏宇宙人ものが2本も? と。もちろん、それぞれが秀逸なのはわかりますが、バランスがどうも。「セブン」も、もっと戦闘的な回があるでしょうと。

 後者はゴモラ、キングジョーの前後編をパックしただけ。

 まあ、4シリーズから各1本を自分が選ぶなら……。

『ウルトラQ』 「ガラモンの逆襲」 ガラモン登場

『ウルトラマン』 「撃つな!アラシ」 ザラガス登場

『ウルトラセブン』 「マックス号応答せよ」 ゴドラ星人登場

『帰ってきたウルトラマン』 「落日の決闘」 キングマイマイ登場

 こんな感じにするかもなあ。

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コンティニュー (Vol.30) トップをねらえ2!

寄稿題名:「メカと美少女」の黄金律をきわめ、突破した彼方に待ち受ける感動

 『トップをねらえ!』『トップをねらえ2!』の小特集をやっておりますが、その中で『トップをねらえ!』のOVAとしての位置づけになる原稿をという依頼でした。巻頭は『働きマン』なので、実はダブルアンノ特集号だったりなんかして。

 OVAの歴史ってのは、なかなか語りがいがあるわけですが。もう一声、切り口を変えて一度は概観しておきたいですね。

 最近、同誌からの依頼が増えておりますが、もともとゲーム誌ではないからなんですよね。面白いものを追及しようという姿勢は良いと思います。

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2006年10月19日 (木)

「機動戦士ガンダム」リマスターDVD先行上映

 待望のDVD-BOX「機動戦士ガンダム」の映像が、秋葉原エンタまつり2006にて先行上映されます。

 上映時のトークイベントを担当します。今回のリマスターとはどんな作業をして、何が改善されたのか。また、いまTV版『機動戦士ガンダム』を見返すなら、どんな風がどうみどころなのかを語る予定。有料です。

●10月21日(土)16:15~ \1,500 東京アニメセンター内 3Dシアター

 1979/日本/72分(24分×3話) http://www.entama.com/tiff.html

※東京国際映画祭のアニメ上映企画 『animecs T!FF in AKIHABARA』の一部です。

 上映予定は、次の3本です。

第1話「ガンダム大地に立つ!!」
第37話「テキサスの攻防」
第43話「脱出」

 #37は「マ・クベとギャン」のエピソード。劇場版から割愛された代表として選定されたそうです。偶然ですが、次回のガンダムエースの連載がこの回を取りあげているので、期せずして連動企画のようになりました。

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2006年10月17日 (火)

TV版 機動戦士ガンダム maxiシングルCD

 年末の『機動戦士ガンダム』TVシリーズのDVD-BOX化に向けて、いろいろと動いている企画のひとつです。TV版はもうすぐ発売。劇場版も追って発売。

 キングレコードの一連のガンダム音盤は、何らかのかたちで関わったものが多いので、ある意味懐かしくもあり、実際に当時のことをよく覚えている当事者も自分ぐらいになりかけてるようなので、今回の一連の復刻にもいろいろと案を出し、かなりかなえていただきました。

 この3枚は、TVシリーズの主題歌、挿入歌がmiaxiシングル化……というだけなら良くあることなんですが、まずカラオケがついています。当時のジャケットを完全ミニチュア復刻してます。アルバムも全部、紙ジャケットでCD-BOX復刻されますので、シングルもぜひそろえていただけると、コレクションもより完璧になるというわけです。盤面も、当時のシングル盤を模擬しています。

 最初の主題歌のジャケットも、玩具っぽくて逆に貴重ですよね。ツノも黄色いし。裏話をすれば、これの初版は「作詞:サンライズ企画室」になっているんですよ。私の持ってるのは、ソレです。でも、今回の復刻は「作詞:井荻 麟」でした。

 「シャアが来る」のジャケットは安彦良和さんの修正原画をそのままトレスマシンにかけたセルを、富野監督自身がペイントしたものです。背景は第29話のガンダム対ズゴックですね。今となっては考えられないですが、なんとも貴重(笑)。

 「いまはおやすみ」「永遠にアムロ」のこのシングル盤をお持ちの方は、少ないかもしれませんね。挿入歌は3曲なのに、2枚目のシングルカットに2曲しか入らなかったので、この3枚目が出ました。そのときに、「セリフ入り」として、マチルダさんの声で間奏にオーバーダビングされたんです。そして、B面曲は、なんと戸田惠子が歌う「永遠にアムロ」。カラオケも新収録です。

 それで、このまま3枚で出すと、「いまはおやすみ」のオリジナル(セリフなし)が収録されなくなるので、これはCDなんだから両方入れて欲しいと哀願して、収録がかないました。

 なお、この「いまはおやすみ」はララァの曲だと思ってる方が多いんですが、実は違うんですよ……。その裏話は、CD-BOXのお楽しみということで。ともかく、一連のCD復刻は悔いのないように、ひと味違ったものにしようとがんばってます。

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2006年10月16日 (月)

円盤皇女ワるきゅーレ 時と夢と銀河の宴

 今度、第4期の第2巻目が出ます。1~2巻ともライナーノートの構成・文を担当しております(全2巻)。

 それにしても長寿となったシリーズです。ちょうど会社辞めてフリーになった2001年、レギュラー仕事として入ってきてとてもありがたかった思い出の作品。愛着もあります。まさか5年という長寿になるとは(失礼ながら)思ってませんでしたが、スタッフ取材などしていても、愛されているなあと思うことしばし。尖ったとこがない、優しい作品ですよね。

 今回は、OVAということで1巻目は同窓会の話。2巻目は秋菜が主役で、巫女姿にて舞を踊る話。この舞がなかなかの見もので美しかったです。ちょっとギスギスすることが多かった昨今(笑)、一服の清涼剤ということでありました。

 第1期もDVD-BOXで再リリースされたようですね。

 5年経つと、一周回る仕事も出始めてまして、これもその代表です。ただし、延々とシリーズが続いているのは、これ1作のみ。不思議な魅力があるんでしょうね。

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2006年10月15日 (日)

第2回吉祥寺アニメーション映画祭

 去る10月13日(金) 吉祥寺にて行われました表題イベントですが、多数の方のご出席をいただき、ありがとうございました。当日はノミネート作品の上映と、「竹熊健太郎さん蛙男商会さんトークショー」、そして授賞式という流れでした。

 受賞作品は以下の通りです(たけくまメモを参考にさせていただいてます)。

●グランプリ
「電信柱のお母さん」(坂元友介)

●優秀賞
「花の翳」(吉田暁)

●審査員特別賞
「ひよこどんとてれび」(松下藍)

●審査員特別賞佳作
「太陽に喧嘩を売った男」(塩見信隆)
「おしるこ」(青木純)
「In Silence」(上杉真理子)

●STUDIO4℃賞
「Apartment!」(青木純)

●コアミックス賞
「オデカケメエメエ」(くぼたえみ)

 現時点でネット上で観られると判明しているところには、リンクを張ってみました。これも、「たけくまメモ」の情報です。感謝です。

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 以下は各作品の個人的な感想です(公式な選評ではありません)。

●「電信柱のお母さん」/坂元友介 10:30
★これが優勝作品です。切り紙アニメ的手法で大変丁寧に制作された作品。電柱から伸びる電線が変形してゆりかごなどになって赤ん坊を育てたりする。これだけだとメルヘンですが、外敵(?)から守るあたりのビジュアルが妙にリアリティがあって、画面に吸引力があります。アニメーションって、こういう人を引っぱりこむ力があるんだという原点確認できます。

●「花の翳」/吉田暁  15分
★これは準優勝に相当します。少女漫画風の画調で綴られた説話風の物語 。新規性には乏しいのではないかという議論もあったのですが、私は逆で2Dのスライドの組み合わせ(つまりエレメント的にはまったくの同トレス)で平面を超える瞬間の表現が気に入っていたのです。話の内容と絵柄と色彩と音響のマッチングも、「きれいなものを観たい」という欲求にはきちんと応えていると思います。

●「ひよこどんとてれび」/松下藍 12:50
★事実上の第3位ですね。実写加工とアニメの共存を使ったPV的な作品。デジタルハリウッドなので、合成技術も編集も音楽も、非常に美麗で凝ってます。目ざしたイメージとか、妙な臨場感とかハマる方にはハマるようです。ちょっとサブカル属性の低い自分には、申し訳ないですが難しいとこもありました。

●「太陽に喧嘩を売った男」/塩見信隆 5:50
★16:9ワイド画面のはずが4:3での上映ミスがあったそうで、恐縮です。影絵のようなモノクロ平面構成による壮大なサーガで、目が回るようなビジュアルが良かったです。

●「おしるこ」/青木純 1:16
★灼熱地獄の中の一発ギャグを、フィルタ処理と作画で妙に緻密に描いたところが大笑いできる作品。青木さんはもう1本受賞してます。さらにもう1本「コタツネコ」が同じく一発芸的ですが、我が家では大受けしてました。3作それぞれテクニックが違うところも素晴らしい。

●「In Silence」/上杉真理子 8:40
★セピアカラーで綴られた人形アニメの映像詩的な作品です。実写合成もあります。欧州映画調の映像の調べを興味深く拝見しました。

●「Apartment!」/青木純  5:17
★アパートの内部と外部をいったり来たり、壮大なワンカットアニメです。先述の青木さんの作品ですが、これは一発芸ではなく、細かく練られた部分が味になって、しかも笑えるという奇特な作品です。

●「オデカケメエメエ」/くぼたえみ 1分
★手描き系のイラストタッチで描かれた掌篇。これはもう、キャラのカワイイ感じと色彩で勝負ということで。雑誌「MdN」とか良く買って、デジタル時代のイラスト制作や写真加工などの手法を見るのが好きなんですが、これからはそういうイラストも動かすとより魅力的、なんて路線があるのかなと思いました。

 あと、今回は残念ながら選外でしたが、以下2作も印象に残りました。

●「ヒトしずく」/松浦直紀 20:00
★緻密なペンタッチを活かし、遊牧民のような生活者たちの壮大な日常を描いた力作。絵柄など非常に好みでしたが、一番の焦点は尺(長さ)でしょうか。

●「兵 つわもの」/古部
★甲冑の武士の騎馬戦。やはりモノクロ平面構成なんですが、筆のようなタッチのイラストが躍動感あふれる美しい動きをするので、いたく感心しました。

 この2作などは別に悪いところがあるわけでもないし、レベルも相当に高いので、入らなかったのは本当に「たまたま」だと思います。今回、本当に力作ぞろいでなおかつ志向性も技術も、実に多彩なので、全体でのバランスの中で決まってしまったことも多いと思います。

 演台での講評でも述べましたが、まずはそうした力作多数をいただいて、アニメーションが好きな人がこれだけいることが確認できたことには、すごく勇気づけられたし、幸せなことだと思いました。しかも量的にも数字的にも、まだまだ伸びて行くだろうと、そう思わせる作品ばかりなのは、スゴイことです。

 逆に審査員の方が、選び方で審査されているかのような思いさえありましたから、こうした変革に対してもっと敏感でありたいと思いました。また、自分も手を動かしてツールを使ってみたいなと。まあこれは2年前に竹熊氏に作品の山を見せていただいたときから、思っていることです。

 地デジによって公共映像のパラダイムが完全に変化するまであと5年、アニメ第一世代たちがリタイヤし始めるまであと10年。まあ、この5年、10年なんてあっという間でしたから、「誰もがアニメをinもすればoutもする」ということが自然になる時代の到来に向け、自分の仕事の方向もチューンしていきたいなと思うわけで。それに対して、良い刺激になる仕事でした。

 応募者のみなさん、関係者のみなさん、ありがとうございます。

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2006年10月12日 (木)

吉祥寺アニメ映画祭は明日金曜日

 以前も告知しましたが、より具体的な告知と簡単な作品紹介が「たけくまメモ」に出ました。

http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_37d9.html

 たけくま氏も書かれてますが、今年は本当にバリエーション豊かで可能性を感じるものばかりでした。いわゆる商業アニメーションとは確実に違った潮流ができてることを実感できると思います。

 個人的にもファンの蛙男商会さんがみえるというのも楽しみです。

 入場無料でもありますので、ぜひいらしてくださいませ。

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2006年10月11日 (水)

アニメージュ 2006年 11月号

寄稿題名:虚実の皮膜を突破する筒井SFの快感と、そのアニメ化

 最新号です。目次はここから。

 【筒井康隆原作アニメ特集】の「筒井アニメの2つの顔」というテーマで、『時をかける少女』(細田守監督)と『パプリカ』(今 敏監督)の2作について、締めくくりになる対比の総論をという依頼でした。

 もともと筒井SFは好きなのですが、どちらも才気あふれるアニメ作家によって映像アレンジされた結果、不思議な化学反応を起こしたようです。まあ、短い文章(1600w=4枚)なのでそれほど突っこんでませんが、急所はこの辺かなというあたりを。

 寸評というのは思考の訓練にもなるので、ありがたいです。

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Newtype 2006年 11月号

 最新号です。目次はここから。今月は特に寄稿はありません。

 DVD付録は当然として、高橋良輔監督の『幕末機関説いろはにほへと』第1話が収録されているのがスゴイ。だいぶ前(3年前くらい?)に、高橋監督に取材をしたとき、ガンダムの最大の航跡は「架空の歴史観」だとうかがいました。それを新たにつくることで、連綿とサーガを構築できる。で、そういう物語を準備中とのことだったのですが、これがそうなんだなと。

 期せずして時代ものが流行していますが、今後が楽しみな作品のひとつです。

 それで、この作品の第2話以後はGyaoで配信されるようですね。すでに電波に依存せず、こうやって雑誌でバラまいてネットへ誘導、気に入った人はDVDへというコースが完成しているんだと。初じゃないかもしれませんが、Gyaoだというところが、GoogleによるYouTube買収が話題になったタイミングだけに、感慨深かったです。

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2006年10月 9日 (月)

吉祥寺アニメーション映画祭

 今週の金曜日(13日の金曜日ですね)に、秋の恒例となりましたアマチュアアニメ作品のイベントが開催されます。

●吉祥寺アニメーション映画祭

 審査員をやらせてもらっていますが、今年は非常に力作ぞろいですよ。形式にとらわれない自由なものや、プロ顔負けの作品、非常に意欲的な作品、作るときにみんなで楽しくやってる感じの作品などなど、とても楽しく拝見しました。ノミネート作品も絞りこんで上映されるはずなので、ぜひ見に来てください。

 今年は11本のTVアニメ「ザ・フロッグマンショー」をほぼ一人で制作して大きな話題を呼んだ蛙男商会さんがゲストで来られ、竹熊健太郎さんとトークをされるのも楽しみです。

●たけくまブログ

 そもそもフラッシュなどのアニメーション作品が大変なことになってるらしいというのも、竹熊氏がこのイベントで紹介されていたのがきっかけで、その可能性について認識を改めさせられることが何度もありました。実際、大人数で作る商業アニメーション作品ばかりではなく、少人数で趣味性や作家性を前面に出した作品が豊かであることには意義があると思います。

 で、最近あちこちで積極的に語っていることですが、これは若い方への表現ツールとして意義があるのはもちろんのこと、これからの「シニア向けの趣味」としてものすごく大きな可能性を秘めていると思うのです。

 「団塊の世代」が大量退職時代を迎え、もう10年もしたらわれわれの「アニメーション第1世代」が次にそうなります。その10年の間には、「アニメーションか、やってみたかったけど大変でね」という「潜在的作家」がどれくらいいると思いますか? しかも、それぞれ熱い生き方をしてきて、「感動のエキス」みたいなものを大量に内包しているわけです。これはもう、宝の山ですよ。

 そういう人たちが「簡便なツール」「あり余る時間」「発表の場(ネットなど)」と、三種の神器を手にしたら、何を始めるのか? 適切な情報提供と誘導さえあれば、ビッグバンが起きる可能性だってあるわけで。その何%かが「今のアニメ」を観るようになれば(まあ萌えアニメを観るかは疑問とはいえ)、市場だって拡大するでしょう。

 だって他ならぬ「自分」が、「あれ、オレもやってみたいな」と思い始めているわけですから。そう思い始めたきっかけも、2年前のこの吉祥寺でした。

 「どうやら死ぬまでアニメを趣味にする最初の世代になりそうだ」と以前にどこかに書きましたが、それは死ぬまで他人の作ったアニメにケチをつける(笑)ことではなく、アニメをinもすればoutもする、その交流の中で幸福感を発見していくってことが、決定版になるんでしょうね。

 まだまだ考え始めたばかりで、具体的にどうすればいいかはさっぱり腰が定まってませんが、ちょっとライフワークっぽい発見のようにも思えて、ワクワクしているところです。

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2006年10月 7日 (土)

大鉄人17

 ♪だらずん!
  だらずん!だらずん!
 「だいってっつじ~~~~ん!!」

 東映特撮の中でも数少ない巨大ヒーローもの、ついにDVD化! 原作は石ノ森章太郎。

 いやー、何もかもが格好いい。初めてテレビランドで線画のデザインを見たとき、てっきりロボットアニメと思いこんで、PUFFの富沢雅彦さんに「あれは特撮(傍点つき)です」とお手紙もらっっときの衝撃まで記憶に残っております。ちょうどそうした同人誌でリアルタイムでTV評を書き始めた時期にも重なる作品。
 この作品はもう「ワンセブン」の無機質であるがゆえの雄々しさ、それに尽きます。それはお前の目を見ればわかる! 鉄人のように瞳を持つでもなく、ウルトラマンに影響を受けたマジンガータイプの白目でもない。セグメントによるディスプレイ表現!
 そして少年の言語は解すれど、発する音は「ずびびびびげげげげ」という機械音。究極のディスコミュニケーションを超えて、なぜか危地に出現する謎の鋼鉄巨人、というこの大時代的なイメージが貫かれまくった初期は、毎回驚きの連続でした。
 必殺技は、「グラビトン攻撃」。これも驚くべき映像で、敵ロボットの装甲が外部から重力圧を受け、深海で潰れたかのようにメコメコっと内部に凹んでいき、そこから大爆発を起こすという映像が再見できただけで、DVD買ったかいがありました。
 まあ、こうしたイメージが進みすぎていました。ミリタリー調全開のレッドマフラー隊とか、今見た方がしっくり来るのですが、途中からいわゆる「変質と解体」という路線変更で子ども向けにになってしまうわけで。とても残念。

大鉄人17 VOL.1  大鉄人17 VOL.2  大鉄人17 VOL.3

 特筆すべきは渡辺宙明の音楽。CDで聞くと編成が薄いんですが、ティンパニーとブラスだけで鋼鉄の巨大さと圧迫感を表現しきっていて、全劇伴の中でもかなり上位に来る格好良さです。

 珍しく超合金玩具も買った記憶があります。もう手元にないけど。そういや同じ村上克司デザインのサイコ・ガンダムって、変形メカニズムはワンセブンと同じなんですよね。「要塞サイコ」とか「飛行サイコ」と密かに呼んでました(笑)。

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2006年10月 6日 (金)

怪獣のあけぼの

 今でこそ「特撮」という大きめのカテゴリーになってますが、私らが始めたときには「怪獣ファン」であり「怪獣同人誌」でした。ともかく「怪獣ありき」。そして、怪獣といえばウルトラ怪獣。中でも初期の成田亨デザイン、高山良策造型の数々の怪獣、ガラモン、レッドキング、カネゴンといった怪獣たちは、いずれもが物故された今でも生命感を放っています。

 Gyaoで実相寺昭雄監督が構成・監修というかたちで、高山良策氏の業績をドキュメンタリー化、DVDにまとめたのがこのパッケージ。正直、海洋堂から始まる初期数回は「こんなもんかな」と思いましたが、最後まで見終えると、染みるものがありました。

 倉方氏による機電(怪獣の中のギミック)の映像が見られたり、さまざまな方の証言から浮き彫りになる人柄も良かった。有名な造型現場の写真も、ブラウン管(というか液晶)を通してすと、また違った感じで。やっぱり人格を投影した作品であり、超常の生物であり、それなのに生きているという感じがたまらず愛おしいです。

 あと勉強になったのが、最後の方の「池袋モンパルナス」の話。そこに集った芸術家たちの活動が底でつながってこその、あのウルトラ怪獣のパワフルさなのかという感慨に、けっこうシビれました。

 水曜夜の呑み会でも成田亨さんの話が出てきて、改めてウルトラ怪獣が愛おしくてならない気持ちになりました。

 アマゾンで調べたら廉価版はないようで、ちょっと残念です。もっと多くの方に、見て欲しいです。

(ちなみにアマゾン特製の銀色のレッドキングは、当初は銀だったと言われているのを再現したのでしょう)

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2006年10月 5日 (木)

FPC30周年

 6月下旬、外務省の関連団体である財団法人FPC(フォーリンプレスセンター)で海外プレス向けの講演をやったのですが、同団体の30周年式典に招かれて顔を出してきました。

 正直、海外や政府関係の方々に混じって若干、場違い的でしたが、お世話になった方々にご挨拶できたのが、何よりでした。

 今年の大きな活動成果のひとつです。

<参考>

■海外プレス向けブリーフィング

「日本のアニメ文化」と題して、氷川の現在の考えを
海外記者に説明したものです。
趣旨
http://www.fpcj.jp/j/mass/briefing/bf_90.html?PHPSESSID=8d40fc7f019017a0e150f71785b24d7b

議事録
http://www.fpcj.jp/j/mres/briefingreport/bfr_223.html?PHPSESSID=f167ff358351fd294b544c552e13f0dd

English is here.
http://www.fpcj.jp/e/mres/briefingreport/bfr_223.html

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佐野浩敏原画展

 『機動戦士ガンダム0083』や『エスカフローネ』、『ラーゼフォン』などで知られるアニメーター、イラストレーター、通称“ロボ描き屋”の佐野浩敏さん、初の個展が開かれます。

http://www.preani.com/events/hs_2006_ope.html

 10/7-9 秋葉原ラジオ会館8F

 10/9(月:祝日)15:00- トークショー&サイン会

 その後、各地にも展開があるそうです。

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2006年10月 4日 (水)

ライオン丸G

 日曜深夜にテレビ東京でオンエア中の特撮番組。10月1日からスタート。

 新宿歌舞伎町を舞台に、リメイク。主人公の獅子丸をダメなホストに設定し、コメディ調で進行する。とっても深夜番組らしい企画だなと思いました。

 オリジナルの方に深い思い入れのある方は怒るかもしれないですが、TVのチャンネルを回したら、とんでもないものやってた、信じられない!感がよく出ているので、割と好感もってます。とりあえず変身したところまでで第1話が終わったので、もう何回かは観る予定。

http://www.starchild.co.jp/special/lion-marug/

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BSアニメ夜話 機動戦士ガンダム

寄稿題名:世界の根拠をゼロから示したアニメの革新
寄稿題名:ロボットアニメの系譜が示すガンダムの《実像》

 NHK-BS2で2004年から放送が始まった「BSアニメ夜話」。レギュラーで「アニメマエストロ」というアニメの職人芸を紹介するコーナーを担当しています。この『機動戦士ガンダム』の回は今のところ唯一地上波で再放送されたもので、ガンダムの人気がわかろうというものです。

 そして、キネマ旬報社でその番組をムック化したシリーズが発売されています。形に残るということは、とてもありがたいと思っています。
 この回だけ氷川はトーク側の席に座って話に入るというかたちの収録でした。本書では放送でカットされた部分も含めて再録されていて、どう編集されたかもだいたいわかるようになっているので、その点もお楽しみどころです。
 この単行本用には2つ、書き下ろしをしました。ひとつは出演者のアフタートークとして取材をされたもの。もうひとつはロボットアニメの歴史と系譜におけるガンダムの位置づけです。
 前者は一問一答的に進められたのですが、当方から希望を出して大幅にリライトさせてもらいました。ガンダムの主題と作品性をどうとらえているか、その全容を語ったのはこの原稿が初めてに近いと思います。「いつか言わねばならないこと」の梗概を先出ししたようなものなので、まあいずれ機会があれば長編化したい内容です(というか「フィルムとしてのガンダム」は、この内容に着地させるために書き始めたものだったのですが……)。
 後者も意外にきちんと説明されていないことだと思います。ロボットアニメの代表格であるガンダムに「瞳」はないのですが、それは「ウルトラマンの眼」だからというようなお話が満載。作図されている「しりとり」状態となった特撮・アニメ文化の系譜も、ラフを描きました。これまた「とっておきのネタ」でしたが、惜しげもなく放出。
 動機としては、こういうことがありました。『機動戦士ガンダム』を27年経っても愛してくださるのは、本放送からのファンとしても嬉しいんだけど、あまりにも同じ情報が無限ループしているようで、危惧を感じた瞬間があったんです。
 新しい視点を提示し、納得性を上げるための論理をもって展開し、それを腑に落ちさせて感動に導いた上で、その文章への感動が「作品とユーザーとの共鳴の結果であるオリジナルの感動」と共鳴することに成功すれば、そこにこそ価値が発生するわけです。
 前からそういうことは感じてましたが、本書以来、もっと自覚的に何かそうしてやろうとは思うようになりましたね。

 さて、現在も次の「アニメ夜話本」の作業中です。お楽しみに。

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2006年10月 2日 (月)

Newtype THE LIVE  2006年 11月号

寄稿題名:特撮ディナーショー第27回 精神力で輝きを増すヒーロー『ウルトラマンレオ』

 見本誌が届きました。今回はDVD発売に引っかけて、「レオ」です。

 この連載もいつのまにか長期になりましたが、DVDウルトラは『帰ってきたウルトラマン』以後、ずっと扱っていると思います。「レオ」は第2期ウルトラシリーズの締めくくりにして、初めてリアルタイムで円谷プロに行き、接触したシリーズとして思い入れがあります。

 結局、「レオ」あたりでいったん特撮もの(特に巨大怪獣もの)の火が消えてしまいそうになり、その危機感が怪獣同人誌を生み、そのパワーが今につながっているんですよね。ちなみに『宇宙戦艦ヤマト』本放送とも同時期で、すぐに怪獣仲間からは「ヤマトな人」「アニメ派」とかレッテルを貼られてしまうわけですが(苦笑)、そんな想い出の一端もすこし書いたように思います。

 意外にもと言っては失礼ですが、『レオ』って盛りだくさんなんですよ。また機会を見て触ってみたい題材です。リマスターのCDが出たばかりの冬木透の音楽も耳についてしまい、油断すると「ちゃるらるっちゃっちゃっちゃ……」とか、NG主題歌のBGM(そのまま第1OPの歌詞で歌える)とか、脳内無限リピート再生です。

 デジタルリマスターのDVDは素晴らしい高画質です。高画質すぎて、ツルク星人の通り魔切断による、上半身・下半身の分かれた赤みが……すごすぎて、たじろいじゃいました。

 ついでですが劇場版『トップをねらえ!』1作目の、杖をついたコーチは『レオ』が元ネタ。スクリーンにゆらめく夕陽が出て、2人のシルエットが向かい合ってるときに「円盤生物シルバーブルーメ登場」などと文字を幻視して、つぶやいていたのは、この私です(笑)。

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2006年10月 1日 (日)

特撮エース 2006年 09月号

寄稿題名:『ウルトラマン超絶エピソードガイド』第17回「芳醇なる物語第1クールの総括

 この号で残念ながら休刊です。創刊号から、全17回。DVDで自由にコマを選んでエピソードを紹介するという、長年の夢の企画がかないました。

 特撮作品で欠けがちな語り口のひとつに、画面の写真を引用しながらの解説というのがあると思ってました。どうしても、「ブツ」のある世界なので、着ぐるみやプロップ、仕掛けなどに行ってしまうんです。それはそれで私も大好きだし、とても大事なものなのですが。

 高田裕三さんのマンガの応援企画でもあったので、オリジナルエピソードの紹介中心ですが、時代性の差などにも踏みこんで、「ウルトラマンという作品の実像」の一端に迫ろうと努力しました。

 最終回「さらばウルトラマン」(第39話)まで続けたかったのですが、まあ、それもまた時の運。単行本希望の投書が殺到して、カラー化にして、再版かかりまくれば、書き下ろしで続きが出るでしょう(笑)。

 それにしても、初代の『ウルトラマン』は多面的な魅力がありますよね。個人的にも改めて堪能しました。

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マスターピース ゼータ・ガンダム

寄稿題名:《戦争》と《平和》の境界を意識させてくれる「ガンダム」という存在

 というものののしい題名がついているが、なんてのか「フェイク論文」である。

 模型は使っているが、模型の雑誌ではない。模型を使って非現実感を演出する本。いや、「仮想現実の宇宙世紀の世界」をまるごと作っちゃおうという企画。

 「たまたまいろんな経緯があって、ガンダムファンになっちゃったサイド6の人たちが、ちょっとなんかいろんな写真を触って、あーだこーだと言ってる本……の日本語版」という意図。

 こういうちょっと常人でないことを考えるのも、『20年目のザンボット3』でデザインを担当してくれた古賀学(ペッパーショップ)。戦友がらみの仕事が続く。

 氷川は「サイド6在住のメディア評論家として、この国とガンダムの因縁を序文として書いてください」と言われ、その通りを実現した。ちなみに確か宇宙港で執筆したという内容になってるはずだが、実際に頭の方は羽田空港の夜の屋外、ジェットエンジン音が聞こえる場所で書いた。

 まあ、わざわざ行ったわけではなく送迎のついでだったが、案外「いい感じ」になったので、ちょっとした息抜きにもなった。こういう叙述性の強い方向の文章力も、もっと練習したいもの。

 それにしても古賀くんに何も言わないのに、「ホントに空港行ったんですか?」と一瞬で気づかれてしまったのには、恐れ入った。こういう仕事は仕事自体が癒しになるなあ。

 他にも1件、「ゼータがトリコロールに塗られたわけ」みたいなお題で、フェイク論文をでっちあげている。これもアウトラインは古賀案ママのはずなので、適切なプロデュースのもと、いろいろと密度の濃いことをやらせてもらって、ありがたかった。

 余録で付録の方には「アニメのキャラ表風に起こしたリュースケ・ヒカワ氏」というのが載っている。これも爆笑。

 そうそう、この件について「こんな風にサイド6のキャラとして載ってるからってさあ、後続の本がガンダムキャラに加えたりしないで欲しいよなー。オレは“古賀くんの本”のキャラになるのは嬉しいけど、ガンダムキャラになんかなりたいとは、あまり思わないからさあ」と言ったら、これも受けてしまった。でも、この話がこの本のコンセプトを実に体現しているんじゃないかな。

 というわけで、ちょっとそんな世界に遊びに行きたいひとにはオススメ。

 「ゼータ世界を考証しよう」とか「模型の作例の参考にしよう」という方は、他にもっといい本があるはずなので、そちらへ……。

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ガンダムエース 2006年 11月号

寄稿題名:第15話「ククルス・ドアンの島」を楽しく鑑賞する方法

 この号から編集部と相談の結果、「機動戦士ガンダムTV版再入門」と連載の副題を改訂、年末に出るDVDと連動を考えた記事を書くことにした。

 今回のDVDは待望のものであり、また、原版の16mmネガから35mmポジを起こすなど、過去の他DVDシリーズよりも気合いの入った原版で制作されている。それでいろいろ考えて思ったのだが、「1979年の作品を1979年のものらしく」ということが、もっとも大事なのではないかと。

 20周年(1999年)のときと2006年で何が一番違うかと言えば、それはこうした専門誌が発刊され、オリジナル・クリエイターのひとり安彦良和の手でリメイクが行われていることだ。そうやって、もとのポテンシャルを持ち上げたものがあるだけに、27年前のフィルムを見えるがまま以上にしてはいけないと思うようになった。

 というわけで、突破口として「ククルス・ドアン」で6Pというのは、まず他の誰もやらないだろうということでインパクトがあるかなと(笑)。こうやって注意を喚起しなければ、まず間違いなくDVD上でもスキップされてしまうからだ。

 かと言って「これは隠れた傑作だ」などとも言いたくはない。となってくると、お題としては酔狂を通り越してけっこう難物になってくるのだが、まあそれが27年も前の作品に継続して付き合わせていただいた者の義務みたいなもんかなあとも。

 もちろん傑作ではないけど、真剣に作品に向かい合ってみたら、いろんな発見が……みたいなお話。作品鑑賞というのは「面白かった・つまらなかった」が基本とはいえ、必ずしもそれだけではないので。

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