BSアニメ夜話 機動戦士ガンダム
寄稿題名:世界の根拠をゼロから示したアニメの革新
寄稿題名:ロボットアニメの系譜が示すガンダムの《実像》
NHK-BS2で2004年から放送が始まった「BSアニメ夜話」。レギュラーで「アニメマエストロ」というアニメの職人芸を紹介するコーナーを担当しています。この『機動戦士ガンダム』の回は今のところ唯一地上波で再放送されたもので、ガンダムの人気がわかろうというものです。
そして、キネマ旬報社でその番組をムック化したシリーズが発売されています。形に残るということは、とてもありがたいと思っています。
この回だけ氷川はトーク側の席に座って話に入るというかたちの収録でした。本書では放送でカットされた部分も含めて再録されていて、どう編集されたかもだいたいわかるようになっているので、その点もお楽しみどころです。
この単行本用には2つ、書き下ろしをしました。ひとつは出演者のアフタートークとして取材をされたもの。もうひとつはロボットアニメの歴史と系譜におけるガンダムの位置づけです。
前者は一問一答的に進められたのですが、当方から希望を出して大幅にリライトさせてもらいました。ガンダムの主題と作品性をどうとらえているか、その全容を語ったのはこの原稿が初めてに近いと思います。「いつか言わねばならないこと」の梗概を先出ししたようなものなので、まあいずれ機会があれば長編化したい内容です(というか「フィルムとしてのガンダム」は、この内容に着地させるために書き始めたものだったのですが……)。
後者も意外にきちんと説明されていないことだと思います。ロボットアニメの代表格であるガンダムに「瞳」はないのですが、それは「ウルトラマンの眼」だからというようなお話が満載。作図されている「しりとり」状態となった特撮・アニメ文化の系譜も、ラフを描きました。これまた「とっておきのネタ」でしたが、惜しげもなく放出。
動機としては、こういうことがありました。『機動戦士ガンダム』を27年経っても愛してくださるのは、本放送からのファンとしても嬉しいんだけど、あまりにも同じ情報が無限ループしているようで、危惧を感じた瞬間があったんです。
新しい視点を提示し、納得性を上げるための論理をもって展開し、それを腑に落ちさせて感動に導いた上で、その文章への感動が「作品とユーザーとの共鳴の結果であるオリジナルの感動」と共鳴することに成功すれば、そこにこそ価値が発生するわけです。
前からそういうことは感じてましたが、本書以来、もっと自覚的に何かそうしてやろうとは思うようになりましたね。
さて、現在も次の「アニメ夜話本」の作業中です。お楽しみに。
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