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2006年10月 1日 (日)

マスターピース ゼータ・ガンダム

寄稿題名:《戦争》と《平和》の境界を意識させてくれる「ガンダム」という存在

 というものののしい題名がついているが、なんてのか「フェイク論文」である。

 模型は使っているが、模型の雑誌ではない。模型を使って非現実感を演出する本。いや、「仮想現実の宇宙世紀の世界」をまるごと作っちゃおうという企画。

 「たまたまいろんな経緯があって、ガンダムファンになっちゃったサイド6の人たちが、ちょっとなんかいろんな写真を触って、あーだこーだと言ってる本……の日本語版」という意図。

 こういうちょっと常人でないことを考えるのも、『20年目のザンボット3』でデザインを担当してくれた古賀学(ペッパーショップ)。戦友がらみの仕事が続く。

 氷川は「サイド6在住のメディア評論家として、この国とガンダムの因縁を序文として書いてください」と言われ、その通りを実現した。ちなみに確か宇宙港で執筆したという内容になってるはずだが、実際に頭の方は羽田空港の夜の屋外、ジェットエンジン音が聞こえる場所で書いた。

 まあ、わざわざ行ったわけではなく送迎のついでだったが、案外「いい感じ」になったので、ちょっとした息抜きにもなった。こういう叙述性の強い方向の文章力も、もっと練習したいもの。

 それにしても古賀くんに何も言わないのに、「ホントに空港行ったんですか?」と一瞬で気づかれてしまったのには、恐れ入った。こういう仕事は仕事自体が癒しになるなあ。

 他にも1件、「ゼータがトリコロールに塗られたわけ」みたいなお題で、フェイク論文をでっちあげている。これもアウトラインは古賀案ママのはずなので、適切なプロデュースのもと、いろいろと密度の濃いことをやらせてもらって、ありがたかった。

 余録で付録の方には「アニメのキャラ表風に起こしたリュースケ・ヒカワ氏」というのが載っている。これも爆笑。

 そうそう、この件について「こんな風にサイド6のキャラとして載ってるからってさあ、後続の本がガンダムキャラに加えたりしないで欲しいよなー。オレは“古賀くんの本”のキャラになるのは嬉しいけど、ガンダムキャラになんかなりたいとは、あまり思わないからさあ」と言ったら、これも受けてしまった。でも、この話がこの本のコンセプトを実に体現しているんじゃないかな。

 というわけで、ちょっとそんな世界に遊びに行きたいひとにはオススメ。

 「ゼータ世界を考証しよう」とか「模型の作例の参考にしよう」という方は、他にもっといい本があるはずなので、そちらへ……。

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