ガンダムエース 2006年 11月号
寄稿題名:第15話「ククルス・ドアンの島」を楽しく鑑賞する方法
この号から編集部と相談の結果、「機動戦士ガンダムTV版再入門」と連載の副題を改訂、年末に出るDVDと連動を考えた記事を書くことにした。
今回のDVDは待望のものであり、また、原版の16mmネガから35mmポジを起こすなど、過去の他DVDシリーズよりも気合いの入った原版で制作されている。それでいろいろ考えて思ったのだが、「1979年の作品を1979年のものらしく」ということが、もっとも大事なのではないかと。
20周年(1999年)のときと2006年で何が一番違うかと言えば、それはこうした専門誌が発刊され、オリジナル・クリエイターのひとり安彦良和の手でリメイクが行われていることだ。そうやって、もとのポテンシャルを持ち上げたものがあるだけに、27年前のフィルムを見えるがまま以上にしてはいけないと思うようになった。
というわけで、突破口として「ククルス・ドアン」で6Pというのは、まず他の誰もやらないだろうということでインパクトがあるかなと(笑)。こうやって注意を喚起しなければ、まず間違いなくDVD上でもスキップされてしまうからだ。
かと言って「これは隠れた傑作だ」などとも言いたくはない。となってくると、お題としては酔狂を通り越してけっこう難物になってくるのだが、まあそれが27年も前の作品に継続して付き合わせていただいた者の義務みたいなもんかなあとも。
もちろん傑作ではないけど、真剣に作品に向かい合ってみたら、いろんな発見が……みたいなお話。作品鑑賞というのは「面白かった・つまらなかった」が基本とはいえ、必ずしもそれだけではないので。
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