2019年11月 6日 (水)

第32回東京国際映画祭 関連リンクのご紹介

 第32回東京国際映画祭への対応、おかげさまで成功裏のうちに終了しました。ご来場いただいた方々、またネットで話題にしていただいた方々、ありがとうございました。

 これまでの特集上映が「ジャパニーズ・アニメーション部門」となり、「THE EVOLUTION OF JAPANESE ANIMATION/VFX」という企画が今年の出し物になりました(去年までは「湯浅政明の世界」のような監督特集)。
 氷川は昨年に続いてプログラミング・アドバイザーに就任。VFXは「ウルトラQ」ですが、アニメ映画はこの1年の5本、歴史的最重要変化点の3本と8本を上映作品に選定。だいたいこの8本で日本製アニメの特徴は語れる、という話を講演しました。
 特に3本のほうが「白蛇伝」「エースをねらえ!」「AKIRA」で昭和のアニメ史は語れる! という(やや無謀な)試みをしたところ、識者からも望外のご評価をいただき、感謝しております。

 その講演映像記録がYouTubeで公開されています。データ原口さんがコメンテーターで、第二部からは桜 稲垣早希さんも参加しています。関連コラムとともに、リンク先を以下にまとめます。
 ご興味ある方へ、ご紹介いただければ幸いです。よろしくお願いします。

○講演映像リンク
https://www.youtube.com/watch?v=3Y6zlM-n9Kg&t=243s

○映画祭全体のコラム
第32回東京国際映画祭「ジャパニーズ・アニメーション部門」のご紹介
https://anime.eiga.com/news/column/tiff2019_news/109738/

○エースをねらえ!選出理由 コラム
「再話」としての劇場映画とその可能性
https://anime.eiga.com/news/column/hikawa_rekishi/109593/

○VFXコラム
アニメ史と「ウルトラQ」の深い関係
https://anime.eiga.com/news/column/hikawa_rekishi/109770/

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2019年8月18日 (日)

夏コミ本、amazonへ入庫しました

夏コミ本、amazonへ入庫したので、すでに「19-20日着」で発送通知が出ているとのことです。「通常1~2か月以内に発送します」と表示されますが、そんなにかからないと思います。よろしくお願いします。

●氷川 竜介「アニメ映画のリアル(ロトさんの本Vol.41)」

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2019年8月10日 (土)

コミックマーケット情報 8/11(日)

日曜のコミックマーケット情報です。
書影と本文の一部を公開します。

昨年夏、行列によるブロックなどもありましたので、今回搬入数を減らしました。猛暑でもあり、14時前に撤収の可能性もあります。どうかお早めにお越しください。

(日)西地区け-22a IRD工房

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2019年7月30日 (火)

京都アニメーションの成り立ちと「ブランド」について

 「もうコメントしない」と公言しましたが、海外からの温かい報道に感謝・感心する一方、「なんとなく違う点」も散見されましたので、とあるマスコミの方に「情報提供」として書いたメモを公表することにしました。何も参照せず一気に走り書きしたものですので、部分的に間違っている可能性もありますから、何かご参考になどされる場合は裏を取っていただくという前提でお願いします。また、こうした内容に関しても識者のしっかりした文章の発表に期待しています。

●京都アニメーションの成り立ちと「ブランド」について(メモ)

氷川竜介(明治大学大学院特任教授)
2019年7月27日

※未発表のメモです。取材をするうえで、あるいは取材経験者から聞く「前提」となる歴史的経緯をメモとして送ったものです。

 本来取材経験のある方が的確かと思いますが、自分なりの理解を走り書きで列記しておきます。

 京都アニメーションの「京都(地域性)」「クオリティ」「ブランド化」は密接な関係にあり、日本のアニメ史とも深い関わりがあります。
 少し詳しく説明しますので、うまくまとめていただければと思います。

 もともと「アニメーションスタジオ」は「芸術工房」に近いものでした。特に実制作(ブロダクション)に相当する演出、作画、美術、仕上げ、撮影は、イメージを共有し、一貫した美意識で作業を進めていかないと、ひとつの意志がまとまった映像にならないのです。編集、音響も本来は含まれますが、そこは「ポストプロダクション」なのでケースバイケースです(京都アニメーションはそこまで含めて「一貫」でやろうとしていたと聞きます)。
 ドラマ『なつぞら』で描かれている東洋動画のモデルとなった「東映動画」は、こうした工房を商業ベースに乗せて長編を作ろうとした会社です。ことに絵づくりに関する人たちは、同じイメージボードを見て、同じゴールを共有し、そして時にアイデアを出し合って、ひとつずつ良いものをフィルムに追加していきました。それは全体としての質を豊かにしていくことにつながります。
 ところが1963年の『鉄腕アトム』のヒットにより、毎週、毎週、放送されては流れ去ってしまう「テレビアニメ」の時代が始まりました。じっくりと芸術性や美意識を練りこむヒマもなく、驚くべき量産性の時代に突入したのです。30分でも1話作るのに一ヶ月はかかるので、4班のローテーションで回すということが始まります。
 60年代のうちは、それでもプロダクション(虫プロダクション、竜の子プロ、エイケンの前身であるTCJ動画センターなど)は内製と言って、全工程を社内に擁する体制をとり、一部のみ外注で済んでいましたが、70年代に入ると世情がガラッと変わります。映画の斜陽化を筆頭にして、テレビ番組の制作も含め、徹底した外注化が進むのです。原因はいくつかありますが、東映動画の労働争議、虫プロダクションの倒産などは、その外注化への傾斜と深い関係があります。
 それゆえアニメ制作会社の大半はごく一部のスタッフのみ社員化し、他はぜんぶ外注化するという方策をとりました。これは共倒れを防ぐため、やむを得ない措置だったと思います(この話をすると、まるで外注体制が「悪」みたいに思われるのですが、そういうことではないと思います)。
 結果として、東京中(主に中央線と西武沿線)に外注会社とフリーランスの集団ができました。いわゆる「城下町」的なものです。東京全体で「全日本アニメ会社」なんだ、という業界の人がいるほどです。これによって、作品の増減も吸収できますし、フリーの人も仕事には困らないという状況が出現し、かなり長い時間が過ぎています(50年近く?)。
 しかし、どこの誰にどう仕事を振っても大丈夫にするということは、「繊細な表現は頼めない」ということになります。そして意思統一した発注は難しいですから、いろんなところに振って、絵柄や動かし方がバラバラで上がってきたものを、中枢のスタッフ(作画監督や演出家)が徹夜徹夜で修正し、均一性を保つ。そういうことも多々生じるようになっていきます。
 特にアニメが本当に流れ去ってしまう時代が終わり、「パッケージにして販売し、ビデオ売上を制作費に回す」ようになってから、絵の崩れを観客が許さなくなりました。いわゆる「クオリティ」は本来、工場など製造側の言葉なのですが、それを観客が語るようになってから、外注化による歪みが突出するようになったと思っています。
 スタジオジブリは、1990年代に入って興収が激増したことで、こうした負の連鎖から脱することを考えた会社です。すごく雑に言うと、1970年代初頭に崩れてしまった東映動画のスタジオシステム、高畑勲監督と宮崎駿監督の古巣を、時代に逆らって再現し、オールインワン、内製のスタジオを再現することで、クオリティの基礎となる「美意識の共有」「一貫性ある制作」を1960年代のスタイルに戻したわけです。この「逆張り」が「ジブリだけは違う」という信頼に結びつき、「ブランド化」したピークが『もののけ姫』と『千と千尋の神隠し』でした。
 京都アニメーションはもともと仕上げの会社として京都に居を構えました。そこで地元の雇用を促進し、長期にわたって面倒を見ることで品質管理を徹底したということです。カット袋から出しただけで、京アニの仕上げかどうか分かったというので、相当のものです。そして八田社長は「いつか工程の全部を京都で」という目標をたて、作画を入れ、演出を入れと次第に「1話まるごと」を請けられるようにしたのです。さらに90年代末からデジタル化されたことで、それまで莫大な設備投資と技術が必要だった「撮影」も内製可能となりました。
 その「大規模施設がなくても、ひとつところで可能となったメリット」は、2002年に新海誠監督が登場したのと同じものです。そしてそれを活かすこと、作画・演出・美術・仕上げ・撮影の一環した美意識に反映させることで、どうしても一部はバラバラにせざるを得ない在京他社とは、まったく違う、21世紀ならではの繊細で芸術的なアニメーションづくりと商業性を両立させました。
 雇用面でも他社とは違う優遇、定時を厳守するような労働条件などがあったようですが、あいにくその辺には詳しくないので、割愛させていただきます。
 高度なチームワークができたスタッフは、ひとつの作品の手ごたえを足がかりに、さらに先へ先へと挑戦もできます。そうやって、単にクオリティが高いというのみならず、独自性のある表現力の獲得と、それを前提にした挑戦が可能になったのです。たとえば『たまこラブストーリー』という映画は「女の子が男の子に告白されて、ときめいたら世界が変わって見えた」という、“たったそれだけ”で長編を支えきった希有な作品です。「リズと青い鳥」は私も審査委員になったとき、毎日映画コンクールの「大藤賞」を差し上げることができました。それは「繊細な心理表現」という点で、アニメーション映画を更新したからです。

 さらに言えば、その一連の高みへ昇る姿勢を支持したユーザーたちの期待に応えることで、パッケージ販売が急激に下がっていった2010年代以後もブランド力で安定して売れ続け、そのインカムで、ひとつ、またひとつと、表現の先端を更新していった会社が京都アニメーションです。
 ジブリの美意識は、つまるところ1960年代に確立した東映動画と、高畑・宮崎監督の作家性に依拠しています。あまり新しいものではない。しかしだからこそクラシックの地位を獲得しました。
 しかし京都アニメーションは、それとは違うと思います。21世紀、ネットなどを前提とした「みんなで良いものを」という価値観に根ざしたものがあると思います。
 地の利や、いいものをつくりたいという強固な意志、東京の作品づくりがどこかで置いていかざるを得ない「本来のものづくり精神」などなどを、40年近く一歩ずつ、一歩ずつ積みあげて、芸術・商業が融合する、それによって日常に潜んでいる機微、繊細な感情の揺れを共有するという、世界でも特異な日本のアニメーションづくりを体現し、その代表と言っていいレベルに高めたのだと思います。
 その積みあげた数十名の人――頭脳と手の中に蓄えられ、以心伝心的なチームワーク、長年かけて滋味を醸成したスキルなどなどがあった会社であり、だからこそのブランドという、もっとも重要なところをうまく伝えていただければ幸いです。

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2019年7月24日 (水)

池袋コミュニティカレッジ 7月以後の予定

またも間際の告知で恐縮です。
月例講座「池袋コミュニティカレッジ」につきまして、7月~9月期は3回シリーズで45周年を迎えます『宇宙戦艦ヤマト』を語ります。

<講座名>
氷川竜介のアニメの楽しみ方
講師:アニメ特撮研究家・明治大学大学院特任教授 氷川 竜介
【7月期カリキュラム】
7/27「宇宙戦艦ヤマト TV45周年 その1」
8/24「宇宙戦艦ヤマト TV45周年 その2」
9/28「宇宙戦艦ヤマト TV45周年 その3」
●曜日・時間帯:第4土曜 13:30~15:00
●場所:西武池袋本店別館8・9階

《概要》
1974年10月6日からスタートした『宇宙戦艦ヤマト』は、『鉄腕アトム』から11年目にして飛躍を遂げた作品です。しかし1977年の劇場公開時のヒット以前には、いったいどんな風にとらえられていたのでしょうか?
今回は映像解説を中心にすることで、原点中の原点について即興性も加味して語ってみたいと思います。われわれの世代も還暦を迎え、鬼籍にはいってしまった仲間も少なくない現在、「二次情報」「伝聞」「後付け」を排除したナマの声をお届けしたいと思っています。
なお10月以後、長期のお休みに入る予定です(最低半年)。この機会をぜひよろしくお願いします。

《留意事項》
7/27の回は大宮で開催される「日本SF大会」と重なっています(氷川の企画は18時台)。通例ですと終了の15時よりカフェで「お茶会」を行いますが、この回のみ終わり次第、大宮へ移動とさせてください。申し訳ありません。

お申し込みなどの詳細は以下で、よろしくお願いします。
http://cul.7cn.co.jp/programs/program_707084.html

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2019年7月22日 (月)

京都アニメーション 国際的人気の意味

「なぜ京アニ作品は全世界の人の心を動かすのか」「これからどうしたらいいのか」については、先週金曜日(7/19)にラジオ出演で語りました。
要点としては……

・アニメーションの生命とは人の善意と愛情の結晶である
・京都アニメーションはそれを画にして観客の感情を揺さぶるスタジオ。人の善き行動を触発してきた。
・視覚表現に国境はない。だから世界中から弔意が集まる
・それは「人の善意と愛情」が同じという証拠
・落ち着いたら京アニ作品から「善意と愛情」を再確認し、自分のできることを考え行動する。それはスタジオの復興といった範疇を越えた回復につながる

こう考えれば、国連他、世界各国から弔意があったことの真意が分かるかなと。「人気だから」を超えた話だと信じています。

まだradikoに残っていると思いますので、ご一聴いただければ幸いです(若干ニュアンスは違うかもしれませんが)。
◆番組名 『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI』
月曜~金曜 午後3時30分~午後5時50分
◆出演者 ●キャスター 斉藤一美(アナウンサー)
●サブキャスター 西川文野(アナウンサー)

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2019年7月20日 (土)

京都アニメーションの功績について(メモ)

7/18~7/19 マスコミ対応のために作ったメモです。
あくまで「初動用」ですので、「役割は終わった」と考えて公開するものです。
マスコミ用を考慮して伝わりやすい表現にした箇所が多々ありますし、抜けもあります。研究者によっては正確性に疑問を抱くかもしれません。だいたい15分から20分話して使われるのは30~40秒が分かっていたので、使われそうな作品、伝わりやすそうな特徴に絞りこみつつ、多面的にしてあります。「もっとこういう作品」「もっとこんな特徴」という点は、京都アニメーションさんへの取材経験があったり、今後、個別の作品を知悉している編集者や研究者、ファンbの方々にお任せしたいと考えています。
このメモを参考にされたり引用したりするのは、ご自由にお願いします。
もし氷川の記名によるコメントとして使用する際は、pgb00463@nifty.com まで。

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京都アニメーションについて(メモ)
2019/07/19
明治大学大学院特任教授(アニメ研究家) 氷川竜介

その1
東京一極集中で外注・フリーランスによって回すことの多いアニメ制作に対し、京都を拠点としてスタッフを集め、定常的な雇用で映像クオリティの向上と安定化を行った。アニメスタジオがブランド化するきっかけとなり、地方スタジオ(富山県のP.A.WORKSなど)が幾つも設立される呼び水となった。

その2
2006年、ライトノベル「涼宮ハルヒの憂鬱」の映像化で、インターネット以後のアニメファン(デジタルネイティブ)の感性に近い映像化を実現。特に学園祭ライブシーン、ダンスシーンが圧巻で、「音楽との同期」「楽器の扱いのリアリティ」と「ドラマの盛りあがり」がリンクし、ブログを介して一気に高評価を得た。「ネットによるアニメ評価の拡大と拡散」の最初期と言える。また国際的なインターネット映像配信(YouTube)の開始時期だったので、「ハルヒダンス(エンディング)」が全世界に拡大。アメリカ、フランス、南米など世界各国で「ハルヒダンス」をコスプレで実演、共有し、アニメの国際化に貢献した。

その3
「らき☆すた」オープニングのダンスで聖地巡礼ブームを拡大させた。鷲宮神社へファンが集まり、地方活性化をリード(2007年)。京都の風景も作品に採り入れ、地元の魅力を日本中に紹介した。

その4
「けいおん!」で部活もの、女子観察ものの決定版をつくった。日常の細かい仕草・会話や、女子がギターやドラムで演奏する描写が出色。20歳以上の男子ユーザーのみならず、リアル女子高生に人気となり、実際にバンドを組む若者を増やすなどの影響をあたえた(2009年)

その5
2~4の各作品で「音楽演奏」を重視。「響け!ユーフォニアム」(2013年)という作品では、高校の吹奏楽部で当初下手で気持ちの合わなかったメンバーが、息を合わせて楽器を上達させるプロセスを、ていねいに描くなど難しく繊細な作画・演出を実現。「音楽とアニメーション」の関係を進化させた。

その6
2~4の各作品のヒットはDVD,Blu-ray販売のみならずCDやライブコンサートなどにも波及。ビジネス面の成果だけでなく、それまで「オタク=室内で鑑賞する」という行動形態を「アウトドア」「コミュニケーション」に転換し、アニメーションの受容を大きく変えるきっかけを作った。

その7
2010年以後は「商業性と作品性」を両立。特に山田尚子監督の一連の映画(「映画けいおん!」「たまこラブストーリー」など)は、青春映画の純朴さを実現した。作家性、作品力の事例としては、難しい社会的テーマを扱った「映画 聲の形」(聾唖者が主題)、デリケートな感情の交錯する「リズと青い鳥」(「響け!ユーフォニアム」のスピンオフ)などで芸術性を更新するアニメーション映画を完成。映画賞の数々を受賞し、高く評価された。

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京都アニメーションの事件について

衝撃の2日間(7/18-7/19)でした。痛ましい事件で亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、負傷された方々のご快癒を祈っております。マスコミ対応に関し、Twitterに上げたものを、ここに再掲いたします。

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【7/18夜】

7/18の京都アニメーションで起きた事件に関し、心を痛めております。心からお見舞い申しあげます。亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、負傷された方々のご快癒を祈ります。

7/18だけで10数件の取材に対応しました。事件自体へのコメントはお断りし、「京都アニメーションとはどういう存在か」に関し、第一報として正確に伝わるよう努力しました。本日(7/19)以後は自分の専門領域を越えているため、新規対応は基本お断りすると思いますので、よろしくお願いします。

マスコミ対応につき「京都アニメーションに関する情報提供(特に功績や社会的な貢献)」は役割だと思うので、お引き受けしました。「事件に対するコメント」は個人で代弁する性質の事件ではないので、お断りしました。前者に関しても、今後は自分よりもっと詳しい方(取材経験などがある方)がするべきだと考えています。
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【7/19朝】

テロリズムは暴力の発動によって、広範囲の他者に恐怖、不安、動揺を喚起させ、支配することが最終目的です。哀悼の意は抱きつつも、自分にできることを淡々と進めることが、最大の抵抗になると信じてます。軽挙妄動を慎み、平常心をと努力中です。

「平常心を努力中」と言ったのは、2時間ほど前、きっかけもなく急に涙が止まらなくなったから。感情は抑圧しきれるものではありません。落ち着いたら、京都アニメーションの作品を見返して、泣いたり笑ったりしようと思います。作品に込められた生命を改めて感じたいです。

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【7/19夜】

初動の役目を終えたつもりが、結果的に7/19もマスコミ対応に追われました。大学の広報経由と直接連絡で累計20数件になった時点で錯綜し、把握至難に。話すたびに事件現場を想像せざるを得ないので、関係者の方々はこの比ではないとお察しし、やりきれないものがあります……。

7/19は義父の墓参や食事会だったのですが切り上げ、ラジオ出演、テレビ電話取材のみ対応しました。映像はすべて辞退、事件そのものや今後の影響などのコメントも言及する立場にないので謝絶、京都アニメーションさんの世界的な功績や「善意と愛情」で支えられるアニメの本質を語るよう心がけました。

氷川の対応にも限界を感じました。質問がワンパターンなので答えも同じになり始め、途中から基本的なテキストを用意し、大学広報経由で送付してもらうように対処しました。そして7/20以後は、いっさいの依頼を謝絶するようお願いしています。個人的に喪に服させていただきたく思っています。

最後の電話取材のご担当の方が終わりぎわに「僕も京都アニメーション作品が好きで。特に『Air』『CLANNAD』とか……」とおっしゃるので「そう、そうなんです! 『Air』から話したいんですが知名度から『ハルヒ』にせざるを得なくて」と氷川も反応。救われた思いでした。

最初の2日間で「どんな功績があるか」「世界にどんなインパクトをあたえたか」は広く知られたと思います。以後は「京都アニメーションに取材経験のある方」「(編集・ライターとして)作品に関与した方」が、より深いお立場から語られることを(氷川としても聞きたいと)望んでいます。

アニメーションの定義である「生命を吹きこむ」という原点に立ち返り、その意味を考えることが、事件の恐怖や不安に立ち向かう術だと思います。今すぐは難しくても、少し間をおいたら「生命を吹きこまれた京都アニメーション作品」に触れ、その生命を改めて自分の中に取りこみたいです。

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